第4章 仕様の変更

4.1. i.MX31/i.MX31Lプロセッサのヒューズ電圧仕様変更

i.MX31/i.MX31Lのリビジョン変更に伴い、ヒューズ電圧の仕様が変更されました。

4.1.1. 詳細内容

i.MX31/i.MX31Lプロセッサのシリコンリビジョン 2.0(CPUモジュール Rev.C)から、ヒューズ電圧が変更されました。この変更は、ベースボードの設計に影響します。

4.1.2. 対応

CPUモジュール設定ジャンパJP7を追加し、ヒューズ電圧変更前後どちらのリビジョンにも対応可能にします。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. B1 以降

4.1.3. 備考

JP7設定の仕様については、Armadillo-500ベースボードハードウェアマニュアル Rev. 1.0.3以降に記載しています。

i.MX31/i.MX31Lプロセッサにおける仕様変更の詳細については、Freescale Semiconductor社ドキュメント「MCIMX31 Data Sheet」(Rev. 3.2以降)を参照してください。

4.2. Ethernetコントローラの接続を変更

Ethernetコントローラのピン接続を変更します。

4.2.1. 詳細内容

Push-Pull動作専用としていたピンを、オープンドレイン動作も可能にします。

4.2.2. 対応

オープンドレイン動作も可能となるように、IRQとPMEピンの接続を変更します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C 以降

4.2.3. 備考

特にありません。

4.3. i.MX31/i.MX31LプロセッサI/O電圧の変更

i.MX31/i.MX31Lプロセッサに供給するI/O電圧(3.14V系)を変更します。

4.3.1. 詳細内容

従来3.14VとしていたI/O電圧を、より低くします。

4.3.2. 対応

I/O電圧が3.02Vとなるように変更します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C 以降

4.3.3. 備考

この変更により、RS232Cデバイスがこの電源系統に接続動作できなくなります。この件については 「RS-232 LINE DRV/RCVの電源電圧を変更」を参照してください。

4.4. RS-232 LINE DRV/RCVの電源電圧を変更

RS-232 LINE DRV/RCVの電源電圧を変更します。

4.4.1. 詳細内容

I/O電圧の変更に伴い、RS-232 LINE DRV/RCVの電源系統を変更します。

4.4.2. 対応

RS-232 LINE DRV/RCVを3.3V系の電源系統に接続するよう変更します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C 以降

4.4.3. 備考

この変更は、「i.MX31/i.MX31LプロセッサI/O電圧の変更」に伴うものです。

4.5. 放射ノイズ対策用部品を追加

放射ノイズの低減目的とした部品を追加します。

4.5.1. 詳細内容

フェライトビーズを接続し、放射ノイズの低減を図ります。

4.5.2. 対応

いくつかの部品を追加します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C 以降

4.5.3. 備考

特にありません。

4.6. i.MX31/i.MX31LからのMCLK入力対応用配線の追加

i.MX31/i.MX31LからのMCLK入力に対応するため、配線を追加します。

4.6.1. 詳細内容

MCLK入力用の配線を追加します。

4.6.2. 対応

配線を追加します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C 以降

4.6.3. 備考

特にありません。

4.7. ベースボードが供給するコア電圧を変更

ベースボードがi.MX31/i.MX31Lプロセッサに供給するコア電圧を変更します。

4.7.1. 詳細内容

i.MX31/i.MX31Lプロセッサのシリコンリビジョン1.2(CPUモジュール Rev.B)に該当するエラッタ「MSIls20595」の対応のために、オーバードライブ[1]となる電圧を供給する必要がありました。このエラッタはi.MX31/i.MX31Lプロセッサのシリコンリビジョン2.0(CPUモジュール Rev.C)以降で対応済みであるため、供給するコア電圧をより低くします。

4.7.2. 対応

従来1.58Vとしていたコア電圧を、オーバードライブとならない1.41Vに変更します。

以下について、変更対応済みです。

  • ベースボード Rev. C1 以降

4.7.3. 備考

この変更により、i.MX31/i.MX31Lプロセッサのシリコンリビジョン1.2(CPUモジュール Rev.B)を使用した場合にi.MX31のエラッタ「MSIls20595」によってUSBをHigh Speedモードで使用することができません。

4.8. インターフェースボードの無線LANモジュール取り付けネジ穴径変更

インターフェースボードに、Armadillo-WLAN 評価セット(型番:OP-WL11D-01)[2]に同梱されている、Armadillo-WLANモジュールおよび外付けアンテナセットを固定するためのネジ穴径を変更します。

4.8.1. 詳細内容

取り付けに使用するネジ径および、取り付けネジ穴径が共にφ2.0mmであり、取り付けが困難であるためネジ穴径を変更します。変更するネジ穴の位置を、図4.1「無線LANモジュール取り付けネジ穴位置」に示します。

無線LANモジュール取り付けネジ穴位置

図4.1 無線LANモジュール取り付けネジ穴位置


4.8.2. 対応

従来φ2.0mmであった取り付けネジ穴径を、φ2.2mmに変更します。

以下について、変更対応済みです。

  • インターフェースボード Rev. E 以降

4.8.3. 備考

特にありません。

4.9. インターフェースボードのコンデンサの温度特性を変更

インターフェースボードに搭載されているコンデンサの温度特性を変更します。

4.9.1. 詳細内容

インターフェースボードに搭載されている一部のコンデンサを、より性能の良いコンデンサに変更します。

4.9.2. 対応

インターフェースボードの一部に使用されている温度特性がF特性のコンデンサを、全てB特性のコンデンサに変更します。この変更により、インターフェースボードに搭載されているコンデンサは全てB特性となります。コンデンサの温度特性を、表4.1「コンデンサの温度特性」に示します。

表4.1 コンデンサの温度特性

温度特性記号(JIS)基準温度温度範囲静電容量変化率
B20℃-25~85℃±10%
F20℃-25~85℃+30%,-80%

変更したコンデンサについては、インターフェースボードの回路図および部品表[3]を参照してください。

以下について、変更対応済みです。

  • インターフェースボード Rev. E1 以降

4.9.3. 備考

特にありません。



[1] 供給電圧が高いために、累積稼動時間が制限されてしまう状態です。この状態では、累積稼動時間が1.25年(10950時間)に制限されます。(例えば、5年間運用するためには、1日あたり6時間の稼動に制限されます。)

[2] 2011年4月15日をもって販売終了予定です。代替製品であるArmadillo-WLAN 評価セット(型番:AWL12-D01Z)は取り付けネジ穴の位置が変更になったため、インターフェースボードに直接接続することはできません。

[3] 回路図および部品表はArmadillo-500 FXをご購入の上で、アットマークテクノ ユーザーズサイトから購入製品登録を行った方に限定して、公開しています。