第3章 Armadillo-800 EVAボード: エラッタ

3.2. 製品リビジョンB

製品リビジョンBに該当するエラッタです。エラッタの詳細については各項目を参照してください。

3.3. A800-EVA-ERRATUM #1: HDMIモニター接続時、液晶画面が正常に表示されない

3.3.1. 詳細内容

電源が入ったHDMIモニターをArmadillo-800 EVAに接続した状態で、Armadillo-800 EVAの電源(+5V)を投入すると、Armadillo-800 EVA付属の液晶モジュール(AMPIRE社製: AM-800480L1TMQW-T00H)の画面が正常に表示されない場合があります。正常に表示されなかった場合、液晶画面は次のような状態になります。

  • 画面中央より左半分または右半分が白色表示となり、残りの部分は正常に表示される。

  • 表示が上下反転されて表示される。

Armadillo-800 EVAの電源(+5V)が切断されている時、HDMIモニターからHDMI端子の+5V出力ピン経由でArmadillo-800 EVAに微弱な電圧が流れ込み、流れ込んだ電圧により+3.3VスイッチングレギュレータICが約+1Vのリップル電圧を出力します。この状態でArmadillo-800 EVAの電源(+5V)を投入すると、液晶モジュールの電源シーケンスを守ることができず、液晶モジュールの動作が不安定となります。

液晶画面が正常に表示されなかった場合、Armadillo-800 EVAの電源(+5V)を切断するまで、本現象は改善しません。

3.3.2. 影響範囲

以下のリビジョンで本現象が発生します。

製品リビジョンA、B

3.3.3. 対応方法

本現象を発生させないようにするには、次の2通りの対策があります。

  • Armadillo-800 EVAのHDMI端子からHDMIケーブルを切り離した状態でArmadillo-800 EVAの電源を投入する。

  • HDMIモニターの電源をOFFにした状態でArmadillo-800 EVAの電源を投入する。

3.3.4. 修正予定/状態

本問題の修正予定はありません。

3.3.5. 備考

特にありません。

3.4. A800-EVA-ERRATUM #2: HDMIの信号線 CECにHDMI規格を超えた電圧が印加される

3.4.1. 詳細内容

HDMIの信号線 CECが本来、3.3Vでプルアップされるべきところ、5Vでプルアップされています。

このため、HDMIケーブルで接続される外部機器(ディスプレイモニタなど)のCECにHDMI規格を超えた電圧(5V)が印加され、最悪の場合には外部機器の故障を引き起こす可能性があります。

HDMIの信号線CEC周辺回路
HDMIの信号線CEC周辺回路

図3.1 HDMIの信号線CEC周辺回路


3.4.2. 影響範囲

以下のリビジョンで本現象が発生します。

製品リビジョンA

3.4.3. 対応方法

過電圧が印加されないように下記の部品を取り除いてください。

  • R35

CECを使用した外部機器では誤動作の可能性があるため、下記部品を取り除くことを推奨します。

  • Q3

  • D11

取り除く部品の位置

図3.2 取り除く部品の位置


3.4.4. 修正予定/状態

製品リビジョンBで下記のように修正済みです。

  • R35、Q3、D11を未実装にする。

3.4.5. 備考

ご返送いただければ、弊社にて改修を行います。詳細につきましては弊社ホームページのニュース『Armadillo-800 EVA評価セット』ご購入のお客様へ ~Armadillo-800 EVA回路不具合のお知らせと改修のお願い~をご参照ください。

Armadillo-800 EVAでは、本エラッタによりHDMIの信号線 CECを評価できませんが、改造することによりCECを評価することが可能になります。評価するための手法は今後、Armadilloサイトにて公開する予定です。

3.5. A800-EVA-ERRATUM #3: FLASH_TXD端子がプルダウンされていない

3.5.1. 詳細内容

「アンテナ内蔵 IEEE802.11b/g/n(1x1) Wireless LAN Module BP3591 ハードウェア仕様書 Version 1.0.2」ドキュメントにおいて「フラッシュブート未使用時は FLASH_TXD 端子(21PIN)に 47kΩのプルダウン抵抗を接続して下さい。フラッシュブート使用時は FLASH_TXD 端子(21PIN)及びFLASH_RXD 端子(18PIN)にプルダウン抵抗は、必要な場合接続して下さい。」との記載(以下、「本端子処理」と呼びます)が追加され、「参考回路図」に訂正が入りましたが、Armadillo-800 EVAボード 製品リビジョンA、BのFLASH_TXDは本端子処理がなされておりません。

3.5.2. 影響範囲

本Erratumは以下のリビジョンに影響します。

製品リビジョンA、B

3.5.3. 対応方法

AWL13(BP3591)ファームウェアv4.3.2以降で、本端子処理がなされていない基板上での安全性を確保する対策が施されています。Armadillo-800 EVAボード 製品リビジョンA、Bを使用する場合、ファームウェアv4.3.2以降を用いるようソフトウェアを変更してください。

Armadillo-800 EVAボード 製品リビジョンA、Bを参考にお客様ご自身で基板設計される場合、FLASH_TXDについて本端子処理を追加することを推奨いたします。本端子処理を行っていない状態でArmadillo-WLANモジュールを使用する場合、ファームウェアv4.3.2以降を用いるようソフトウェアを変更してください。

3.5.4. 修正予定/状態

Debian GNU/Linux 6.0 ルートファイルシステムアーカイブ v20120727、awl13-firmware パッケージ v4.3.2 にて、AWL13 ファームウェア v4.3.2を使うよう修正済みです

3.5.5. 備考

特にありません。