5.5.1. AT Admin: System - System Overview
System OverviewではArmadilloに関する情報の設定および確認を行います。System Overviewには大きく分けて3つの情報が表示されます。
Network Info
System State
Firmware
Network Infoにはネットワーク設定の詳細が表示されます。
- IP Address
現在のIPアドレスが表示されます。IP番号の後ろに表示される文字列の意味は以下の通りです。
- MAC Address
Armadillo固有に割り振られているMACアドレスが表示されます。
- Host name
設定されているホスト名が表示されます。初期状態はa220-0
[]
です。
- Traffic
システム起動後にネットワーク送受信されたパケット数が表示されます。
- Zeroconf
Bonjourによる自動的なデバイス検出が有効であるかどうかが表示されます。
また、さらに詳しいネットワーク情報は「show ifconfig」から参照することができます。Show ifconfigのページは ifconfigコマンドの出力をそのまま表示します。表示内容の詳細については ifconfigのマニュアルを参照してください。
現在のシステム状況を確認することができます。確認できる情報は以下の3つです。
- Load
システム負荷状態(Load Average)が表示されます。
- Memory
メモリの使用状態が表示されます。
- Uptime
Armadilloシステム起動時点からの経過時間が表示されます。
また、「show meminfo」および「show syslog」から、meminfoの情報とシステムログファイルの情報をそのままの状態で確認することができます。
現在動作しているファームウェアについて表示されます。
- Dist
ディストリビューションと使用プロファイルについての情報です。ユーザーランド(アプリケーション群)ソフトウェアのバージョンと種類について表示されます。
- Kernel
Linuxカーネルのバージョンについて表示されます。
5.5.2. AT Admin: System - Network
Networkでは、ネットワークに関する各種設定を変更することができます。
Networkでは大きく分けて2つの設定を行うことができます。
- AUTO IP
自動でIPアドレス取得・設定を行いたい場合に選択します。
初期状態ではこちらが選択されています。
ネットワーク内にDHCPサーバがある場合、DHCP接続を行います。DHCPサーバが見つからなかった場合、Zeroconfによって自動でIPが割り振られます。詳細については
6章ネットワーク設定
を参照してください。
- STATIC IP
固定でIPアドレスを設定する場合に選択します。
以下の項目について、手動で入力設定する必要があります。
- Address
設定するIPアドレスを入力します。
- Netmask
設定するサブネットマスクを入力します。
- Gateway
設定するゲートウェイサーバのIPアドレスを入力します。ゲートウェイを使用しない場合は、空欄にしてください。
- DNS Server
設定するDNS(ドメインネームシステム)サーバのIPアドレスを入力します。DNSを使用しない場合は、空欄にしてください。
ホスト名の変更確認を行います。変更する場合はテキストボックス内に新しいホスト名を入力してください。初期状態では「a220-0」
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となっています。Bonjourでは、この設定とデフォルトのネットワーク名である「.local」の組み合わせを使用するため、初期状態では「a220-0.local」がArmadilloの名称となります。この名称は、WEBブラウザのアドレスで確認することができます。詳細については
「Bonjour上のホスト名について」
を参照してください。
設定を入力後「Update」ボタンを押すと、以下のような画面が表示された後、Armadilloは新しいネットワーク設定で動作を開始します。
ネットワーク設定を変更している間は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。数秒~十数秒後に消灯します。消灯を確認してからArmadilloのトップページにアクセスしてください。
5.5.3. AT Admin: System - Firewall
Firewallではファイアウォールの状態表示と、設定の変更を行うことができます。
状態表示の画面では3種類の項目に分けて情報を表示します。
Incoming Traffic
Outgoing Traffic
Forwarded Traffic
それぞれの項目でルールの追加や削除、編集をすることが可能です。
5.5.3.1. Incoming Traffic
Incoming Trafficではプライマリインターフェースに入ってくるパケットの管理を行います。設定には大きく2つの方法が用意されています。初期状態では「Allow only the following traffic」が選択されています。
- Allow all traffic
全てのパケットがファイアウォールを通過することができます。外から入ってくるパケットに対してすべての制限を外します。十分注意してから選択してください。
- Allow only the following traffic
ファイアウォールを通過することができるパケットを登録します。初期状態で登録されているパケットは以下の通りです。
5.5.3.2. Outgoing Traffic
Outgoing TrafficではArmadillo-230本体から出ていくパケットの管理を行います。設定には大きく2つの方法が用意されています。初期状態では「Allow only the following traffic」が選択されています。
- Allow all traffic
全てのパケットがファイアウォールを通過することができます。外に出ていくパケットに対して全ての制限を外します。十分注意してから選択してください。
- Allow only the following traffic
ファイアウォールを通過することができるパケットを登録。初期状態で登録されているパケットは以下の通りです。
5.5.3.3. Forwarded Traffic
Forwarded Trafficでは転送するパケットに対して行う処理を選択します。設定には大きく2つの方法があります。初期状態では「Allow all traffic」が選択されています。
- Allow all traffic
全てのパケットがファイアウォールを通過することができます。ブリッジを行っている場合などに使用されるため、すべてのパケットを通過させます。
- Allow only the following traffic
指定されたパケットだけがファイアウォールを通過することができます。初期状態ではこちらが選択されています。初期状態で有効になっているパケットはありません。使用する前に追加してください。
Incoming TrafficやOutgoing Traffic、Forwarded Trafficで適用するルールを追加または削除、編集することができます。
追加するには「Add new」を選択してください。
すでに登録されているルールを編集するには名前の横にあるチェックボックスをチェックしてから「Edit selected」を押してください。
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複数のルールを同時に編集することはできません。「Edit selected」を押す前に一つのルールだけが選択されていることを確認してください。 |
削除する場合は、削除するルールの左側にあるチェックボックスをチェックしてください。選択後「Delete selected」を押してください。
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チェックボックスが表示されていないルールは、システム制御のために必須となるものです。システム制御を保護するために、変更を禁止しています。 |
「Edit selected」または「Add new」を選択すると編集画面に遷移します。
編集画面では「Protocol」、「Service」、「Interfaces」を設定します。
- Protocol
プロトコルを指定します。選択できるプロトコルは以下の通りです。
- Service
上記プロトコルでTCPまたはUDPが選択された場合に、有効になります。TCPまたはUDPのポート番号をサービス名で指定することができます。サービス名が登録されていない場合はポート番号を直接入力することができます。また、コロン記号(:)を使ってポート番号の範囲指定を行うこともできます。
- Interfaces
パケットが通過するインターフェースを指定します。Any、br0、eth0、eth1から選択します。それぞれの意味は以下の通りです。
設定後、OKボタンを押します。正しく入力された場合は状態表示画面に戻ります。変更したパケットを確認してください。変更作業をキャンセルしたい場合はCancelボタンを押してください。
新しくルールを追加や削除、編集した場合、新しい設定で動作させる必要があります。設定入力後に画面下にある「Update」ボタンを押すことで、変更内容が適用されます。設定を破棄したい場合は「Cancel」ボタンを押してください。前の設定状態に戻ります。
5.5.4. AT Admin: System - Bridge
Bridgeではネットワークブリッジ機能の確認と設定を行います。Bridgeを選択するとBridgeの状態表示画面が表われます。この画面では3種類の情報を確認することができます。
Bridge Overview
Stored MAC Addresses
STP Details
また、Bridgeの設定画面では2種類の項目について設定が可能です。
Basic Configuration
STP Configuration
Bridge Overviewではネットワークブリッジ設定の概要が表示されます。表示される内容は以下の通りです。ネットワークブリッジが有効になっていない場合は「Configure」ボタンだけが表示されます。
- Bridge name
現在有効になっているネットワークブリッジの名前です。
- Bridge ID
Armadillo-230固有に割り振られているMACアドレスが表示されます。
- STP enabled
設定されているホスト名が表示されます。初期状態はa230-0です。
- Interfaces
システム起動後にネットワーク送受信されたパケット数が表示されます。
5.5.4.2. Stored MAC Addresses
Stored MAC AddressesにはArmadillo-230がネットワークブリッジを行う上で保存しているMACアドレスの一覧が表示されます。
- Port
LANコネクタの番号を使ってMACアドレスがどちらのネットワークの先にあるか表わします。1であればLANコネクタ1に繋っているネットワークにあることを表します。2であればLANコネクタ2になります。
- MAC Address
保持しているMACアドレスの一覧です。
- Local Address
参照中のArmadillio-230のMACアドレスかどうかを表わします。「yes」であれば参照中のArmadillo-230のMACアドレスです。「no」であればそれ以外の機器を表わします。
- Ageing Timer
MACアドレスが何秒保持されているか表示されます。後述する設定ページで値の変更を行っていない場合は、300秒間保持されます。(閾値を越えたMACアドレスは自動的に破棄されます)
STP DetailsではSTP(Spanning Tree Protocol)の状態について確認することができます。詳細についてはSTPに関するドキュメントを参照してください。
5.5.4.4. Basic Configuration
Basic configurationではネットワークブリッジの基本設定を行います。設定できる項目は以下のとおりです。
- Activate Bridge
Armadillo-230のネットワークブリッジ機能を有効化または無効化します。
- Interfaces to bridge
ネットワークブリッジとして使用するLANコネクタを指定します。
- MAC table ageing time
MACアドレスを保持する期間を指定します。Autoを選択すると300秒保持します。テキストボックスに入力する値の単位は秒です。
5.5.4.5. STP Configuration
STP ConfigurationではSTPに関する設定を行います。設定できる項目は以下の通りです。
- Enable STP
Armadillo-230のネットワークブリッジでSTPを有効または無効にします。ネットワークブリッジが有効になっていなければSTPは有効にできません。初期状態は有効です。
- Bridge Priority
Armadillo-230が持つネットワークブリッジの優先度を指定します。入力可能な値は0~65535です。Autoが選択された場合は32768が使われます。初期状態はAutoです。
- Forwarding Delay
ポートの状態遷移に必要な時間を指定します。単位は秒です。入力可能な値は4~30です。Autoが選択されると15秒になります。初期状態では起動時間を優先するために最小値(4秒)を指定しています。
- Hello time
ネットワークブリッジが使用するタイマーの一つ。Configuration BPDUを発行する間隔を指定します。単位は秒です。入力可能な値は1~10です。初期状態はAutoです。
- Max message age
BPDUの有効時間を指定します。単位は秒です。入力可能な値は6~40です。Autoでは20秒が選択されます。初期状態はAutoです。
- eth0 port priority
Eth0ポートの優先度を指定します。入力可能な値は0~63です。初期状態はAutoです。
- eth0 path cost
Eth0ポートのコストを指定します。入力可能な値は1~65535です。初期状態はAutoです。
- eth1 port priority
Eth1ポートの優先度を指定します。入力可能な値は0~63です。初期状態はAutoです。
- eth1 path cost
Eth1ポートのコストを指定します。入力可能な値は1~65535です。初期状態はAutoです。
設定値を変更した場合、画面下にある「Update」ボタンを押すことで変更内容が適用されます。設定を破棄したい場合は「Cancel」ボタンを押してください。前の設定状態に戻ります。
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ブリッジ設定を変更した場合、ただちに設定保存とシステム再起動が行われます。
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5.5.6. AT Admin: System - Firmware
Firmwareでは、ユーザーランド(アプリケーション群)及びLinuxカーネルのファームウェア更新を行うことができます。
公式WEBサイトで公開されているイメージファイルに更新する場合
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、まず「Get firmware options」ボタンを押してください。その下の「Applications(Userland)」「Kernel」の各ボックスに、存在するイメージファイルが表示されます。
5.5.6.1. Applications(Userland)
ユーザーランド(アプリケーション群)更新を行う項目です。
- イメージ選択ボックス
サーバに存在するユーザーランドイメージが登録されています。更新したいイメージを選択します。
- URL入力ボックス
ダウンロードするユーザーランドイメージファイルのURLが表示されます。ボックス右側の「Edit」にチェックを入れると、このボックスに任意のURLを直接入力することが可能になります。
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「Edit」にチェックを入れた場合、URL入力ボックスへの直接入力が優先され、イメージ選択ボックスによる選択は無視されます。 |
「Update userland」ボタンを押すと、ユーザーランドイメージのダウンロードが始まり、その後フラッシュメモリの更新が開始されます。また、現在と異なる種類のユーザーランドイメージに更新する場合
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は、「Update userland」ボタンを押す前に、「Allow all image types」にチェックを入れてください。
Linuxカーネル更新を行う項目です。
- イメージ選択ボックス
サーバに存在するカーネルイメージが登録されています。更新したいイメージを選択します。
- URL入力ボックス
ダウンロードするLinuxカーネルイメージファイルのURLが表示されます。ボックス右側の「Edit」にチェックを入れると、このボックスにURLを直接入力することが可能になります。
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「Edit」にチェックを入れた場合、URL入力ボックスへの直接入力が優先され、イメージ選択ボックスによる選択は無視されます。 |
「Update kernel」ボタンを押すと、Linuxカーネルイメージのダウンロードが始まり、その後フラッシュメモリの更新が開始されます。
5.5.7. AT Admin: System - Save & Load
Save & Loadでは、変更した各種システム設定のフラッシュメモリへの保存や、以前の設定状態の回復・初期化、システムの再起動などを行うことができます。
5.5.7.1. Save & Load System Settings
システム設定の保存・回復を行うための項目です。
- 現在の設定をフラッシュに保存する(Save)
Network SettingsやPasswordで適用した設定をフラッシュメモリに保存します。保存した設定は、一旦Armadilloの電源を切断した後、次回以降の起動時にも有効になります。
- 現在のシステム設定を破棄し、フラッシュに保存されている元の設定に戻す(Reload)
現在動作している設定を破棄し、フラッシュメモリに保存されている設定を読み出して以前の状態に戻します。以下のような画面が表示された後、Armadilloは新しい(フラッシュメモリから読み出された)ネットワーク設定で動作を開始します。
以前の設定に戻した結果、ネットワーク接続が変更された場合は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。LED(赤)の消灯を確認してから、Armadilloのトップページにアクセスしてください。
- 現在のシステム設定を破棄し、初期状態の設定にする(Restore Defaults)
現在動作している設定を破棄し、システム設定を動作中のファームウェアにおける初期状態にします。フラッシュメモリに保存されている設定についても初期化されます。
システムの再起動を行うための項目です。
再起動後、ネットワーク接続を変更している間は、ArmadilloのLED(赤)が点灯します。十秒~数分後に消灯しますので、これを確認してから改めてArmadilloトップページにアクセスしてください。