第6章 Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール(AWL13対応)

この章では、Armadillo-420にArmadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール(AWL13対応)(以下、WLANオプションモジュール(AWL13対応))を接続しインフラストラクチャモード(STA)で使用する場合の、無線LANの設定方法について説明します。

Armadillo-420 WLANモデル(AWL13対応)のソフトウェアは、システム起動時にArmadillo-WLANモジュール(AWL13)が適切に初期化されるように作り上げられています。通常AWL13を動作させようとすると、

  1. カーネルモジュール「awl13_sdio.ko」の組み込み

  2. AWL13へファームウェアをロード

  3. AWL13の無線設定

の3つの手順が必要となります。Armadillo-420 WLANモデル(AWL13対応)の標準イメージでは、1. 及び 2. を標準でサポートするため、無線設定のみを行うことで、無線LANが使用可能になります。

6.1. 無線設定

ここでは、WPA2-PSK(AES)のアクセスポイントに接続する場合の設定例を示します。図6.1「WPA2-PSK(AES)に設定」に示すように操作します。

[armadillo ~]# iwconfig awlan0 essid [ESSID]
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_psk [パスフレーズ]
[armadillo ~]# iwpriv awlan0 set_cryptmode WPA2-AES
[armadillo ~]# iwconfig awlan0 mode managed

図6.1 WPA2-PSK(AES)に設定


[ティップ]

ESSIDとパスフレーズは、接続するアクセスポイントと同じ設定にしてください。無線設定の詳細については、Armadillo-WLAN(AWL13)ソフトウェアマニュアルを参照してください。

上記のようにコマンドを実行すると、無線設定が完了します。これで通常のネットワークインターフェースとして使用することができます。

6.2. 無線設定を保存する

図6.1「WPA2-PSK(AES)に設定」のように設定してもArmadilloの電源をオフにすると設定内容は消えてしまいます。電源をオフにしても設定を保持するためには、/etc/config/interfacesに記述しておきます。

[armadillo ~]# vi /etc/config/interfaces
# /etc/network/interfaces -- configuration file for ifup(8), ifdown(8)

auto lo eth0
iface lo inet loopback
iface eth0 inet dhcp
iface awlan0 inet dhcp
	pre-up iwpriv awlan0 set_psk [パスフレーズ]
	pre-up iwpriv awlan0 set_cryptmode WPA2-AES
	pre-up iwconfig awlan0 essid [ESSID]
	wireless-mode managed

図6.2 /etc/config/interfacesの編集


上記のように設定すると、「ifup awlan0」とすることで無線設定が行われます。/etc/config/interfacesを編集後「flatfsd -s」を実行することで保存することができます。次回設定時は、同様に「ifup awlan0」とすれば設定が反映されます。

システムの起動時に自動的に無線LANインターフェースがアップされるようにするには、/etc/config/awl13-firmware-load.shの最後の行に「ifup awlan0」を追加しておきます。

[ティップ]

Armadillo-420 WLANモデル(AWL13対応)用のソフトウェアは、カーネルモジュールを自動的にロードする仕組みがサポートされています。この仕組みは、/etc/modulesと/etc/init.d/module-init-toolsにより実現されています。module-init-toolsが実行されると、/etc/modulesに記載されているモジュール名を自動的にmodprobeでロードを行います。

[ティップ]

AWL13を検出した場合に自動的にファームウェアがロードされる仕組みは、udevの機能を使用しています。/etc/udev/rules.d/z05_awl13.rulesに設定されているデバイス型とマッチした場合、/etc/config/awl13-firmware-load.shが実行されるようになっています。