第1章 はじめに

このたびはArmadillo-300開発セットをお求めいただき、ありがとうございます。

Armadillo-300は、無線LANインタフェースやLCDインタフェースなどの様々なインタフェースをもつ小型ネットワークコンピュータです。情報表示機器やマルチメディア機器などのベースシステムとしてご利用頂くことが可能です。

Armadillo-300は、標準OSにLinuxを採用していますので、Linuxの豊富なソフトウェア資産を利用することができます。また、Cなどのプログラミング言語を使用し、オリジナルのプログラムを作成して動作させることも可能です。カスタマイズ方法については、「Armadillo-300 ソフトウェアマニュアル」等を参照してください。

本書には、ご利用にあたっての注意事項や、ご購入時の状態で利用できるArmadillo-300のソフトウェアについて記載されています。お手数ですが、Armadillo-300がお手元に届きましたら本書を使用して動作確認をしていただくようお願い致します。

以降、本書では他のArmadilloシリーズにも共通する記述については、製品名をArmadilloと表記します。

1.1. 対象となる読者

  • ハードウェアの動作確認をされる方

  • ソフトウェアの基本的な使用方法の確認をされる方

上記以外の方でも、本書を有効に利用していただけたら幸いです。

1.2. 本書の構成

本書では、Armadilloの基本的な使用方法について記載されています。

以下に主な項目を挙げます。

  • 接続方法

  • 起動と終了

  • 各種設定方法

  • 各種アプリケーションの使用方法

1.3. 表記について

1.3.1. フォント

本書では以下のような意味でフォントを使いわけています。

表 1.1. 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
text編集する文字列や出力される文字列。またはコメント

1.3.2. コマンド入力例

本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~」で表わします。

表 1.2. 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプトコマンドの実行環境
[PC /]#作業用PC上のrootユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[armadillo /]#Armadillo上のrootユーザで実行
[armadillo /]$Armadillo上の一般ユーザで実行
hermit>Armadillo上の保守モードで実行

コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適時読み替えて入力してください。

表 1.3. コマンド入力例での省略表記

表記説明
[version]ファイルのバージョン番号

1.3.3. アイコン

本書では以下のようにアイコンを使用しています。

[警告]

注意事項を記載します。

[ティップ]

役に立つ情報を記載します。

1.4. 謝辞

Armadilloで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を表します。

1.5. 安全に関する注意事項

本製品を安全にご使用いただくために、特に以下の点にご注意くださいますようお願いいたします。

[警告]

本製品には一般電子機器用(OA機器・通信機器・計測機器・工作機械等)に製造された半導体部品を使用しておりますので、その誤作動や故障が直接生命を脅かしたり、身体・財産等に危害を及ぼす恐れのある装置(医療機器・交通機器・燃焼制御・安全装置等)には使用しないでください。また、半導体部品を使用した製品は、外来ノイズやサージにより誤作動や故障する可能性があります。ご使用になる場合は万一誤作動、故障した場合においても生命・身体・財産等が侵害されることのないよう、装置としての安全設計(リミットスイッチやヒューズ・ブレーカ等の保護回路の設置、装置の多重化等)に万全を期されますようお願い申しあげます。

1.6. 取り扱い上の注意事項

本製品に恒久的なダメージをあたえないよう、取り扱い時には以下のような点にご注意ください。

本製品の改造

本製品について改造を行った場合は保証対象外となりますので十分ご注意ください。また、改造やコネクタ等の増設[1]を行う場合は、作業前に必ず動作確認を行うようお願いします。

電源の投入

本製品や周辺回路に電源が入っている状態での汎用入出力コネクタの着脱は、絶対に行わないでください。

静電気

本製品にはCMOS デバイスを使用していますので、ご使用になる時までは、帯電防止対策のされている、出荷時のパッケージ等にて保管してください。

ラッチアップ

電源および入出力からの過大なノイズやサージ、電源電圧の急激な変動等により、使用しているCMOS デバイスがラッチアップを起こす可能性があります。いったんラッチアップ状態となると、電源を切断しないかぎりこの状態が維持されるため、デバイスの破損につながることがあります。ノイズの影響を受けやすい入出力ラインには、保護回路を入れることや、ノイズ源となる装置と共通の電源を使用しない等の対策をとることをお勧めします。

衝撃

落下や衝撃などの強い振動を与えないでください。

1.7. ソフトウェア使用に関しての注意事項

本製品に含まれるソフトウェアについて

本製品に含まれるソフトウェア(付属のドキュメント等も含みます)は、現状のまま(AS IS)提供されるものであり、特定の目的に適合することや、その信頼性、正確性を保証するものではありません。また、本製品の使用による結果についてもなんら保証するものではありません。

1.8. 商標について

Armadilloは株式会社アットマークテクノの登録商標です。その他の記載の商品名および会社名は、各社・各団体の商標または登録商標です。



[1] コネクタを増設する際にはマスキングを行い、周囲の部品に半田くず、半田ボール等付着しないよう十分にご注意ください。