第13章 SMSを利用する

Armadillo-IoT G3は、3Gモジュール を使用したSMSの送受信を行うことができます。

SMSの送信、受信したSMSの確認および削除などの操作はModemManagerのmmcliコマンドで行うことができます。

また、受信したSMSに応じて、i.MX 7Dual の電源制御を行うことができます。SMSを利用した、i.MX 7Dual の電源制御の詳細については、「SMSによる制御」を参照してください。

ModemManagerを使用したSMSの送受信と、SMSを利用したi.MX 7Dual の電源制御機能は同時に使用することができません。

本章では mmcliコマンドでのSMSの使用方法について説明します。

13.1. 初期設定

ModemManagerでSMSを使用するには、SMSを利用したi.MX 7Dual の電源制御機能を停止する必要があります。初期出荷状態では停止状態になっています。機能を有効にしている場合は、「削除」を参照し設定ファイルの削除を行い機能を停止してください。その後、Armadillo-IoT G3の電源を切ります。

SMSが利用可能なSIMを挿入してArmadillo-IoT G3の電源を入れると、ModemManagerが必要な初期設定を行い、SMSが利用可能になります。

SMSの受信は自動的に行われます。

以下のようにコマンドを実行し、言語設定を行います。

[armadillo ~]# export LANG="ja_JP.UTF-8"

図13.1 言語設定


13.2. SMSを送信する

SMSを作成するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -m 0 --messaging-create-sms="number=[送信先電話番号],text='[SMS本文]'"

図13.2 SMSの作成


SMSの作成に成功すると、以下のようにSMS番号が表示されます。SMS番号は送信時に使用します。

Successfully created new SMS:
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/[SMS番号]

図13.3 SMS番号の確認


以下のようにコマンドを実行し、SMS送信を行います。[SMS番号]には、SMSの作成時に表示された番号を指定します。

[armadillo ~]# mmcli -s [SMS番号] --send

図13.4 SMSの送信


13.3. SMSリストを表示する

SMSリストを表示するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -m 0 --messaging-list-sms
Found 7 SMS messages:
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/0 (received)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/1 (received)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/2 (received)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/3 (received)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/4 (sent)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/5 (received)
        /org/freedesktop/ModemManager1/SMS/6 (sent)

図13.5 SMSの一覧の表示


13.4. SMSの内容を表示する

SMSの内容を表示するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -s [SMS番号]
  -----------------------------------
  Content    |              number: 'XXXXXXXXXXX'
             |                text: 'hello world'
  -----------------------------------
  Properties |            PDU type: 'deliver'
             |               state: 'received'
             |             storage: 'me'
             |                smsc: '+XXXXXXXXXXXX'
             |           timestamp: 'XXXXXXXXXXXX+XX'

図13.6 SMSの内容を表示


受信したSMSは自動的に3Gモジュールの内蔵ストレージに保存されます。Armadillo-IoT G3に標準搭載されている、PDS6-Jでは、最大4件までSMSを保存することが可能です。

PDS6-Jの内蔵ストレージに4件SMSを保存した状態でArmadillo-IoT G3にSMSを送信しても、Armadillo-IoT G3は受信を行いません。

受信を行うには、PDS6-Jの内蔵ストレージに保存しているSMSを削除するか、他のストレージに移動する必要があります。

SMSの内容を表示した際の「storage: 'me'」は、3Gモジュールの内蔵ストレージにSMSが保存されていることを意味しています。

「storage: 'sm'」と表示された場合、SIMのストレージにSMSが保存されています。SIMのストレージに保存できるSMSの件数はSIMによって異なります。

ストレージに保存されているSMSは、Armadillo-IoT G3の電源を切断してもデータが保持されます。

13.5. SMSを削除する

SMSを削除するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -m 0 --messaging-delete-sms [SMS番号]

図13.7 SMSの削除


13.6. SMSを他のストレージに移動する

SIMのストレージにSMSを移動するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -s [SMS番号] --store-in-storage="sm"

図13.8 SIMのストレージにSMSを移動


3Gモジュールの内蔵ストレージにSMSを移動するには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# mmcli -s [SMS番号] --store-in-storage="me"

図13.9 3Gモジュールの内蔵ストレージにSMSを移動