実際に本システムをArmadillo-610上で動作させる手順を説明します。
この手順は、既にAWSのアカウントを作成し、AWSマネジメントコンソールにログインできていることを前提としています。
AWSアカウントの作成方法については、こちらを参照してください。
AWSマネジメントコンソールへログインし、サービス一覧からIAMを選択してください。その後、ユーザータブを開き、「ユーザーを追加」をクリックします。
下記の通り入力、選択し「次のステップ:アクセス権限」に進みます。
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ユーザー名
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AWSアクセスの種類を両方選択
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コンソールのパスワードは自動生成パスワードを選択
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「パスワードのリセットが必要」にチェックを入れる
下記の手順でポリシーをアタッチし、「次のステップ:アクセス権限」に進みます。
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「既存のポリシーを直接アタッチ」を選択
表示された中から以下にチェック
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AWSIoTConfigAccess
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AWSIoTDataAccess
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AWSLambdaFullAccess
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IAMFullAccess
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CloudWatchFullAccess
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AmazonAPIGatewayAdministrator
今回は設定不要です。
「次のステップ:確認」に進みます。
確認画面が表示されます。
設定した通りの内容になっていることを確認し、「ユーザーの作成」をクリックしてください。
成功すると下記のような画面が表示されます。
後ほどArmadillo-610の設定で使用するため、ここでは必ずcsvのダウンロードを忘れずに行ってください。
行わなかった場合、再度IAMユーザーを作成する必要があります。
ダウンロードしたファイル( credentials.csv )の内容は、以下のようなカンマ区切りの文字列になります。
User name,Password,Access key ID,Secret access key,Console login link
user,pass,AWS123,asdfghjkl,https://***.signin.aws.amazon.com/console
この例の場合、Access key IDの値は AWS123
で、Secret access keyの値は asdfghjkl
です。
3.1.3. AWSマネジメントコンソールにログイン
credentials.csvの Console login link のリンクにアクセスし、作成したIAMユーザーでAWSマネジメントコンソールにログインします。
ユーザー名とパスワードも credential.csv に記載されているものを使用してください。
ログインすると初回はパスワードの変更を求められますので、任意のパスワードに変更してください。
AWSマネジメントコンソールの「サービスを検索する」欄に「IoT Core」と入力し、表示されたIoT CoreをクリックしてAWS IoT Coreにアクセスしてください。
温度監視システムのインストールディスクイメージをダウンロードしてください。
インストールディスクイメージのダウンロード
次にダウンロードしたインストールディスクイメージをmicroSDカードに書き込みます。
microSDカードをPCに接続してください。
PCのOS毎に書き込み方法が異なりますので、該当の項目を参考に書き込んでください。
インストールディスクの第1パーティションには、本アプリケーションが動作するための設定を記入するファイルが格納されています。
本手順ではそれらの設定ファイルの編集方法について説明します。
Armadiilo-610がAWSにアクセスするためのファイルを配置します。
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インストールディスクイメージが書き込まれたmicroSDカードをPCに接続
「ファイル」から「1.1GB ボリューム」をクリック
etc/a610-thermometer/ に「IAMユーザー作成完了」でダウンロードした credentials.csv をコピーします。
3.1.6.2. 温度監視システム初期設定ファイルの編集
本アプリケーションが動作する際の初期設定値の編集を行います。
なお、ダウンロード頂いたインストールディスクイメージ内には最初から初期設定値が設定されているため、初期設定値を変更しない場合は本手順を行う必要はありませんので、「microSDカードの取り外し」に進んでください。
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「ファイル」から「1.1GB ボリューム」をクリック
etc/a610-thermometer/parameter.json をテキストエディタで開きます
以下の4項目を編集します
以下は編集例です
3.1.6.3. アラーム配信先メールアドレスの設定
本アプリケーションでは、アラームが発報された際に、AWSからアラームを知らせるメールを受け取ることができます。
そのメールの送り先は以下の手順で設定することができます。
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「ファイル」から「1.1GB ボリューム」をクリック
etc/a610-thermometer/mail_address_list をテキストエディタで開きます
メールを送るアドレスに打ち間違いのないよう入力して保存してください
各メールアドレス間は改行で区切ってください
以下は編集例です
本手順は、AWL13を使用する場合のみ行ってください。
AWL13が接続するネットワークの設定を行います。
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「ファイル」から「1.1GB ボリューム」をクリック
etc/network/interfaces をテキストエディタで開きます
以下の例のように PASSWORD 、 SSID をそれぞれお使いの無線LANアクセスポイントのものに設定し、保存してください
microSDカードの2つのボリュームをアンマウントしてから、PCからmicroSDカードを抜いてください。
以上で起動前の設定ファイルの書き込みは完了です。
作成したインストールディスクをSDインターフェース(Armadillo-610: CON1)に接続し、拡張ボードのJP1をショートに設定して電源を投入してください。
Armadilloへのソフトウェアのインストールが開始されます。
インストールには数分間かかります。
インストールの進捗は、Armadillo-610の黄色LEDの状態で確認することが出来ます。
インストールの進捗とLEDの状態の関係は以下の表の通りです。
黄色LEDが点滅から点灯に変わり、インストールが完了したらACアダプタを抜いてください。
JP1をオープンに設定し、microSDカードを取り外してください。
以下の接続図を参考に、Groveインターフェース(Armadillo-610 拡張ボード: CON8)にGrove 温湿度センサを、スピーカーをオーディオインターフェース(Armadillo-610 拡張ボード: CON13D)を接続し、電源を投入してください。
有線でネットワークに接続する場合は、LANインターフェース(Armadillo-610 拡張ボード: CON2)にEthernetケーブルを、無線の場合は、WLANインターフェース(Armadillo-610 拡張ボード: CON18)にAWL13を接続してください。両方を同時に接続した場合は無線が優先されます。
回転灯は2章用意するもので紹介した製品以外でも、以下の規格を満たすものであれば上記の図のように接続することで動作します。
電源投入後Linuxの起動が完了するまで15秒ほどかかります。
AWL13を接続している場合はさらに起動に時間がかかる場合があります。
Linux起動後に自動でアプリケーションが起動します。
初回起動のみAWSのセットアップに1分ほど時間がかかります。
セットアップ後は5秒毎に温度センサから現在の温度を取得し始めます。
取得した温度が30℃を上回るとスピーカーから警告音が鳴ります。
取得した温度が29℃(= 30℃ - ヒステリシス1℃)を下回ると警告音が止まります。
拡張ボード上の緑LEDがシステムの稼働状況インジケータとなっています。稼働状況と緑LEDの関係は以下の表の通りです。