第1章 はじめに

このたびはArmadillo-240 をお買い求めいただき、ありがとうございます。

Armadillo-240 はイーサネットとVGA出力端子、シリアルインターフェース、USBホスト機能、及び汎用I/Oインターフェースを持つ超小型ネットワークコンピュータです。ご購入頂いたそのままの状態で、USBポートに接続したUSBメモリ[1]の内容を、内蔵のWEBサーバで公開する機能を搭載しています。

標準OS(オペレーティングシステム)にLinux を搭載していますので、フラッシュメモリの内容を書き換えることで、Linux の豊富なソフトウェア資産を利用することができます。また、C などのプログラミング言語を使用して、オリジナルのプログラムを作成し動作させることが可能です。

本マニュアルには、ご購入時の状態のArmadillo-240 で利用できる各種機能の利用方法が記載されています。Armadillo-240 をカスタマイズしてご利用される場合は、「Armadillo-200 シリーズソフトウェアマニュアル」を参照してください。

利用できる機能は、以下のとおりです。

PC からWEB ブラウザで簡単設定

ネットワークに接続されたPC のWEB ブラウザで、ネットワーク設定などの変更やファームウェアのアップデートなどを行うことができます。

USB メモリ内データWEB 公開機能

Armadillo-240 のUSB ポートに接続したUSB メモリ内の画像データを、WEB ブラウザから見ることができます。

USB メモリ内画像VGA 表示機能

Armadillo-240 のUSB ポートに接続したUSB メモリ内の画像データを、VGA コネクタに接続したモニタに表示することができます。

SSH(Secure Shell)機能

SSH プロトコルを利用して、ネットワーク接続されたPC からArmadillo-240 のコンソールにログインすることができます。

以降、本書では他のArmadilloシリーズにも共通する記述については、製品名をArmadilloと表記します。

1.1. 本書および関連ファイルのバージョンについて

本書を含めた関連マニュアル、ソースファイルやイメージファイルなどの関連ファイルは最新版を使用することをおすすめいたします。本書を読み進める前に、Armadilloサイト(http://armadillo.atmark-techno.com)から最新版の情報をご確認ください。

1.2. 対象となる読者

  • ハードウェアの動作確認をされる方

  • ソフトウェアの基本的な使用方法の確認をされる方

上記以外の方でも、本書を有効に利用していただけたら幸いです。

1.3. 本書の構成

本書では、Armadilloの基本的な使用方法について記載されています。

以下に主な項目を挙げます。

  • 接続方法

  • 起動と終了

  • 各種設定方法

  • 各種アプリケーションの使用方法

1.4. 表記について

1.4.1. フォント

本書では以下のような意味でフォントを使いわけています。

表1.1 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
text編集する文字列や出力される文字列。またはコメント

1.4.2. コマンド入力例

本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~」で表わします。

表1.2 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプトコマンドの実行環境
[PC /]#作業用PC上のrootユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[armadillo /]#Armadillo上のrootユーザで実行
[armadillo /]$Armadillo上の一般ユーザで実行
hermit>Armadillo上の保守モードで実行

コマンド中で、変更の可能性のあるものや、環境により異なるものに関しては以下のように表記します。適時読み替えて入力してください。

表1.3 コマンド入力例での省略表記

表記説明
[version]ファイルのバージョン番号

1.4.3. アイコン

本書では以下のようにアイコンを使用しています。

[警告]

注意事項を記載します。

[ティップ]

役に立つ情報を記載します。

1.5. 謝辞

Armadilloで使用しているソフトウェアは Free Software / Open Source Softwareで構成されています。Free Software / Open Source Softwareは世界中の多くの開発者の成果によってなりたっています。この場を借りて感謝の意を表します。



[1] 他のストレージクラスのUSB機器(USB HDDなど)も、もちろん利用可能です。