これまでに説明したように、ArmadilloはARMプロセッサを搭載したコンピューターです。対して、作業用PCは、一般にx86(i386)またはx86_64(amd64)互換アーキテクチャのプロセッサを搭載しています。そのため、単純に作業用PCでアプリケーションの(C言語)ソースコードを作成しコンパイルしても、Armadillo上で動作する実行ファイルを得ることはできません。このように、アプリケーションをコンパイルするコンピューター(ホストコンピューター)のアーキテクチャと、アプリケーションを実行するコンピューター(ターゲットコンピューター)のアーキテクチャが異なる場合を、クロス開発といいます。
クロス開発には、ターゲットのアーキテクチャごとに専用のクロスコンパイラやリンカ、アセンブラなどのクロス開発用ツールチェインが必要です。当然、ライブラリもターゲット用のものを用意しなければなりません。また、組み込み開発では、ターゲットがストレージとしてフラッシュメモリしか持っていない場合が多いので、フラッシュメモリの書き換え手段も必要となります。フラッシュメモリに書き込むためのイメージファイルを作成するツールも必要でしょう。これらのクロス開発用の開発環境を作成することは、一般に手間のかかることです。クロス開発環境を構築しようとして、既存の環境を壊してしまい、OSから再インストールという事態に陥った方もいるのではないでしょうか[]。
開発環境構築に関わる手間をなるべく軽減できるように、Armadillo用のクロス開発用ツールチェイン、クロスライブラリ、ダウンローダー(フラッシュメモリ書き換えプログラム)などをインストールし、設定済みの環境をATDEという名称で提供しています。ATDEは、VMwareのイメージですので、作業用PCで動作しているOSがWindowsでもLinuxでもVMware Playerが動作すれば、すぐに使用することができます。
| VMwareとは |
---|
コンピューター上で動作する、あるOS(ホストOS)の上に仮想のコンピューター(仮想マシン)を作成し、仮想マシン上でもう一つのOS(ゲストOS)を動作させることができる、仮想化ソフトウェアの一つです。VMware, Inc.が開発、提供しています。VMwareを使うと、Windows PC上に仮想マシンを作成しLinuxを動作させたり、またはその逆をおこなうことができます。 VMware Playerは、いくつかあるVMware製品のうち、無償で使用できる製品です。元々は、仮想マシンイメージの実行だけできる製品でしたが、最新版ではイメージの作成をおこなうこともできるようになっています。詳しくは、VMware Playerに関するFAQ[]を参照してください。 |
ATDEという名前がついてはいますが、実際にはDebian GNU/Linuxに、開発に必要なソフトウェア一式をインストールしただけのものです。VMware Playerで作業用PC上にもう一つ仮想的なコンピューターを作り、そこでLinux(Debian GNU/Linux)が動いていると考えてください。
本章では、VMware Playerのインストール方法と、ATDEの実行、設定、運用方法について説明します。対象となるATDEは、本書執筆時点での最新バージョンであるATDE5です。ATDE5では、ゲストOSとしてDebian GNU/Linux 7 (コードネーム "wheezy")を使用します。
| ホスト、ゲスト、ターゲット |
---|
クロス開発の場合、開発を行うコンピューターをホスト、プログラムを実行するコンピューターをターゲットと呼びます。また、仮想化ソフトウェアの場合、仮想マシンを実行するコンピューターをホスト、仮想マシンをゲストと呼びます。 ATDEは、クロス開発環境として見た場合ホストです(Armadilloがターゲット)。しかし、仮想マシンとして考えた場合はゲストとなります(作業用PCがホスト)。文脈によって、ホストと表現される場合とゲストと表現される場合がありますので、注意してください。 |
| 開発環境が仮想マシンであるメリット |
---|
VMwareの仮想マシンの情報はすべてファイルとして管理されています。そのため、あるプロジェクトで使用した仮想マシンのファイルを保存しておけば、プロジェクト終了後に保守しなければいけない状況になった時でも、環境の再現が簡単にできます。 また、ファイルをコピーするだけで環境を複製することができます。複数の作業用PCに環境を作成しなければならない場合に、一つのPCで環境を作成し、他のPCにファイルをコピーすることで、簡単に同じ環境を再現できます。 |
6.1. Windows PC上にATDEを構築する
作業用PCのOSがWindowsの場合に、VMware Playerをインストールして、ATDEを実行し、各種設定をおこなう方法を説明します。作業用PCのOSがLinuxの場合は、「Linux上にATDEを構築する」を参照してください。
ATDEをインストールするには、以下のものが必要です。
以降のATDE構築例では、以下のバージョンのファイルを使用し、説明します。
- ATDEイメージ:
atde5-amd64-20151026.tar.xz
- VMware Player:
VMware-player-12.0.0-2985596.exe
ATDEイメージは任意のフォルダに展開しておく必要があります。
6.1.2. VMware Playerのインストール
VMware Playerのインストール手順を説明します。
ダウンロードしたVMware-player-12.0.0-2985596.exe
を実行すると、インストーラーが起動します。図6.1「VMware Playerインストール画面1」が表示されますので、「次へ」ボタンを押します。
使用許諾契約書が表示されます。内容の確認後、「使用許諾契約の条項に同意します」をチェックし、「次へ」ボタンを押します。
インストール先フォルダを変更したい場合は「変更」ボタンから変更し、「次へ」ボタンを押します。
起動時の製品更新確認と、匿名のシステムデータおよび使用統計をVMwareに送信するかどうかを選択し、「次へ」ボタンを押します。
ショートカットを作成する場所を指定し、「次へ」ボタンを押します。
「インストール」ボタンを押すと、インストールが開始されます。
インストールが終了すると、図6.7「VMware Playerインストール画面7」が表示されます。「完了」ボタンを押してインストール作業を完了します。
- インストールしたvmplayer.exeを実行します。
VMware Playerが起動します。「仮想マシンを開く」を選択してください。
ファイルダイアログが開きます。「インストールの前に」で展開したatde5-amd64-20151026
フォルダにあるatde5 amd64.vmx
を指定し、「開く」ボタンを押してください。
- 画面左側の「ATDE5 amd64」を選択してください。右側に選択した仮想マシンの情報が表示されます。
「仮想マシンの再生」を選択するとATDE5の起動を開始します。
- ATDE5が起動すると図6.11「ログイン画面」が表示されます。この画面からでは特権ユーザーでログインできませんので、atmarkユーザーでログインしてください。
- 図6.11「ログイン画面」でatmarkを選択してください。
atmarkユーザーのパスワードを要求されますので、atmarkと入力し、Enterキーを押してください。ATDE5にログインします。
ログインユーザーは、次の2種類が用意されています。
表6.1 ATDE5のユーザー名とパスワード
種類 | ユーザー名 | パスワード |
---|
一般ユーザー | atmark | atmark |
特権ユーザー | root | root |
| 注意: 特権ユーザーで操作しない |
---|
ATDE上での操作はすべて一般ユーザーで実行してください。特権ユーザーでの操作が必要になる場合は、sudoコマンドを使用します。 |
ATDEを終了するには、二つの方法があります。
通常は、ATDE5のウィンドウの「×」ボタンを押すか、VMware Playerの「Player」-「終了」メニューを選択することで終了します。このとき、ATDEはサスペンド状態で終了します。そのため、終了時点での状態が次回起動時に復元されます。
サスペンドではなく、パワーオフの状態で終了する場合は、以下の手順を行ってください。後述するファイル共有の設定を行うときなどは、ATDEがパワーオフの状態である必要があります。
ATDEの「システム」-「シャットダウン」メニューを選択してください。
「このシステムをシャットダウンしますか?」と表示されている画面が表示されるので、「シャットダウン」ボタンを押してください。
ホストである作業用PCのシリアルポートを、ATDEから使用できるようにする設定方法について説明します。
| 注意: シリアルポートの共有 |
---|
ゲストOS(ATDE)でシリアルポートを使うよう設定する前に、ホストOS上で動作しているシリアルポートを使うソフトウェアはすべて終了しておいてください。 |
シリアルポートの設定は、ATDEが起動した状態で行います。ATDEが起動していない場合は、起動してから以降の作業を行ってください。
VMware Playerの「Player」-「管理」-「仮想マシンの設定」メニューを選択してください。
- 図6.15「仮想マシン設定画面」画面左側にある、「シリアルポート」を選択してください。
- 図6.15「仮想マシン設定画面」画面右側にある、「接続」の「物理シリアルポートを使用する」を選択し、コンボボックスでシリアルポートの設定を行ってください。
- 接続済みにチェックを入れ、ホスト側のシリアルポートをATDEに接続します。
「OK」ボタンを押し、設定を保存します。
- 設定が完了したら、ATDEでシリアルポートが使用できるようになります。シリアルポートのデバイスファイルは
/dev/ttyS0
等になります。
ホストである作業用PC上のディレクトリを、ATDEから使用できるようにする設定方法について説明します。
| 注意: 共有フォルダの設定をする前に |
---|
共有フォルダの設定は、ATDEがパワーオフの状態でおこないます。 サスペンド状態で終了している場合は、一度ATDEを起動し、「ATDEの終了」に示した手順に従って、パワーオフの状態で終了してください。 |
- VMware Playerを起動します。
- 図6.16「VMware Player画面」で「ATDE5 amd64」を選択します。
- 「状態」が「パワーオフ」になっていることを確認してください。
「仮想マシン設定の編集」を選択してください。
- 図6.17「仮想マシン設定画面」の「オプション」タブを選択してください。
- 画面左側の「共有フォルダ」を選択してください。
- 画面右側の「フォルダ共有」の「常に有効」を選択してください。
「追加」ボタンを押し、図6.18「共有フォルダの追加画面」を表示してください。
- 図6.18「共有フォルダの追加画面」で、共有する際の名前(ATDEからマウントする際に使用します)を「名前」に、共有したいフォルダを「ホストパス」に入力してください。
「OK」ボタンを押し設定を終了してください。
- 図6.16「VMware Player画面」に戻ってきますので、「share」の項目が追加されていることを確認してください。
- 「OK」ボタンを押して設定を保存してください。
- ATDEを起動し、ログインしてください。
ATDEの「アプリケーション」-「アクセサリ」-「端末」メニューを選択してください。
端末で以下のコマンドを実行してください。
コマンド実行時にパスワードを聞かれることがありますので、atmarkユーザーのパスワードを入力してください。
| sudoコマンド |
---|
sudoコマンドはほかのユーザーとしてコマンドを実行するために使用されるコマンドです。sudo [command] と入力することで特権ユーザーとしてコマンドを実行することができます。コマンド実行時にパスワードの入力が必要になりますが、毎回必要なわけではありません。一度パスワードを入力した後、数分間はパスワードの入力の必要がありません。 |
端末で以下のコマンドを実行してください。
以上の手順で、Windows側のホストパスに設定したディレクトリが、ATDEの/media/hgfs
ディレクトリにマウントされます。
作業用PCのOSがLinuxの場合に、VMware Playerをインストールして、ATDEを実行し、各種設定をおこなう方法を説明します。作業用PCのOSがWindowsの場合は、「Windows PC上にATDEを構築する」を参照してください。
ATDEをインストールするには、以下のものが必要です。
以降のATDE構築例では、以下のバージョンのファイルを使用し、説明します。
- ATDEイメージ:
atde5-amd64-20151026.tar.xz
- VMware Player:
VMware-Player-12.0.0-2985596.x86_64.bundle
用意したatde5-amd64-20151026.tar.xz
を任意のフォルダに展開します。コンソールから以下のコマンドを実行してください。
6.2.2. VMware Playerのインストール
VMware Playerのインストール手順を説明します。
ダウンロードしたVMware-Player-12.0.0-2985596.x86_64.bundle
を実行し、インストーラーを起動します。コンソールで以下のコマンドを実行してください。
コマンド実行時にパスワードを聞かれることがありますので、作業用PCにログインしたユーザーのパスワードを入力してください。
「VMware Player - End User License Agreement」が表示されます。内容の確認後、「I accept the terms in the license agreement.」を選択し、「Next」ボタンを押します。
「VMware OVF Tool component for Linux - End User License Agreement」が表示されます。内容の確認後、「I accept the terms in the licenseagreement.」を選択し、「Next」ボタンを押します。
起動時に製品の更新確認を行うかどうかを選択し、「Next」ボタンを押します。
匿名のシステムデータおよび使用統計をVMwareに送信するかどうかを選択し、「Next」ボタンを押します。
ライセンスキーを所持している場合はここで登録できます(インストール後に登録することもできます)。必要に応じて入力し、「Next」ボタンを押します。
「Install」ボタンを押すとインストールが開始されます。
インストールが終了すると、図6.30「VMware Playerインストール画面7」が表示されます。「Close」ボタンを押してインストーラーを終了させてください。
「アプリケーション」-「システムツール」-「VMware Player」メニューを選択してください。
VMware Playerが起動します。「Open a Virtual Machine」を選択してください。
Linux上にATDEを構築するファイルダイアログが開きます。「3.1.2. ATDEイメージの展開」で展開したatde5-amd64-20151026
フォルダにあるatde5 amd64.vmx
を指定し、「Open」ボタンを押してください。
仮想マシンのライブラリにatde5が登録されました。左側の「ATDE5 amd64」を選択し、「Play virtual machine」を選択するとATDE5の起動を開始します。
- ATDE5が起動すると図6.35「ログイン画面」が表示されます。この画面からでは特権ユーザーでログインできませんので、atmarkユーザーでログインしてください。
- 図6.35「ログイン画面」でatmarkと入力し、Enterキーを押してください。
- atmarkユーザーのパスワードを要求されますので、atmarkと入力し、Enterキーを押してください。ATDE5にログインします。
ログインユーザーは、次の2種類が用意されています。
表6.2 デフォルトのユーザー名とパスワード
種類 | ユーザー名 | パスワード |
---|
一般ユーザー | atmark | atmark |
特権ユーザー | root | root |
| 注意: 特権ユーザーで操作しない |
---|
ATDE上での操作はすべて一般ユーザーで実行してください。特権ユーザーでの操作が必要になる場合は、sudoコマンドを使用します。 |
ATDEを終了するには、二つの方法があります。
通常は、ATDE5のウィンドウの「×」ボタンを押すか、VMware Playerの「File」-「Suspend and Quit」メニューを選択することで、終了します。このとき、ATDEはサスペンド状態で終了します。そのため、終了時点での状態が次回起動時に復元されます。
サスペンドではなく、パワーオフの状態で終了する場合は、以下の手順を行ってください。後述するファイル共有の設定を行うときなどは、ATDEがパワーオフの状態である必要があります。
ATDEの「atmark」-「シャットダウン」メニューを選択してください。
「このシステムをシャットダウンしますか?」と表示されている画面が表示されるので、「シャットダウン」ボタンを押してください。
6.2.5. Linux上でのシリアルポートの設定
ホストである作業用PCのシリアルポートを、ATDEから使用できるようにする設定方法について説明します。
| 注意: シリアルポートの共有 |
---|
ゲストOS(ATDE)でシリアルポートを使うよう設定する前に、ホストOS上で動作しているシリアルポートを使うソフトウェアはすべて終了しておいてください。 |
シリアルポートの設定は、ATDEが起動した状態で行います。ATDEが起動していない場合は、起動してから以降の設定を行ってください。
VMware Playerの「Virtual Machine」-「Virtual Machine Settings」メニューを選択してください。
- 画面左側にある「Device」の「Serial Port」を選択してください。
- 画面右側にある、「Connection」の「Device」にホストPCのシリアルポート設定を行ってください。
- 「Connected」チェックボックスをオンにして、ホスト側のシリアルポートをATDEに接続します。
「Save」ボタンを押し、設定を保存します。
- 設定が完了したら、ATDEでシリアルポートが使用できるようになります。シリアルポートのデバイスファイルは
/dev/ttyS0
等になります。
ホストである作業用PC上のディレクトリを、ATDEから使用できるようにする設定方法について説明します。
| 注意: 共有フォルダの設定をする前に |
---|
共有フォルダの設定は、ATDEがパワーオフの状態でおこないます。 サスペンド状態で終了している場合は、一度ATDEを起動し、「ATDEの終了」に示した手順に従って、パワーオフの状態で終了してください。 |
- VMware Playerを起動します。
- 図6.40「VMware Player画面」で「ATDE5 amd64」を選択します。
- 「State」が「Powered Off」になっていることを確認してください。
「Edit virtual machine settings」を選択してください。
- 図6.41「Virtual Machine Settings画面」の「Options」タブを選択してください。
- 画面左側の「Shared Folders」を選択してください。
- 画面右側の「Folder Sharing」の「Always enabled」を選択してください。
「Add」ボタンを押し、図6.42「Shared Folder Properties画面」を表示してください。
- 図6.42「Shared Folder Properties画面」で、共有する際の名前(ATDEからマウントする際に使用します)を「Name」に、共有したいフォルダを「Host Path」に入力してください。
「OK」ボタンを押し設定を終了してください。
- 図6.41「Virtual Machine Settings画面」に戻ってきますので、「share」の項目が追加されていることを確認してください。
- 「Save」ボタンを押して、変更した設定を保存してください。
- ATDEを起動し、ログインしてください。
ATDEの「アプリケーション」-「アクセサリ」-「端末」メニューを選択をしてください。
端末で以下のコマンドを実行してください。
コマンド実行時にパスワードを聞かれることがありますので、atmarkユーザーのパスワードを入力してください。
| sudoコマンド |
---|
sudoコマンドはほかのユーザーとしてコマンドを実行するために使用されるコマンドです。sudo [command] と入力することで特権ユーザーとしてコマンドを実行することができます。コマンド実行時にパスワードの入力が必要になりますが、毎回必要なわけではありません。一度パスワードを入力した後、数分間はパスワードの入力の必要がありません。 |
端末で以下のコマンドを実行してください。
以上の手順で、Linux側のホストパスに設定したディレクトリが、ATDEの/media/hgfs
ディレクトリにマウントされます。
本章では、ATDEのネットワーク設定について説明します。
VMware PlayerでATDEを実行した場合の、ネットワーク構成は図6.46「ATDEのネットワーク構成」のようになります。作業用PCとATDE5は、同じネットワークに参加している別々のコンピューターとして扱われます。[]
DHCPを使用してIPアドレスを取得するよう設定する方法を「DHCP接続の設定」に、固定IPアドレスに設定する方法を「固定IPアドレス接続の設定」に示します。
ATDEの標準の設定ではDHCPを使用してIPアドレスを取得する設定になっています。DHCPを使用する場合は標準の設定から変更する必要はありません。
本章では、DHCPを使用してIPアドレスを取得するよう設定する方法について説明します。
- ATDEの画面左上の「アプリケーション」-「アクセサリ」-「端末」メニューを選択し、端末を起動します。
端末上で以下のコマンドを入力し、interfaces
ファイルをgedit[]で開きます。
interfaces
ファイルを図6.48「DHCP接続のinterfacesファイル設定例」のように編集します。
- geditの「ファイル」-「保存」メニューを選択して変更内容を保存してから、geditを終了してください。
以下のコマンドを入力し、変更したネットワークの設定をATDEに反映させます。
以上の手順でネットワーク設定は完了です。
本章では、固定IPアドレスに設定する方法について説明します。ここでは例として、ネットワーク設定を表6.3「固定IPアドレス設定例」の値に設定します。実際に設定する場合は、ネットワーク環境に応じて設定値を置き換えてください。
ネットワークの設定値についてわからない場合は、ネットワークの管理者に相談してください。
表6.3 固定IPアドレス設定例
項目 | 設定 |
---|
IP アドレス | 192.168.0.10 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
ネットワークアドレス | 192.168.0.0 |
ブロードキャストアドレス | 192.168.0.255 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.0.1 |
DNS サーバー | 192.168.0.2 |
- ATDEの画面左上の「アプリケーション」-「アクセサリ」-「端末」メニューを選択し、端末を起動します。
端末上で以下のコマンドを入力し、interfaces
ファイルをgedit[]で開きます。
interfaces
ファイルを図6.51「固定IPアドレス接続のinterfacesファイル設定例」のように編集します。
- geditの「ファイル」-「保存」メニューを選択して変更内容を保存してから、geditを終了してください。
固定IP接続の場合はinterfaces
ファイルの他にDNSサーバーの設定をする必要があります。DNSサーバーの設定は/etc/resolv.conf
ファイルで行ないます。
/etc/resolv.conf
ファイルを開き、DNSサーバーの設定を行います。
resolv.conf
ファイルを図6.53「DNSサーバー設定例」のように編集してください。
- geditの「ファイル」-「保存」メニューを選択して変更内容を保存してから、geditを終了してください。
以下のコマンドを入力し、変更したネットワークの設定をATDEに反映させます。
以上の手順でネットワーク設定は完了です。
ATDEの基本的な設定が完了したら、ATDEにインストールされているソフトウェアを最新のものにするため、ソフトウェアアップデートをおこなってください。
端末から以下のコマンドを実行することでソフトウェアアップデートが行えます。
[ATDE ~]$
sudo apt-get update && sudo apt-get upgrade