第7章 Linuxブートオプション

Armadillo-9では、自動起動するLinuxのブートオプションを設定することができます。設定はフラッシュメモリ上に保存され、次回のLinux起動時から使用されます。Linuxブートオプションの設定は、Hermitコマンドプロンプトから行います。

[ティップ]

設定するLinuxブートオプションを決定するためには、使用するLinuxカーネルについての知識が必要です。オプションの内容と効果については、Linuxカーネルについての文献や、ソースファイル付属ドキュメントを参照してください。

7.1. Hermitコマンドプロンプトの起動

  1. シリアルコンソールソフトの起動

    Armadillo-9と作業用PCをシリアルケーブルで接続し、シリアルコンソールソフトを起動します。次のように通信設定を行ってください。

    表7.1 シリアル通信設定

    項目設定
    転送レート115,200bps
    データ長8bit
    ストップビット1bit
    パリティなし
    フロー制御なし

  2. ジャンパピンの設定

    Armadillo-9に電源を投入する前に、ジャンパピンを次のように設定します。

    • JP1:オープン

    • JP2:ショート

    また、IDEドライブ、及びコンパクトフラッシュは接続しないでください。

    詳しいジャンパピンの設定については、「ジャンパピンの設定について」を参照してください。

  3. Armadillo-9の起動

    Armadillo-9に電源を投入すると、Hermitコマンドプロンプトが表示されます。

    Hermit v1.3-armadillo9-1 compiled at 06:45:05, Dec 18 2004
    hermit>

7.2. Linuxブートオプションの設定

Linuxブートオプションを設定するには、Hermitコマンドプロンプトからsetenvコマンドを使用します。setenvに続けて、設定したいLinuxブートオプションを入力します。

hermit> setenv console=ttyAM0,115200 root=/dev/hda1 noinitrd
[警告]

Linuxブートオプションが未設定(デフォルト)の場合、ブートローダーはLinuxの起動時に自動的にオプション「console=ttyAM0,115200」を使用してシリアルインターフェース1 をコンソールにしますが、setenvにより任意のブートオプションを設定した場合は、このオプションは自動使用されません。

setenvした場合でもシリアルコンソールを使用する場合、オプションに「console=ttyAM0,115200」を含めてください。

設定したブートオプションを使用してLinuxを起動するには、一旦Armadillo-9の電源を切断し、適切なジャンパ設定を行ってから再度電源を入れ直してください。

7.3. 設定されているLinuxブートオプションの確認

現在設定されているLinuxブートオプションを表示して確認するには、setenvコマンドをパラメータなしで入力します。

hermit> setenv
1: console=ttyAM0,115200
2: root=/dev/hda1
3: noinitrd

7.4. Linuxブートオプションを初期化する

現在設定されているLinuxブートオプションをクリアし、デフォルトの状態に初期化するには、clearenvコマンドを入力します。

hermit> clearenv

7.5. Linuxブートオプションの例

Linuxブートオプションの設定例を紹介します。

ex.1) シリアルコンソールを使用し、IDEディスクドライブの第1パーティションをルートデバイスとする場合

(ジャンパピンはJP1,JP2ともオープンとして、Linuxカーネルはオンボードフラッシュメモリ内のものを使用)

hermit> setenv console=ttyAM0,115200 root=/dev/hda1 noinitrd

ex.2) コンソールとしてVGAを使用する場合

(Debian/GNU LinuxでX-Window Systemを使用する際に推奨)

hermit> setenv video
[ティップ]

VGAコンソールに入力を行うには、USBキーボードを接続する必要があります。