第6章 WLANオプションモジュール

この章では、Armadillo-420にWLANオプションモジュールを接続した場合の、無線LANの設定方法について説明します。

Armadillo-420 WLANモデルのソフトウェアは、システム起動時にArmadillo-WLANが適切に初期化されるように作り上げられています。通常Armadillo-WLANを動作させようとすると、

  1. カーネルモジュール「aerial.ko」の組み込み

  2. Armadillo-WLANへファームウェアをロード

  3. Armadillo-WLANの無線設定

の3つの手順が必要となります。WLANモデルの標準イメージでは、1. 及び 2. を標準でサポートするため、無線設定のみを行うことで、無線LANが使用可能になります。

6.1. 無線設定

ここでは、WPA-PSK(TKIP)のアクセスポイントに接続する場合の設定例を示します。図6.1「WPA-PSK(TKIP)に設定」に示すように操作します。

[armadillo ~]# iwpriv wlan0 set_pskmode 1
[armadillo ~]# iwpriv wlan0 set_pskmode 1
[armadillo ~]# iwconfig wlan0 essid [ESSID]
[armadillo ~]# iwpriv wlan0 set_psk [パスフレーズ]
[armadillo ~]# iwpriv wlan0 set_cryptmode WPA-TKIP
[armadillo ~]# iwconfig wlan0 mode managed

図6.1 WPA-PSK(TKIP)に設定


[ティップ]

ESSIDとパスフレーズは、接続するアクセスポイントと同じ設定にしてください。無線設定の詳細については、Armadillo-WLANソフトウェアマニュアルを参照してください。

上記のようにコマンドを実行すると、無線設定が完了します。これで通常のネットワークインターフェースとして使用することができます。

6.2. 無線設定を保存する

図6.1「WPA-PSK(TKIP)に設定」のように設定してもArmadilloの電源をオフにすると設定内容は消えてしまいます。電源をオフにしても設定を保持するためには、/etc/config/interfacesに記述しておきます。

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp
iface wlan0 inet dhcp
	pre-up iwpriv wlan0 set_pskmode 1
	pre-up iwconfig wlan0 essid [ESSID]
	pre-up iwpriv wlan0 set_psk [パスフレーズ]
	pre-up iwpriv wlan0 set_cryptmode WPA-TKIP
	wireless-mode managed

図6.2 /etc/config/interfacesの編集


上記のように設定すると、「ifup wlan0」とすることで無線設定が行われます。/etc/config/interfacesを編集後「flatfsd -s」を実行することで保存することができます。次回設定時は、同様に「ifup wlan0」とすれば設定が反映されます。

システムの起動時に実行されるスクリプトでは、ifup -a(登録済みのネットワークインターフェースを全てアップする)コマンドでネットワークの初期化を行います。eth0のように自動的に無線LANインターフェースがアップされるようにするには、interfacesのautoにwlan0を設定しておきます。

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0 wlan0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp
iface wlan0 inet dhcp
	pre-up iwpriv wlan0 set_pskmode 1
	pre-up iwconfig wlan0 essid [ESSID]
	pre-up iwpriv wlan0 set_psk [パスフレーズ]
	pre-up iwpriv wlan0 set_cryptmode WPA-TKIP
	wireless-mode managed

図6.3 自動的に無線LANを設定する場合


[ティップ]

Armadillo-420 WLANモデル用のソフトウェアは、カーネルモジュールを自動的にロードする仕組みがサポートされています。この仕組みは、/etc/modulesと/etc/init.d/module-init-toolにより実現されています。module-init-toolが実行されると、/etc/modulesに記載されているモジュール名を自動的にmodprobeでロードを行います。

[ティップ]

Armadillo-WLANデバイスを検出した場合に自動的にファームウェアがロードされる仕組みは、udevの機能を使用しています。/etc/udev/rules/z05_aerial.rulesに設定されているデバイス型とマッチした場合、/etc/config/aerial-firmware-load.shが実行されるようになっています。