Armadilloのオンボードフラッシュメモリを書き換えることで、ソフトウェアの機能を変更することができます。
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何らかの原因により「フラッシュメモリの書き換え」に失敗した場合、ソフトウェアが正常に起動しなくなる場合があります。書き換え中は以下の点に注意してください。
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作業用PCにダウンローダをインストールします。
ダウンローダの種類には、表 4.1. 「ダウンローダ一覧」のようなものがあります。
表 4.1. ダウンローダ一覧
ダウンローダ | OSタイプ | 説明 |
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hermit-at | Linux | Linux用のCUIアプリケーションです。 |
shoehorn-at | Linux | Linux用のCUIアプリケーションです。 |
hermit-at-win | Windows | Windows用のGUIアプリケーションです。 |
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ATDE(Atmark Techno Development Environment)を利用する場合、ダウンローダパッケージはすでにインストールされているので、インストールする必要はありません。
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付属CDのdownloader/debディレクトリよりパッケージファイルを用意し、インストールします。必ずrootユーザで行ってください。
付属CDのdownloader/win32/hermit-at-win_[version]
.zip
を任意のフォルダに展開します。
フラッシュメモリの書き込み先頭アドレスは、領域(リージョン)名で指定することができます。書き込み領域毎に指定するイメージファイルは、表 4.2. 「リージョン名と対応するイメージファイル
」のようになります。
表 4.2. リージョン名と対応するイメージファイル
[]
製品 | 領域名 | ファイル名 |
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Armadillo-210 | bootloader | loader-armadillo2x0-[version] .bin |
kernel | linux-a210-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a210-recover-[version] .img.gz romfs-a210-base-[version] .img.gz |
Armadillo-220/230/240 | bootloader | loader-armadillo2x0-eth-[version] .bin |
kernel | linux-a2x0-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a2x0-recover-[version] .img.gz romfs-a2x0-base-[version] .img.gz |
Armadillo-9 | bootloader | loader-armadillo9-[version] .bin |
kernel | linux-[version] .bin.gz |
userland | romfs-[version] .img.gz |
Armadillo-300 | ipl | ipl-a300.bin(※書き換え不可) |
bootloader | loader-armadillo-3x0-[version] .bin |
kernel | linux-a300-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a300-[version] .img.gz |
Armadillo-500 | bootloader | loader-armadillo5x0-[version] .bin |
kernel | linux-a500-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a500-[version] .img.gz |
Armadillo-500 FX | bootloader | loader-armadillo5x0-fx-[version] .bin |
kernel | linux-a500-fx-[version] .bin.gz |
userland | romfs-a500-fx-[version] .img.gz |
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一部製品のユーザーランドには、RecoverとBaseという2種類のイメージファイルが用意されています。Recoverイメージは、出荷状態でオンボードフラッシュメモリに書き込まれていて、各製品の特徴や性能を利用するアプリケーションが含まれています。Baseイメージは、開発のベースとなるように、基本的なアプリケーションやツールのみが含まれています。 |
4.3. Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える
ここでは、Hermit-Atダウンローダを使用してフラッシュメモリを書き換える手順について説明します。項4.1. 「ダウンローダのインストール」でインストールしたHermit-Atダウンローダを使用します。これは、Armadilloのブートローダーと協調動作を行い、作業用PCからArmadilloのフラッシュメモリを書き換えることができます。
項2.3. 「ジャンパピンの設定について」を参照し、Hermit-Atを起動してください。
Armadilloと接続している作業用PCのシリアルインターフェースが他のアプリケーションで使用されていないことを確認します。使用されている場合は、該当アプリケーションを終了するなどしてシリアルインターフェースを開放してください。
図 4.2. 「ダウンロードコマンド」のようにコマンドを実行します。
download
はhermitのサブコマンドの一つです。--input-file
で指定されたファイルをターゲットボードに書き込む時に使用します。--region
は書き込み対象の領域を指定するオプションです。下記の例では、「kernel領域にlinux.bin.gzを書き込む」という命令になります。
シリアルインターフェースがttyS0以外の場合は、図 4.3. 「ダウンロードコマンド(ポート指定) 」のように--port
オプションを使用してポートを指定してください。
bootloaderリージョンは、誤って書き換えることがないように簡易プロテクトされています。書き換える場合は、図 4.4. 「ダウンロードコマンド(アンプロテクト)[]」のように--force-locked
オプションを使用して、プロテクトの解除をしてください。
hermit-at-win.exeを実行します。図 4.5. 「Hermit-At:Downloadウィンドウ」が表示されます。
Armadilloと接続されているシリアルインターフェースを「Serial Port」に指定してください。ドロップダウンリストに表示されない場合は、直接ポートを入力してください。
Imageには書き込むファイルを指定してください。Regionには書き込み対象のリージョンを指定してください。allやbootloaderリージョンを指定する場合は、Force Lockedをチェックしてください。
すべて設定してから実行ボタンをクリックします。図 4.6. 「Hermit-At:downloadダイアログ」が表示されます。
ダウンロードの設定と進捗状況が表示されます。ダウンロードが完了するとダイアログはクローズされます。
4.4. tftpdlを使用してフラッシュメモリを書き換える
Armadilloのブートローダー機能のtftpdlを使用してフラッシュメモリを書き換えることができます。この機能は、所属するネットワークにあるTFTPサーバーが公開しているファイルをダウンロードしてフラッシュメモリを書き換えることができます。
項2.3.2. 「オンボードフラッシュメモリブートモード」を参照して、Armadilloの起動モードを保守モードに変更し再起動してください。
作業用PCのシリアル通信ソフトウェアを使用して、コマンドを入力します。図 4.7. 「tftpdlコマンド例」は、ArmadilloのIPアドレスを192.168.10.10に設定し、IPアドレスが192.168.10.1のtftpサーバー上にある、linux.bin.gzをkernelリージョンにを書き込む例です。
実行すると、図 4.8. 「tftpdlログ」のようにログが出力されます。「completed!!」と表示されたら書き換えが終了します。
4.5. netflashを使用してフラッシュメモリを書き換える
Linuxアプリケーションのnetflashを使用してフラッシュメモリを書き換えることができます。netflashは、所属するネットワークにあるHTTPサーバーやFTPサーバーが公開しているファイルをダウンロードしてフラッシュメモリを書き換えることができます。
Armadilloにログインし、図 4.9. 「netflashコマンド例」のようにコマンドを実行します。
オプションの"-r [デバイスファイル名]"で書き込み対象のリージョンを指定しています。表 4.3. 「リージョンとデバイスファイルの対応」を参照してください。その他のオプションについては、netflash -hで詳細を確認する事ができます。
表 4.3. リージョンとデバイスファイルの対応
リージョン | デバイスファイル |
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カーネル | /dev/flash/kernel |
ユーザランド | /dev/flash/userland |
CPUのInternal ROM機能のUARTブートモードを使用して、ブートローダーを出荷状態に戻すことができます。
Armadilloのジャンパを、表 2.4. 「UARTブートモードジャンパ設定」のように設定してください。
Armadilloと接続している作業用PCのシリアルインターフェースが他のアプリケーションで使用されていないことを確認します。使用されている場合は、該当アプリケーションを終了するなどしてシリアルインターフェースを開放してください。