第2章 作業の前に

2.1. 見取り図

開発ボードの見取り図です。各インターフェースの配置場所等を確認してください。

見取り図

図 2.1. 見取り図


2.2. 準備するもの

開発ボードを使用する前に、次のものを準備してください。

作業用PCとシリアルクロスケーブル

LinuxもしくはWindowsが動作し、1ポート以上のシリアルインターフェースを持つPCとD-Sub9ピン(メス - メス)のクロス接続用ケーブルです。作業用PCにはdebian系Linux OSが動作する環境が必要です。

シリアル通信ソフトウェア[1]

開発ボードを制御するために使用します。作業用PCにインストールしてください。 (Linux用のソフトウェアは、付属CDのtoolディレクトリに収録されています。)

2.3. ジャンパピンの設定について

開発ボードのジャンパピンは、表 2.1. 「ジャンパピンの割り当て」のように割り当てられています。

表 2.1. ジャンパピンの割り当て

ジャンパ割り当てデフォルトソフトウェアでの使用状況
JP1ユーザ設定ブートローダのモード設定に使用
JP2ユーザ設定未使用
JP3CPU起動モード設定-
JP4CPU起動モード設定-
JP5CPU起動モード設定-
JP6CPU起動モード設定-
JP7CPUモジュール設定CPUモジュールの型番識別に使用

2.3.1. CPU起動モード設定

JP3-6の設定により、CPU起動モードを切り替えることができます。起動モードには、フラッシュメモリブートモードとUARTブートモードがあります。

表 2.2. CPU起動モード

JP3JP4JP5JP6モード
オープンオープンオープンオープンオンボードフラッシュメモリブート
ショートショートオープンショートUARTブート

2.3.2. オンボードフラッシュメモリブート

このモードでは、リセット時にオンボードフラッシュメモリ内のブートローダが最初に起動します。ブートローダは起動後JP1の設定によって、表 2.3. 「フラッシュメモリブートモード」に示すモードへ移行します。

表 2.3. フラッシュメモリブートモード

JP1モード説明
オープンオートブート電源投入後、カーネルを自動的に起動します。
ショート保守起動後、保守モードプロンプトが表示されます。

2.3.3. UARTブートモード

このモードでは、CPUのInternal ROM機能のUARTブートが使用できます。

有効にするには、ジャンパを表 2.4. 「UARTブートモードジャンパー設定」のように設定してください。

表 2.4. UARTブートモードジャンパー設定

ジャンパ設定
JP3ショート
JP4ショート
JP5オープン
JP6ショート

UARTブート機能は、フラッシュメモリのブートローダーが壊れた場合など、システム復旧のために使用します。詳しくは、項4.6. 「ブートローダーを出荷状態に戻す」を参照してください。

2.3.4. CPU モジュール設定

モジュールの型番によって、JP7 を下記のように設定してください。

あやまった設定をすると、正常に動作しないことがあります。

表 2.5. CPU モジュール設定

CPU モジュール型番JP7の状態

A50**-U**

A50**-U**B(A50**Z-B)

ショート
A50**-U**C(A50**Z-C)オープン

2.3.5. シリアル通信ソフトウェアの設定

シリアル通信ソフトウェアを起動し、シリアルの通信設定を、表 2.6. 「シリアル通信設定」のように設定してください。

[警告]

Armadillo-240では、RS232Cレベル変換アダプターを経由させる必要があります。

表 2.6. シリアル通信設定

項目設定
転送レート115,200bps
データ長8bit
ストップビット1bit
パリティなし
フロー制御なし

2.3.6. メモリマップ

デフォルトのフラッシュメモリのメモリマップを、表 2.7. 「メモリマップ(フラッシュメモリ)」に示します。

表 2.7. メモリマップ(フラッシュメモリ)

物理アドレスリージョン名サイズ説明

0xa0000000

0xa0ffffff

all16MBフラッシュメモリ全領域

0xa0000000

0xa001ffff

bootloader128KB

ブートローダ領域

loader-a5x0.bin」のイメージ

0xa0020000

0xa021ffff

kernel2MB

カーネル領域

linux.bin(.gz)」のイメージ

(非圧縮イメージ、gz圧縮イメージに対応)

0xa0220000

0xa0fdffff

userland13.75MB

ユーザランド領域

romfs.img(.gz)」のイメージ

(非圧縮イメージ、gz圧縮イメージに対応)

0xa0fe0000

0xa0ffffff

config128KB

コンフィグ領域

flatfsdが使用する領域




[1] Linuxでは「minicom」、Windowsでは「Tera Term Pro」などです。