インターフェース仕様

Armadillo-640のインターフェース仕様について説明します。

images/a640-interface-details.svg

図16.1 Armadillo-640のインターフェース


表16.1 Armadillo-640 インターフェース一覧 [15]

部品番号 インターフェース名 型番 メーカー

CON1

SDインターフェース

SDHK-8BNS-K-303-TB(HF)

J.S.T.Mfg.

CON2

LANインターフェース

TM11R-5M2-88-LP

HIROSE ELECTRIC

CON7

A1-10PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON3

シリアルインターフェース

XM2C-0942-132L

OMRON

CON4

A1-10PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON5

USBインターフェース

UBA-4RS-D14T-4D(LF)(SN)

J.S.T.Mfg.

CON8

拡張インターフェース

A1-34PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON9

CON14

CON10

JTAGインターフェース

A2-8PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

CON11

LCD拡張インターフェース

XF2M-5015-1A

OMRON

CON12

電源入力インターフェース

HEC3690-015210

HOSIDEN

CON13

A2-4PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

JP1

起動デバイス設定ジャンパ

A2-4PA-2.54DSA(71)

HIROSE ELECTRIC

JP2

LED1

LANスピードLED

SML-310MTT86

ROHM

LED2

LANリンクアクティビティLED

SML-310YTT86

ROHM

LED3

ユーザー LED(赤)

SLR-342VC3F/LK-12

ROHM/MAC8

LED4

ユーザー LED(緑)

SLR-342MC3F/LK-12

ROHM/MAC8

LED5

ユーザー LED(黄)

SML-310YTT86

ROHM

SW1

ユーザースイッチ

SKHHDJA010

ALPS ELECTRIC

[15] 部品の実装、未実装を問わず、搭載可能な部品型番を記載しています。


16.1. CON1(SDインターフェース)

CON1はハイスピード(最大クロック周波数: 49.5MHz)に対応したSDインターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのSDホストコントローラ(uSDHC2)に接続されています。

SDカードに供給される電源はi.MX6ULLのNAND_ALEピン(GPIO4_IO10)で制御が可能です。 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

[警告]

CON1は活線挿抜に対応していません。microSDカードの挿抜は、電源を切断してから行ってください。

[警告]

SDコントローラ(uSDHC2)はCON1、CON9、CON11で利用可能ですが、排他利用となります。

表16.2 CON1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DAT2

In/Out

SDデータバス(bit2)、i.MX6ULLのNAND_DATA02ピンに接続

2

CD/DAT3

In/Out

SDデータバス(bit3)、i.MX6ULLのNAND_DATA03ピンに接続

3

CMD

In/Out

SDコマンド/レスポンス、i.MX6ULLのNAND_WE_Bピンに接続

4

VDD

Power

電源(VCC_3.3V)

5

CLK

Out

SDクロック、i.MX6ULLのNAND_RE_Bピンに接続

6

VSS

Power

電源(GND)

7

DAT0

In/Out

SDデータバス(bit0)、i.MX6ULLのNAND_DATA00ピンに接続

8

DAT1

In/Out

SDデータバス(bit1)、i.MX6ULLのNAND_DATA01ピンに接続


16.1.1. microSDカードの挿抜方法

  1. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックを解除します。

    images/sd-1.png

    図16.2 カバーのロックを解除する


  2. カバーを開けます。

    images/sd-2.png

    図16.3 カバーを開ける


    [警告]

    カバーは過度な力で回転させたり、回転方向以外の方向へ力を加えると、 破損の原因となりますので、ご注意ください。

  3. 任意の角度までトレイを開いた状態で、microSDカードを挿抜します。

    images/sd-4.png

    図16.4 microSDカードの挿抜


    [ティップ]

    microSDカード挿入方向については、カバーに刻印されているカードマークを目安にしてください。

    images/sd-3.png

    図16.5 カードマークの確認


  4. カバーを閉めます。

    images/sd-5.png

    図16.6 カバーを閉める


  5. 上からカバーを軽く押し、約1.2mmスライドさせて、ロックします。

    images/sd-6.png

    図16.7 カバーをロックする


[ティップ]

microSDカード装着後のカードの抜き取り手順は挿入時と同じです。

16.2. CON2、CON7(LANインターフェース)

CON2、CON7は10BASE-T/100BASE-TXに対応したLANインターフェースです。 カテゴリ5以上のEthernetケーブルを接続することができます。 AUTO-MDIX機能を搭載しており、ストレートケーブルまたはクロスケーブルを自動認識して送受信端子を切り替えます。

信号線はEthenet PHY(LAN8720AI-CP/Microchip Technology)を経由してi.MX6ULLのEthernetコントローラ(ENET1)に接続されています。

表16.3 CON2 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

TX+

In/Out

送信データ(+)、CON7の1ピンと共通

2

TX-

In/Out

送信データ(-)、CON7の4ピンと共通

3

RX+

In/Out

受信データ(+)、CON7の3ピンと共通

4

-

-

CON2の5ピンと接続後に75Ω終端、CON7の5ピンと共通

5

-

-

CON2の4ピンと接続後に75Ω終端、CON7の5ピンと共通

6

RX-

In/Out

受信データ(-)、CON7の6ピンと共通

7

-

-

CON2の8ピンと接続後に75Ω終端、CON7の7ピンと共通

8

-

-

CON2の7ピンと接続後に75Ω終端、CON7の7ピンと共通


表16.4 CON7 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

TX+

In/Out

送信データ(+)

2

LINK_ACTIVITY_LED

Out

LINK/ACTIVITY表示

(High: リンクが確立されている、Low: リンクが確立されていない、Pulse:リンクが確立されており、データを送受信している)

3

RX+

In/Out

受信データ(+)

4

TX-

In/Out

送信データ(-)

5

-

-

75Ω終端、CON2の4、5ピンと共通

6

RX-

In/Out

受信データ(-)

7

-

-

75Ω終端、CON2の7、8ピンと共通

8

SPEED_LED

Out

SPEED表示

(High: 10MbpsまたはEthernetケーブル未接続、Low: 100Mbps)

9

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

10

GND

Power

電源(GND)


[警告]

CON2とCON7は、共通の信号が接続されており、同時に使用することはできません。 どちらか一方のコネクタでのみ、ご使用ください。

16.3. LED1、LED2(LAN LED)

LED1、LED2はLANインターフェースのステータスLEDです。CON2の上部に表示されます。 信号線はEthenet PHY(LAN8720AI-CP/Microchip Technology)のLEDピンに接続されています。

表16.5 LAN LEDの動作

LED 名称(色) 状態 説明

LED1

LANスピードLED(緑)

消灯

10Mbpsで接続されている、もしくはEthernetケーブル未接続

点灯

100Mbpsで接続されている

LED2

LANリンクアクティビティ(黄)

消灯

リンクが確立されていない

点灯

リンクが確立されている

点滅

リンクが確立されており、データを送受信している


16.4. CON3、CON4(シリアルインターフェース)

CON3、CON4は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。 信号線はRS232Cレベル変換ICを経由してi.MX6ULLのUARTコントローラ(UART3)に接続されています。

  • 信号入出力レベル: RS232Cレベル
  • 最大データ転送レート: 230.4kbps
  • フロー制御: CTS、RTS、DTR、DSR、DCD、RI

表16.6 CON3 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DCD

In

キャリア検出、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER2ピンに接続、CON4の1ピンと共通

2

RXD

In

受信データ、i.MX6ULLのUART3_RX_DATAピンに接続、CON4の3ピンと共通

3

TXD

Out

送信データ、i.MX6ULLのUART3_TX_DATAピンに接続、CON4の5ピンと共通

4

DTR

Out

データ端末レディ、i.MX6ULLのGPIO1_IO00ピンに接続、CON4の7ピンと共通

5

GND

Power

電源(GND)

6

DSR

In

データセットレディ、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER0ピンに接続、CON4の2ピンと共通

7

RTS

Out

送信要求、i.MX6ULLのUART3_CTS_Bピンに接続、CON4の4ピンと共通

8

CTS

In

送信可能、i.MX6ULLのUART3_RTS_Bピンに接続、CON4の6ピンと共通

9

RI

In

被呼表示、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER1ピンに接続、CON4の8ピンと共通


表16.7 CON4 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

DCD

In

キャリア検出、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER2ピンに接続、CON3の1ピンと共通

2

DSR

In

データセットレディ、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER0ピンに接続、CON3の6ピンと共通

3

RXD

In

受信データ、i.MX6ULLのUART3_RX_DATAピンに接続、CON3の2ピンと共通

4

RTS

Out

送信要求、i.MX6ULLのUART3_CTS_Bピンに接続、CON3の7ピンと共通

5

TXD

Out

送信データ、i.MX6ULLのUART3_TX_DATAピンに接続、CON3の3ピンと共通

6

CTS

In

送信可能、i.MX6ULLのUART3_RTS_Bピンに接続、CON3の8ピンと共通

7

DTR

Out

データ端末レディ、i.MX6ULLのGPIO1_IO00ピンに接続、CON3の4ピンと共通

8

RI

In

被呼表示、i.MX6ULLのSNVS_TAMPER1ピンに接続、CON3の9ピンと共通

9

GND

Power

電源(GND)

10

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)


[警告]

CON3とCON4は、共通の信号が接続されており、同時に使用することはできません。 どちらか一方のコネクタでのみ、ご使用ください。

16.5. CON5(USBホストインターフェース)

CON5はUSBホストインターフェースです。 2段のコネクタを実装しており、下段の信号線はi.MX6ULLのUSBコントローラ(USB OTG1)接続されています。 上段の信号線はマルチプレクサを経由して、i.MX6ULLのUSBコントローラ(USB OTG2)に接続されています。

マルチプレクサのセレクトピンはCON9の24ピンで制御することが可能で、 オープンもしくはHighレベルを入力することでCON5の上段、 Lowレベルを入力することでCON9にUSB OTG2の接続先が変更されます。

images/usb-mux.svg

図16.8 USB OTG2の接続先の変更


下段に供給される電源(USB_OTG1_VBUS)はi.MX6ULLのUART1_RTS_Bピン(GPIO1_IO19)、 上段に供給される電源(USB_OTG2_VBUS)はi.MX6ULLのCSI_MCLKピン(GPIO4_IO17)で制御が可能で、 Highレベル出力で電源が供給され、Lowレベル出力で電源が切断されます。

images/usb-power.svg

図16.9 USBホストインターフェースの電源制御


  • データ転送モード

    • High Speed(480Mbps)
    • Full Speed(12Mbps)
    • Low Speed(1.5Mbps)

表16.8 CON5 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

USB1_VBUS

Power

電源(USB_OTG1_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG1_VBUSピンに接続

2

USB1_DN

In/Out

USB1のマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DNピンに接続

3

USB1_DP

In/Out

USB1のプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG1_DPピンに接続

4

GND

Power

電源(GND)

5

USB2_VBUS

Power

電源(USB2_OTG2_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG2_VBUSピンに接続

6

USB2_DN

In/Out

USB2のマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DNピンに接続

7

USB2_DP

In/Out

USB2のプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DPピンに接続

8

GND

Power

電源(GND)


16.6. CON8、CON9、CON14(拡張インターフェース)

CON8、CON9、CON14は機能拡張用のインターフェースです。 複数の機能(マルチプレクス)をもったi.MX6ULLの信号線、パワーマネジメントICのON/OFF信号、i.MX6ULLのPWRON信号等が接続されています。

[ティップ]

拡張できる機能の詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[警告]

複数箇所に割り当て可能な信号(USDHC2、UART1、ESPI1、I2C2等)がありますが、 同じ信号は複数ピンで同時利用できません。

表16.9 CON8 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

GND

Power

電源(GND)

2

GND

Power

電源(GND)


表16.10 CON9 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

GPIO1_IO22

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_CTS_Bピンに接続(CTS/RTS信号線を利用する際の注意点)

2

GPIO1_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_RTS_Bピンに接続(CTS/RTS信号線を利用する際の注意点)

3

GPIO1_IO17

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART1_RX_DATAピンに接続

4

GPIO1_IO31

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART5_RX_DATAピンに接続

5

GPIO1_IO16

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART1_TX_DATAピンに接続

6

GPIO1_IO30

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART5_TX_DATAピンに接続

7

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

8

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

9

GND

Power

電源(GND)

10

GND

Power

電源(GND)

11

ONOFF

In

i.MX6ULLのON/OFF信号、オープンドレイン入力、i.MX6ULLのONOFFピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルアップ(VDD_SNVS_3V)されています。

12

PWRON

In

パワーマネジメントICのPWRON信号、オープンドレイン入力、パワーマネジメントICのPWRONピンとi.MX6ULLのPMIC_ON_REQピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルアップ(VDD_SNVS_3V)されています。

13

GPIO3_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA18ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

14

GPIO3_IO24

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA19ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

15

GPIO3_IO25

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA20ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

16

GPIO3_IO26

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA21ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

17

GPIO3_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA22ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

18

GPIO3_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA23ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

19

GND

Power

電源(GND)

20

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

21

USB2_DN

In/Out

USBマイナス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DNピンに接続

22

USB2_DP

In/Out

USBプラス側信号、i.MX6ULLのUSB_OTG2_DPピンに接続

23

USB2_VBUS

Power

電源(USB_OTG2_VBUS)、i.MX6ULLのUSB_OTG2_VBUSピンに接続

24

USB2_EN

In

USB OTG2の切り替え信号、(Low: USB OTG2をCON9で使用する、High: USB OTG2をCON5で使用する)、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

25

GPIO4_IO06

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA04ピンに接続

26

GPIO4_IO07

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA05ピンに接続

27

GPIO4_IO08

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA06ピンに接続

28

GPIO4_IO09

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DATA07ピンに接続


[警告]CTS/RTS信号線を利用する際の注意点

i.MX6ULL の CTS、RTS 信号は一般的な UART の信号と名前が逆になっています。誤接続に注意してください。

[警告]CON9のブートモード設定ピンについて

CON9の17ピン(GPIO3_IO27)及び18ピン(GPIO3_IO28)は、i.MX6ULLの内蔵ROMによるブートモード設定ピンを兼用しています。 電源投入時、ブードモード設定のために、基板上のプルダウン抵抗でLowレベルの状態を保持しています。 意図しない動作を引き起こす原因となるため、 電源投入時からU-Bootが動作するまでは、Lowレベルを保持した状態でご使用ください。 ブートモード設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。

表16.11 CON14 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

2

GND

Power

電源(GND)

3

GPIO1_IO20

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_TX_DATAピンに接続

4

GPIO1_IO21

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのUART2_RX_DATAピンに接続


16.7. CON10(JTAGインターフェース)

CON10はJTAGデバッガを接続することのできるJTAGインターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのシステムJTAGコントローラ(SJC)に接続されています。

EXT_RESET_Bピンからシステムリセットを行うことが可能です。 システムリセットを行う際は、図16.10「リセットシーケンス」のとおり、 20ms以上のLow期間を設定してください。

images/common-images/reset-sequence.svg

図16.10 リセットシーケンス


[ティップ]

CON10に接続されている信号線は、JTAG以外の機能でも使用可能です。詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[ティップ]

システムJTAGコントローラの詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。 モード設定に必要なi.MX6ULLのJTAG_MODピンはSW1に接続されています。

表16.12 CON10 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_3.3V

Power

電源(VCC_3.3V)

2

JTAG_TRST_B

In

テストリセット、i.MX6ULLのJTAG_TRST_Bピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

3

JTAG_TDI

In

テストデータ入力、i.MX6ULLのJTAG_TDIピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

4

JTAG_TMS

In

テストモード選択、i.MX6ULLのJTAG_TMSピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

5

JTAG_TCK

In

テストクロック、i.MX6ULLのJTAG_TCKピンに接続、i.MX6ULL内部で47kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

6

JTAG_TDO

Out

テストデータ出力、i.MX6ULLのJTAG_TDOピンに接続

7

EXT_RESET_B

In

システムリセット、i.MX6ULLのPOR_Bピンに接続、オープンドレイン入力

8

GND

Power

電源(GND)


16.8. CON11(LCD拡張インターフェース)

CON11はデジタルRGB入力を持つ液晶パネルモジュールなどを接続することができる、LCD拡張インターフェースです。 信号線はi.MX6ULLのLCDコントローラ等に接続されています。

[ティップ]

CON11に接続されている信号線は、LCD以外の機能でも使用可能です。詳細につきましては、 「アットマークテクノ Armadilloサイト」からダウンロードできる 『Armadillo-640 マルチプレクス表』をご参照ください。

[警告]

複数箇所に割り当て可能な信号(USDHC2、UART1、ESPI1、I2C2等)がありますが、 同じ信号は複数ピンで同時利用できません。

表16.13 CON11 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

2

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

3

VCC_5V

Power

電源出力(VCC_5V)

4

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)

5

VCC_3.3V

Power

電源出力(VCC_3.3V)

6

GND

Power

電源(GND)

7

GND

Power

電源(GND)

8

LCD_CLK

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_CLKピンに接続

9

LCD_HSYNC

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_HSYNCピンに接続

10

LCD_VSYNC

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_VSYNCピンに接続

11

LCD_ENABLE

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_ENABLEピンに接続

12

PWM5_OUT

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのNAND_DQSピンに接続

13

LCD_DATA00

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA00ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

14

LCD_DATA01

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA01ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

15

LCD_DATA02

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA02ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

16

LCD_DATA03

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA03ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

17

LCD_DATA04

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA04ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

18

LCD_DATA05

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA05ピンに接続、JP1がオープン時、10kΩプルアップ(VCC_3.3V)、ショート時、10kΩプルダウンされます。

19

GND

Power

電源(GND)

20

LCD_DATA06

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA06ピンに接続、基板上で10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されています。

21

LCD_DATA07

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA07ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

22

LCD_DATA08

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA08ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

23

LCD_DATA09

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA09ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

24

LCD_DATA10

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA10ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

25

LCD_DATA11

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA11ピンに接続、JP1がオープン時、10kΩプルダウン、ショート時、10kΩプルアップ(VCC_3.3V)されます。

26

GND

Power

電源(GND)

27

LCD_DATA12

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA12ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

28

LCD_DATA13

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA13ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

29

LCD_DATA14

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA14ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

30

LCD_DATA15

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA15ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

31

LCD_DATA16

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA16ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

32

LCD_DATA17

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのLCD_DATA17ピンに接続、基板上で10kΩプルダウンされています。

33

GND

Power

電源(GND)

34

XPUL

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO04ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

35

XNUR

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO03ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

36

YPLL

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO02ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

37

YNLR

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのGPIO1_IO01ピンに接続、0.01uFのコンデンサが接続されています。

38

GND

Power

電源(GND)

39

GPIO4_IO18

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_PIXCLKピンに接続

40

GPIO4_IO21

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA00ピンに接続

41

GPIO4_IO24

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA03ピンに接続

42

GPIO4_IO22

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA01ピンに接続

43

GPIO4_IO23

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA02ピンに接続

44

GPIO4_IO28

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA07ピンに接続

45

GPIO4_IO27

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA06ピンに接続

46

GPIO4_IO26

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA05ピンに接続

47

GPIO4_IO25

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_DATA04ピンに接続

48

GPIO4_IO20

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_HSYNCピンに接続

49

GPIO4_IO19

In/Out

拡張入出力、i.MX6ULLのCSI_VSYNCピンに接続

50

GND

Power

電源(GND)


[警告]CON11のブートモード設定ピンについて

CON11の13〜18、20〜25、27〜32ピン(LCD_DATA00〜17)は、i.MX6ULLの内蔵ROMによるブートモード設定ピンを兼用しています。 電源投入時、ブードモード設定のために、基板上のプルアップ/ダウン抵抗で、High/Lowレベルの状態を保持しています。 意図しない動作を引き起こす原因となるため、電源投入時からU-Bootが動作するまでは、 各々のピンをHigh/Lowレベルに保持した状態でご使用ください。 ブートモード設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な 『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。

16.9. CON12、CON13(電源インターフェース)

CON12、CON13は電源供給用インターフェースです。

[警告]

CON12とCON13の電源(VCC_5V)供給ラインは接続されていますので、同時に電源を供給することはできません。 どちらか一方からのみ電源を供給してください。

CON12にはDCジャックが実装されており、図16.11「ACアダプタの極性マーク」と同じ極性マークのあるACアダプタが使用できます。 ACアダプタのジャック形状はJEITA RC-5320A準拠(電圧区分2)です。

images/common-images/center-plus.svg

図16.11 ACアダプタの極性マーク


[警告]

ACアダプタを使用する際は、ACアダプタのDCプラグをArmadillo-640に接続してからACプラグをコンセントに挿してください。

CON13からは電源(VCC_5V)供給の他、バックアップ電源(RTC_BAT)供給、i.MX6ULLのON/OFF制御を行うことができます。 バックアップ電源供給は、長時間電源を切断しても、i.MX6ULLの一部データ(時刻データ等)を保持したい場合にご使用ください。

表16.14 CON13 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

RTC_BAT

Power

電源(RTC_BAT)、パワーマネジメントICのLICELLピンに接続

2

VCC_5V

Power

電源(VCC_5V)

3

GND

Power

電源(GND)

4

ONOFF

In

i.MX6ULLのON/OFF用信号、i.MX6ULLのONOFFピンに接続、オープンドレイン入力


images/con12-con13-backup.svg

図16.12 バックアップ電源供給


[警告]

低消費電力モードに速やかに移行するためには、 バックアップ電源(RTC_BAT)を供給した直後に一度、電源(VCC_5V)を100ミリ秒以上供給する必要があります。

[警告]

RTC_BATの入力電圧範囲は2.75V〜3.3Vです。内部デバイスが正常に動作しなくなる可能性がありますので、入力電圧範囲内でご使用ください。

[警告]

内蔵リアルタイムクロックの平均月差は周囲温度25℃で±70秒程度(参考値)です。時間精度は周囲温度に大きく影響を受けますので、 ご使用の際は十分に特性の確認をお願いします。

[ティップ]

内蔵リアルタイムクロックは、一般的なリアルタイムクロックICよりも消費電力が高いため、外付けバッテリの消耗が早くなります。

バッテリ持続例: CR2032の場合、約4か月

バッテリの消耗が製品の運用に支障をきたす場合には、消費電力が少ないリアルタイムクロックICを外付けすることを推奨します。 CON9(拡張インターフェース)に接続可能なArmadillo-600シリーズ RTCオプションモジュールもありますので、ご検討ください。

16.10. LED3、LED4、LED5(ユーザーLED)

LED3、LED4、LED5は、ユーザー側で自由に利用できるLEDです。

表16.15 LED3、LED4、LED5

部品番号 名称(色) 説明

LED3

ユーザー LED(赤)

i.MX6ULLのGPIO1_IO05ピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)

LED4

ユーザー LED(緑)

i.MX6ULLのGPIO1_IO08ピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)

LED5

ユーザー LED(黄)

i.MX6ULLのUART1_CTS_Bピンに接続、(Low: 消灯、High: 点灯)


16.11. SW1(ユーザースイッチ)

SW1は、ユーザー側で自由に利用できる押しボタンスイッチです。

表16.16 SW1 信号配列

部品番号 名称 説明

SW1

ユーザースイッチ

i.MX6ULLのJTAG_MODピンに接続、(Low: 押されていない状態、High: 押された状態)


16.12. JP1、JP2(起動デバイス設定ジャンパ)

JP1、JP2は起動デバイス設定ジャンパです。 JP1、JP2の状態で、起動デバイスを設定することができます。

表16.17 ジャンパの設定と起動デバイス

JP1 JP2 起動デバイス

-

オープン

i.MX6ULLのeFUSE設定[a]に基づいたデバイス

eFUSEが未設定の場合は eMMC

オープン

ショート

eMMC

ショート

ショート

microSD

[a] eFUSE設定の詳細につきましては、NXP Semiconductorsのホームページからダウンロード可能な『i.MX 6ULL Applications Processor Reference Manual』をご参照ください。


[警告]

出荷時、i.MX6ULL の起動デバイスに関する eFUSE は未設定です。 未設定のまま JP2 をオープン状態で使用すると、eMMC から起動します。

[警告]

eFUSEは一度書き込むと元に戻すことができません。 eFUSEの設定によってはArmadillo-640が正常に動作しなくなる可能性がありますので、 書き込みを行う際には細心の注意を払うようお願いいたします。 eFUSEの設定によって異常が起こった場合は保証対象外となります。

[ティップ]

JP2をオープン状態で使用する場合、JP1の設定は無視されます。JP1をショート状態にすると、 プルアップ抵抗により消費電流が増加するため、JP1はオープン状態で使用することをお勧めします。

表16.18 JP1 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

JP1

In

起動デバイス設定用信号、ロジックICを経由してi.MX6ULLのLCD_DATA05ピン、LCD_DATA11ピンに接続(Low: LCD_DATA05ピンはプルアップ、LCD_DATA11ピンはプルダウンされます。High: LCD_DATA05ピンはプルダウン、LCD_DATA11ピンはプルアップされます。)、基板上で47kΩプルダウンされています。

2

JP1_PU

Out

VCC_3.3Vで1kΩプルアップ


表16.19 JP2 信号配列

ピン番号 ピン名 I/O 説明

1

JP2_PU

Out

VDD_SNVS_3Vで1kΩプルアップ

2

JP2

In

起動デバイス設定用信号、i.MX6ULLのBOOT_MODE1ピンに接続、i.MX6ULL内部で100kΩプルダウンされています。