Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 上で Node-RED を使用するためのセットアップ方法を説明します。
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E に Node-RED 対応用のインストールディスクをインストールし、開発用パソコンと Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を有線 LAN で繋がる様にします。
セットアップが完了すると Node-RED の起動画面が表示されます。
開発セットに同梱されている内容物は、同梱の内容物一覧でご確認いただけます。 お使いになる前に、内容物がすべて揃っていることをご確認ください。 万一、内容物の不足または部品の破損等がございましたら、ご購入の販売代理店までご連絡ください。
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 上で Node-RED を使用するためには以下のものが必要です。
表3.1 開発に必要なもの
品目 | 説明 |
---|
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 開発セット | 本製品です。 |
開発用パソコン | Linux または Windows が動作し、ネットワークインターフェースと 1 つ以上の USB ポート、microSD ポートを持つパソコンです。 |
有線 LAN ケーブル | 本ガイドではArmadillo-IoT ゲートウェイ A6Eと開発用パソコンを有線 LAN で接続する前提で記載しています。 |
512MB 以上の microSD カード | Node-RED の開発環境をインストールするために使用します。開発用パソコンの SD ポートが microSD ではなく、SD/miniSD ポートの場合、microSD へ変換するアダプターも必要となります。 |
起動デバイス設定スイッチを操作することで、起動デバイスを設定することができます。
-
-
起動デバイスはeMMCになります。
-
-
起動デバイスはmicroSDになります。
| |
---|
起動デバイス設定スイッチの両脇の基板上に、白い文字でeMMC/SDとシルク記載しているので、操作の目印にご利用ください。 |
3.2. インストールディスクを使用してセットアップを行う
microSD カードを用いてインストールディスクを作成して Node-RED コンテナと最新の Armadillo Base OS をインストールする手段を説明します。
インストールディスクイメージについては以下から取得可能です。
作業用 PC 上でダウンロードした Zip ファイルにはインストールディスクイメージ (baseos-6e-installer-[VERSION]-node-red.img) のファイルが含まれています。このファイルを microSD カードに書き込みます。
3.2.1. Windows PC 上でインストールディスクを作成する
Windows PCの場合、[Win32 Disk Imager Renewal] を使用してimgファイルをmicroSDカードに書き込みます。
[Win32 Disk Imager Renewal] は以下からダウンロードしてください。
最新版のEXEファイルをダウンロードして起動します。以下にimgファイルの書き込み手順について示します。
-
ダウンロードしてきたZipファイルを解凍して書き込み用のimgファイルを取得します。
-
[image File] に先ほど展開したimgファイルを指定します。
[Device] には microSDが挿入されているスロットを指定します。
-
[write] ボタンを押すと警告が出ますので、問題なければ[はい]を選択して書き込みます。
-
書き込み終了ダイアログが表示されたらインストールディスクの作成は完了です。
3.2.2. Linux PC 上でインストールディスクを作成する
Linux PCの場合、以下のようにmicroSDカードに書き込むことができます。
sd[X] の [X] は microSD のドライブを指定してください。
書き込みが終了したらインストールディスクの作成は完了です。
3.2.3. 作成したインストールディスクを使用してセットアップする
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のケースを開けます。ケースの分解手順は「ケースの分解」を参照してください。
-
インストールディスクを Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の microSD に挿入します。microSD の挿抜方法は「microSDカードの挿抜方法」を参照してください。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の起動デバイス設定スイッチを ON にし、起動デバイスを microSD に設定します。起動デバイス設定スイッチの場所は、「インターフェースレイアウト」の「 起動デバイス設定スイッチ」です。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入すると、20分程度でソフトウェアの初期化が完了します。
-
インストールが完了すると電源が切れます(SYS(システムLED)が消灯します)。LED の位置は「インターフェースレイアウト」の「システムLED」です。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントから抜き、続いての起動デバイス設定スイッチを OFF に設定し、microSD カードを外してください。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のケースを組み立ててください。組み立て手順は「ケースの組み立て手順」を参照してください。
-
10 秒以上待ってから再び電源を投入すると Node-RED が入った Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E が起動します。
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E のインターフェースレイアウトです。一部のインターフェースを使用する際には、ケースを開ける必要があります。
表3.2 各部名称と機能
番号 | 名称 | 形状 | 説明 |
---|
1 | SDインターフェース | microSDスロット | 外部ストレージが必要な場合[]や、ブートローダーを破壊してしまった時の復旧等で使用します。microSDカードを挿入します。 |
2 | nanoSIM インターフェース | nanoSIMスロット | LTEデータ通信を利用する場合に使用します。nanoSIMカードを挿入します。 |
3 | LANインターフェース | RJ-45コネクタ | 有線LANを利用する場合に使用します。LANケーブルを接続します。 |
4 | 電源入力インターフェース | DCジャック | Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eへの電源供給で使用します[]。付属のACアダプタ(12V/2A)を接続します。対応プラグ:内径2.1mm、外形5.5mm |
5 | 入出力インターフェース | 端子台 | 絶縁入出力、RS485通信する場合に使用します。Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eへの電源供給も可能です[]。 |
6 | USBコンソールインターフェース | USB micro Bコネクタ | コンソール入出力を利用する場合に使用します。USB micro Bケーブルを接続します。 |
7 | 拡張インターフェース | ピンヘッダ34ピン(2.54mmピッチ) | 機能拡張する場合に使用します。2.54mmピッチのピンヘッダを実装することができます。 |
8 | USBインターフェース | USB 2.0 Type-Aコネクタ | 外部ストレージが必要な場合等に使用します。USBメモリ等を接続します。 |
9 | RTCバックアップインターフェース | 電池ボックス | リアルタイムクロックのバックアップ給電が必要な場合に使用します。対応電池: CR1220 等 |
10 | LTE アンテナインターフェース | SMAコネクタ | LTEデータ通信を利用する場合に使用します。付属のアンテナを接続します。 |
11 | LTE アンテナインターフェース | SMAコネクタ | LTEデータ通信を利用する場合に使用します。付属のアンテナを接続します。 |
12 | WLAN/BT アンテナインターフェース | MHF4コネクタ | WLAN/BTデータ通信を利用する場合に使用します。付属のWLAN/BT用アンテナを接続します。 |
13 | システムLED | LED(緑色、面実装) | 電源の入力状態を表示する緑色LEDです。 |
14 | アプリケーションLED | LED(緑色、面実装) | アプリケーションの状態を表示する緑色LEDです。 |
15 | ワイヤレスWAN | LED(緑色、面実装) | LTE通信の状態を表示する緑色LEDです。 |
16 | ユーザースイッチ | タクトスイッチ | ユーザーが利用可能なタクトスイッチです。 |
17 | 起動デバイス設定スイッチ | DIPスイッチ | 起動デバイスを設定する時に使用します。 |
18 | RS485終端抵抗設定スイッチ | DIPスイッチ | RS485通信の終端抵抗を設定する時に使用します。 |
本製品はねじを使用しないスナップフィット方式を採用しており、容易に組み立てと分解が可能です。分解する際には手のけがやパーツの破損を防止するためマイナスドライバーなどの工具を使用してください。
表3.3 ケースモデル展開図パーツ一覧
番号 | 名称 | 説明 |
---|
1 | ケーストップ | ケース上側のパーツです。 ケースボトムとは4か所のツメで固定されます。 ケースを分解する際は、マイナスドライバーを使用してツメを破損させないよう慎重に取り外してください。 |
2 | ケースボトム | ケース下側のパーツです。 |
3 | フック | ケースをDINレールに固定するためのパーツです。 |
4 | 基板 | |
5 | カバーパーツA | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
6 | カバーパーツB | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
7 | カバーパーツC | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
8 | カバーパーツD | ケース開口部のカバーです。 ケーストップとは1か所のツメで固定されます。 |
9 | LEDライトパイプ | カバーパーツCに装着するLEDのライトパイプです。強い衝撃を加えた場合、ライトパイプが外れる場合がありますので、図3.7「ケースモデル展開図」を参考にカバーパーツCの丸穴に差し込んでください。 |
フックは以下の図を参考に取り付けてください。
| |
---|
microSDカードの取り付けは、ケースの組み立て前に行う必要があります。取り付け手順については、を参照してください。 |
以下の手順に従い、ケースを組み立ててください。
-
基板をケーストップに入れる
-
ケースボトムをケーストップにはめ込み、基板を固定する
-
フックをケースボトムにはめ込む
-
カバーパーツをケーストップにはめ込む
| |
---|
WLAN+BT コンボモジュールを搭載した製品におきましては、ケーストップに貼り付けられているWLAN基板アンテナのケーブルが製品基板のANT3と接続しています。
ケースを分解する際は、ANT3に無理な力が加わらないよう慎重に作業してください。 |
| |
---|
ツメに強い力を加えますと破損する恐れがありますので、十分ご注意ください。 |
マイナスドライバーなどの工具を用意してください。以下の手順に従い、ケースを分解してください。
-
フックをケースボトムから取り外す
-
ケースボトムを取り外す
-
基板を取り外す
-
カバーパーツを取り外す
フックはツメで固定されていますので、図3.10「フックのツメ」を参考にツメを押しながらフックを引き出してください。
ケースボトムはツメ4か所で固定されていますので、図3.11「ケースボトムのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み順に外してください。
Cat.1モデル, Cat.M1モデルではアンテナコネクタがケース開口部より飛び出しているため、反対側のLANコネクタ側から先にケーストップから出すようにしてください。基板を取り外す際、LANコネクタの突起部がケーストップに当たらないよう、ケースを広げながら基板を取り外すようにしてください。
カバーはツメ1か所でケーストップに固定されています。図3.12「カバーのツメ」を参考にマイナスドライバーをケースの隙間に差し込み外してください。
上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックを解除します。
カバーを開けます。
| |
---|
カバーは過度な力で回転させたり、回転方向以外の方向へ力を加えると、
破損の原因となりますので、ご注意ください。 |
任意の角度までトレイを開いた状態で、microSDカードを挿抜します。
| |
---|
microSDカード挿入方向については、カバーに刻印されているカードマークを目安にしてください。
|
カバーを閉めます。
上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックします。
| |
---|
microSDカード装着後のカードの抜き取り手順は挿入時と同じです。 |
Node-RED の開発をするパソコンと Armadillo のネットワークを接続するために Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の IP アドレスを取得または設定します。
Armadillo の有線 LAN は、初期状態で DHCP の設定となっておりますので、DHCP が稼働している有線 LAN に接続した場合は、なんらかの IP アドレスが付与された状態になっています。
DHCP で IP アドレスが付与される環境の場合、ABOS Web を使用することで IP アドレスの確認が可能です。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E を 「インストールディスクを使用してセットアップを行う」 でセットアップを済ませた場合は ABOS Web が起動しています。
再起動がまだの場合は電源を再投入します。
開発用パソコンで Web ブラウザーを起動し https://armadillo.local:58080 にアクセスします。
| |
---|
ABOS Web が動作する Armadillo が、同じ LAN 上に複数ある場合、ABOS Web に接続する URL のホスト名部分(armadillo.local)は、2 台目は armadillo-2.local、3 台目は armadillo-3.local と、違うものが自動的に割り当てられます。この場合どの URL がどの Armadillo かを判別するのは難しいので固定 IP アドレスを設定し、IP アドレスで指定できるようにする方法があります。固定 IP アドレスの設定方法は「Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する」を参照ください。 |
初回接続時は、ABOS Web のパスワードを設定する必要がありますので、設定します。
"初回ログイン"のパスワード登録画面で、"パスワード" フィールドと "パスワード(確認)" フィールドに、登録したいパスワードを入力してから、"登録" ボタンをクリックしてください。パスワード登録完了画面が表示されたら、パスワード登録の完了です。
ログインします。
左のメニューから「状態一覧」を選択します。
「LAN 情報」の「IP アドレス」の欄に有線 LAN の IP アドレスが表示されていますのでメモしておいてください。
3.6.1. Armadillo の有線 LAN に固定 IP アドレスを設定する
DHCP サーバーが存在しない環境で開発を行う場合、Armadillo-IoT ゲートウェイ A6Eに固定の IP アドレスを付与して開発を行います。
Armadillo にシリアルコンソールを接続してコマンドを入力する必要があります。シリアルコンソールの接続方法はを参照ください。
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E と開発用パソコンを開発セットに同梱されています USB(A オス-microB)ケーブルで接続します。Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E 側は図3.6「Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E インターフェースレイアウト」に示す「USB コンソールインターフェース」に microB を、開発用パソコン側は Type-A を接続してください。
-
開発用パソコンでシリアルコンソールを開きます。対応しているソフトウェアは、Windows OS であれば TeraTerm、Linux であれば minicom などがありますので、インストールしてご利用ください。
-
ソフトウェアのシリアル設定を表3.4「シリアル通信設定」に示します。
表3.4 シリアル通信設定
項目 | 設定 |
---|
転送レート | 115,200bps |
データ長 | 8bit |
ストップビット | 1bit |
パリティ | なし |
フロー制御 | なし |
-
Armadillo-IoT ゲートウェイ A6E の AC アダプターをコンセントに繋ぎ電源を投入します。
シリアルコンソールに以下のようにログインプロンプトが表示されましたら、root ユーザーでログインします。特に設定していない場合の root ユーザーの初期パスワードは root です。
Welcome to Alpine Linux 3.18
Kernel 5.10.197-0-at on an armv7l (/dev/ttymxc2)
armadillo login:
"Wired connection 1" に固定 IP アドレスを設定します。
[armadillo ~]# nmcli connection modify "Wired connection 1" \
ipv4.method manual ipv4.addresses 192.0.2.10/24 ipv4.gateway 192.0.2.1
有線 LAN eth0 を再起動します。
[armadillo ~]# nmcli connectio down "Wired connection 1"
[armadillo ~]# nmcli connectio up "Wired connection 1"
設定された IP アドレスは ip addr
コマンドで確認できます。
[armadillo ~]# ip addr show eth0
2: eth0: ...中略...
inet 192.0.2.10/24 brd 192.0.2.255 scope global noprefixroute eth0
valid_lft forever preferred_lft forever
... 後略 ...
設定を永続化するために、persist_file
コマンドを実行してください。
[armadillo ~]# persist_file /etc/NetworkManager/system-connections/"Wired connection 1.nmconnection"
パソコンの Web ブラウザから、「ネットワークに接続する」 で取得した IP アドレスを使用して、
http://<ipアドレス>:1880/
にアクセスしてください。
Node-RED の起動画面が表示されたらセットアップは終了です。