ATDE と Visual Studio Code (以降 VS Code と記載します) を使用して、開発したシステムのインストールディスクイメージを生成します。
「VS Code のセットアップ」 を参考に、 ATDE に VS Code 開発用エクステンションをインストールしてください。
VS Code を使用してインストールディスクを生成する場合は以下の手順になります。
作業用 PC をセットアップします。
アットマークテクノでは、製品のソフトウェア開発や動作確認を簡単に行うために、Oracle VM VirtualBox 仮想マシンのデータイメージを提供しています。
このデータイメージを ATDE(Atmark Techno Development Environment) と呼びます。
ATDE の起動には仮想化ソフトウェアである VirtualBox を使用します。
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Oracle VM VirtualBoxには以下の特徴があります。 -
GPL v2(General Public License version 2)で提供されている []
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VMware形式の仮想ディスク(.vmdk)ファイルに対応している
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5.4.1.1. VirtualBox のインストール
ATDE を使用するために、作業用 PC に VirtualBox をインストールします。
VirtualBox の Web ページ(https://www.virtualbox.org/) を参照してインストールしてください。
また、ホスト OS が Linux の場合、デフォルトでは VirtualBox で USB デバイスを使用することができません。
ホスト OS(Linux)で以下のコマンドを実行後、ホスト OS を再起動してください。
[PC ~]$ sudo usermod -a -G vboxusers $USER
ホスト OS が Windows の場合はこの操作は必要ありません。
ATDE のアーカイブ(.ova
ファイル)を Armadillo サイト(https://armadillo.atmark-techno.com/resources/software/atde/atde-v9)から
ダウンロードします。
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アットマークテクノ製品の種類ごとに対応している ATDE のバージョンが異なります。
本製品に対応している ATDE のバージョンは以下のとおりです。 -
VirtualBox
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ATDE9 v20240925 以降
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VMware
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ATDE9 v20230123 から ATDE9 v20240826
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ATDE9 は Debian GNU/Linux 11 (コードネーム bullseye) をベースに、Armadillo-640 のソフトウェア開発を行うために必要なクロス開発ツールや、Armadillo-640 の動作確認を行うために必要なツールが事前にインストールされています。
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作業用 PC の動作環境(ハードウェア、VirtualBox、ATDE の対応アーキテクチャなど)により、 ATDE が正常に動作しない可能性があります。
VirtualBox の Web ページ(https://www.virtualbox.org/) から、
使用している VirtualBox のドキュメントなどを参照して動作環境を確認してください。 |
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VirtualBox を起動し、[ファイル]-[仮想アプライアンスのインポート]を選択します。
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[ソース]の項目で、ダウンロードした ATDE のアーカイブ(
.ova
ファイル)を選択します。
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[設定]の項目で、[ハードドライブをVDIとしてインポート]のチェックを外します。
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[完了]をクリックします。インポートの処理が完了するまで数分程要します。
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インポートの処理が完了したら、ホスト OS の環境に合わせた設定に更新するため
仮想マシンを選択して[設定]をクリックした後に[OK]をクリックします。
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ATDE に割り当てるメモリおよびプロセッサ数を増やすことで、 ATDE をより快適に使用することができます。
仮想マシンのハードウェア設定の変更方法については、
VirtualBox の Web ページ(https://www.virtualbox.org/) から、
VirtualBox のドキュメントなどを参照してください。 |
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仮想マシンを選択して[起動]をクリックしてください。
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ATDE のログイン画面が表示されます。
ATDE にログイン可能なユーザーを、表5.1「ユーザー名とパスワード」に示します []。
表5.1 ユーザー名とパスワード
ユーザー名 | パスワード | 権限 |
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atmark
| atmark
| 一般ユーザー |
root
| root
| 特権ユーザー |
5.4.1.5. コマンドライン端末(GNOME端末)の起動
Armadillo を利用した開発では、 CUI (Character-based User Interface)環境を提供するコマンドライン端末を通じて、 Armadillo や ATDE に対して操作を行う場面が多々あります。
コマンドライン端末にはいくつかの種類がありますが、ここではGNOMEデスクトップ環境に標準インストールされているGNOME端末を起動します。
GNOME端末を起動するには、図5.3「GNOME端末の起動」のようにデスクトップ左上のアプリケーションの「ユーティリティ」カテゴリから「端末」を選択してください。
図5.4「GNOME端末のウィンドウ」のようにウィンドウが開きます。
コマンドライン端末から次の操作を行い、ソフトウェアを最新版へアップデートしてください。
VirtualBoxは、ゲストOS (ATDE)による取り外し可能デバイス(USBデバイスやDVDなど)の使用をサポートしています。
デバイスによっては、ホストOS (VirtualBoxを起動しているOS)と ATDE で同時に使用することができません。
そのようなデバイスを ATDE で使用するためには、ATDE にデバイスを接続する 図5.6「ATDE にデバイスを接続する」 の操作が必要になります。
5.4.1.8. VirtualBox Guest Additions の再インストール
ATDE は VirtualBox 仮想マシン用ソフトである VirtualBox Guest Additions があらかじめインストールされた状態で配布されています。
Guest Additions のバージョンは VirtualBox 自体のバージョンと連動しているため、
お使いの VirtualBox のバージョンと ATDE にインストール済みの Guest Additions のバージョンが異なる場合があります。
VirtualBox と Guest Additions のバージョンが異なることによって問題が起こる可能性は低いですが、
これに起因すると思われる不具合(ATDEの画面・共有フォルダー・クリップボード等の不調)が発生した場合は、
以下の手順を参考に Guest Additions を再インストールしてください。
(実行前に ATDE のスナップショットを作成しておくことを推奨します)
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ATDE を起動後、上部バーの[ツール]-[Guest Additions CD イメージの挿入]を選択してください。
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お使いの VirtualBox と同じバージョンの
VBox_GAs_[VERSION]
が「ファイル」上に表示されます。
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VBox_GAs_[VERSION]
をマウントするために、「ファイル」から VBox_GAs_[VERSION]
を押下してください。
インストールする前に、以下のコマンドで既にインストール済みの Guest Additions をアンインストールします。
sudo /opt/VBoxGuestAdditions-[VERSION]/uninstall.sh
以下のコマンドでお使いの VirtualBox のバージョンに合った Guest Additions がインストールされます。
cd /media/cdrom0
sudo sh ./autorun.sh
ホスト OS と ATDE 間でファイルを受け渡す手段として、共有フォルダーがあると大変便利です。
ここでは、ホスト OS と ATDE 間の共有フォルダを作成する手順を紹介しますが、
不要な方はこの手順をスキップしてください。
追加した共有フォルダーは、図5.10「「ファイル」に表示される共有フォルダー」のように「ファイル」からアクセスするか、
または /media/sf_share(共有フォルダー名)
からアクセスできます。
( share
というフォルダー名で作成すると、ATDE上では sf_share
として表示されます。)
ATDE に VS Code 及び、開発用エクステンションとクロスコンパイル用ライブラリをインストールしてください。
以下の手順は全てATDE上で実施します。
ATDE のバージョン v20230123 以上には、 VS Code がインストール済みのため新規にインストールする必要はありませんが、
使用する前には 図5.5「ソフトウェアをアップデートする」 を参照して最新版へのアップデートを行ってください。
VS Code を起動するには code
コマンドを実行します。
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VS Code を起動すると、日本語化エクステンションのインストールを提案してくることがあります。
その時に表示されるダイアログに従ってインストールを行うと VS Code を日本語化できます。 |
5.4.2.2. VS Code に開発用エクステンションをインストールする
VS Code 上でアプリケーションを開発するためのエクステンションをインストールします。
エクステンションはマーケットプレイスからインストールすることができます。
VS Code を起動し、左サイドバーのエクステンションを選択して、検索フォームに「abos」と入力してください。
表示された「Armadillo Base OS Development Environment」の 「Install」ボタンを押すとインストールは完了します。
5.4.3. VS Code を使用した初期設定用 SWU の生成
initial_setup.swu
はログインパスワードやユーザー固有の証明書などの
初期設定を Armadillo にインストールするためのファイルです。
initial_setup.swu
でインストールされるユーザー固有の証明書がない場合、
ユーザーが開発したアプリケーションをインストール、またはアップデートすることができません。
このため、開発開始時に initial_setup.swu
のインストールを行う必要があります。
図5.13「initial_setup.swu
を作成する」 に示すように、VS Code の左ペインの [COMMON PROJECT COMMAND] から [Generate Initial Setup Swu] を実行してください。
初回実行時には各種設定の入力を求められます。
入力する設定の内容を 図5.14「initial_setup.swu 初回生成時の各種設定」 に示します。
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COMMON_NAME には証明鍵の「common name」として会社や製品が分かるような任意の名称を入力してください。
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証明鍵を保護するパスフレーズを2回入力します。
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SWUイメージ自体を暗号化する場合に「y」を入力します。
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アットマークテクノのアップデートをインストールしない場合は「n」を入力します。
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rootのパスワードを2回入力します。
使用するパスワードは以下のルールに従ってください。
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辞書に載っている言葉を使用しない
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単調な文字列を使用しない
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8文字以上のパスワード長にする
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atmarkユーザーのパスワードを2回入力します。
何も入力しない場合はユーザーをロックします。
使用できるパスワードの制限はrootと同様です。
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自動アップデートを無効のままで進みます。ここで「y」を入れると、定期的に
アットマークテクノのサーバーからアップデートの有無を確認し、自動的にインストールします。
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abos-webを使用する場合はパスワードを設定してください。
ここで設定したパスワードは abos-web から変更できます。
使用できるパスワードの制限はrootと同様です。
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作成したファイルを確認します。「swupdate.aes-key」は暗号化の場合にのみ作成されます。
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ファイルは ~/mkswu/initial_setup.swu
に保存されます。
この SWU イメージを 「初期設定用 SWU を ABOS Web からインストール」 を参照して Armadillo へインストールしてください。
インストール後に ~/mkswu ディレクトリ以下にある mkswu.conf
と、鍵ファイルの swupdate.*
をなくさないようにしてください。
5.4.4. 初期設定用 SWU を ABOS Web からインストール
ABOS Web を使用して、PC 上の SWU イメージや HTTP サーバー上の SWU イメージを Armadillo にインストールすることができます。
生成した initial_setup.swu
をインストールします。
ABOS Web のトップページから、"SWU インストール"をクリックすると、図5.15「SWU インストール」の画面に遷移します。
この画面では、PC 上の SWU イメージファイルまたは、HTTP サーバー上の SWU イメージファイルの URL を指定して、Armadillo にインストールすることができます。
Armadillo のソフトウェアのアップデート用に最初に行う設定で作成する initial_setup.swu が、まだ Armadillo にインストールされていなければ、"mkswu --init で作成した initial_setup.swu をインストールしてください。" というメッセージを画面上部に表示します。
生成した initial_setup.swu
を選択します。
実行中のログが ABOS Web 上に表示されます。インストールに成功したら完了です。
5.4.5. VS Code を使用したインストールディスク作成用 SWU の生成
VS Code の左ペインの [COMMON PROJECT COMMAND] から [Generate Installer On USB Swu] を実行します。
次に、対象製品を選択します。
無事に生成された場合、コンソールに以下のログが出力されます。
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パスワードの入力を求められますので、初期化用 swu を生成したときと同じパスワードを入力します
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/home/atmark/mkswu
ディレクトリ内に make-installer.swu
が作成されます。
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セキュリティーの観点から、インストールディスクによるインストール実行時に以下のファイルを再生成しております: -
/etc/machine-id (ランダムな個体識別番号)
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/etc/abos_web/tls (ABOS-Web の https 鍵)
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/etc/ssh/ssh_host_*key* (ssh サーバーの鍵。なければ生成しません)ABOS 3.19.1-at.3 以降
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Node-RED ではポート番号 1880 を使用して、ネットワーク上からアクセスして開発します。
しかし、量産時にポートを開けておくと外部からアクセスできてしまう危険性があります。
そのため、make-installer.swu を使用してインストールディスクイメージを生成する場合は、このポートを閉じます。 |
5.4.5.1. Armadillo に USBメモリを挿入
Armadillo に電源を投入し、インストールディスクを保存するために USB メモリを挿入してください。
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USB メモリは vfat もしくは ext4 形式でフォーマットし、空き容量が 10GB 以上のものを使用してください。
Armadillo-640 への USB メモリのマウントは不要です。 インストールディスクイメージは installer.img という名前で保存します。すでに同名のファイルが存在する場合は上書きされます。 |