第3章 システム概要

ソフトウェアの開発を開始する前に、本章ではシステム概要について解説します。

3.1. Armadillo-400 シリーズ基本仕様

Armadillo-400 シリーズの標準状態[5]での基本仕様を表3.1「Armadillo-400 シリーズ基本仕様」に示します。また、Armadillo-420とArmadillo-440のブロック図を図3.1「Armadillo-420/440 ブロック図」に、Armadillo-460のブロック図を図3.2「Armadillo-460 ブロック図」に示します。

表3.1 Armadillo-400 シリーズ基本仕様

 Armadillo-420Armadillo-440Armadillo-460

プロセッサ

Freescale i.MX257 (ARM926EJ-S)

命令/データキャッシュ 16KByte/16KByte

内部 SRAM 128KByte

システムクロック

CPU コアクロック:400MHz

BUS クロック:133MHz

RAM

LPDDR SDRAM:64MByte (16bit幅)

LPDDR SDRAM:128MByte (16bit幅)

ROM

NOR フラッシュメモリ:16MByte (16bit幅)

NOR フラッシュメモリ:32MByte (16bit幅)

シリアル

RS232C レベル×1 ポート

フロー制御ピン有り (フルモデム)

最大 230.4 kbps

RS232C レベル×2 ポート

フロー制御ピン有り (フルモデム1ポート)

最大 230.4 kbps

3.3V I/O レベル×2 ポート

フロー制御ピン無し

最大 4Mbps

USB 2.0 ホスト

High Speed×1 ポート

Full Speed×1 ポート

LAN

10BASE-T/100BASE-TX×1 ポート

ストレージ

microSD×1

4bit幅、最大 208Mbps

SD×1

4bit幅、最大 208Mbps

GPIO

3.3V I/O レベル×18 ピン

プログラマブル LED

赤×1、緑×1、黄×1

ボタン

タクトスイッチ×1

タクトスイッチ×1

リセットスイッチ×1


Armadillo-420/440 ブロック図

図3.1 Armadillo-420/440 ブロック図


Armadillo-460 ブロック図

図3.2 Armadillo-460 ブロック図


3.2. Armadillo-420 ベーシックモデル基本仕様

Armadillo-420 ベーシックモデルは、Armadillo-420 に Armadillo-400シリーズ RTC オプションモジュールを接続したモデルです。RTC オプションモジュールの基本仕様を、表3.2「RTCオプションモジュール基本仕様」に示します。

表3.2 RTCオプションモジュール基本仕様

 Armadillo-400シリーズ RTC オプションモジュール

リアルタイムクロック

電源切断後も一定時間動作可能


[ティップ]

リアルタイムクロックのバックアップ時間は、RTCオプションモジュールの型番によって異なります。また、外部バッテリを接続することで長時間電源が切断されても時刻データを保持させることが可能です。詳細な仕様については「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

Armadillo-420 ベーシックモデルの見取り図を図3.3「Armadillo-420 ベーシックモデル見取り図」に示します。また、標準イメージにおける、Linuxカーネル起動後の拡張インターフェース(CON9 および CON14)の各ピンの状態を表3.3「Armadillo-420 ベーシックモデル拡張インターフェースデフォルト状態」に示します[6]。各インターフェースの配置場所等を確認してください。

Armadillo-420 ベーシックモデル見取り図

図3.3 Armadillo-420 ベーシックモデル見取り図


表3.3 Armadillo-420 ベーシックモデル拡張インターフェースデフォルト状態

ピン番号機能Input/OutputOpen DrainPull/Keeper[a]Slew RateDrive Strength
CON14 1[b]+3.3V_IOPower----
CON14 2GNDPower----
CON14 3I2C2_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PU[c]SlowStd.
CON14 4I2C2_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PU[c]SlowStd.
CON9 1GPIO3_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 2GPIO3_14InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 3シリアルインターフェース2 UART3_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 4シリアルインターフェース3 UART5_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 5シリアルインターフェース2 UART3_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 6シリアルインターフェース3 UART5_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 7+3.3V_IOPower----
CON9 8+3.3V_IOPower----
CON9 9GNDPower----
CON9 10GNDPower----
CON9 11GPIO1_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 12GPIO1_29InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 13GPIO1_18InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 14GPIO1_30InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 15GPIO1_7InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 16GPIO1_31InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 17GPIO4_21InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 18GPIO1_6InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 19GNDPower----
CON9 20+3.3V_IOPower----
CON9 21GPIO1_8InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 22GPIO1_9InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 23GPIO1_10InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 24GPIO1_11InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 25GPIO1_16InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 26GPIO2_22InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 27GPIO2_21Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON9 28GPIO3_15Output LowDisabledDisabledFastStd.

[a] PD=プルダウン、PU=プルアップ。

[b] RTCオプションモジュールのCON1 1ピンに接続。以下、CON14 4まで、RTCオプションモジュールと接続されます。

[c] RTCオプションモジュールで1kΩ PU。


[ティップ]

シリアルインターフェース 2 と 3 は +3.3V IO レベルとなっています。オプション[7]の RS232C レベル変換アダプタを使用することで、RS232C レベルで使用することができます。

RS232C レベル変換アダプタは、シリアルインターフェース 2 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピン (黄色または緑に着色されたケーブル)と CON9 1 ピンが合うように、シリアルインターフェース 3 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピンと CON9 2 ピンが合うように接続してください。

3.3. Armadillo-420 WLANモデル基本仕様

Armadillo-420 WLANモデルは、Armadillo-420 に Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュールを接続したモデルです。WLAN オプションモジュールの基本仕様を、表3.4「WLANオプションモジュール基本仕様」に示します。

表3.4 WLANオプションモジュール基本仕様

 Armadillo-400シリーズ WLANオプションモジュール

無線LAN規格

IEEE802.11b, IEEE802.11g, IEEE802.11i

送受信周波数

2400MHz ~ 2483.5MHz(ch1 ~ 13)

アクセス方式

CSMA/CA

アクセスモード

インフラストラクチャ/アドホック

セキュリティ方式

64bit/128bit WEP, TKIP, AES

リアルタイムクロック

電源切断後も一定時間動作可能


[ティップ]

リアルタイムクロックは、外部バッテリを接続することで長時間電源が切断されても時刻データを保持させることが可能です。詳細な仕様については「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

Armadillo-420 WLANモデルの見取り図を図3.4「Armadillo-420 WLANモデル見取り図」に示します。また、標準イメージにおける、Linuxカーネル起動後の拡張インターフェース(CON9 および CON14)の各ピンの状態を表3.5「Armadillo-420 WLANモデル拡張インターフェースデフォルト状態」に示します[8]。各インターフェースの配置場所等を確認してください。

Armadillo-420 WLANモデル見取り図

図3.4 Armadillo-420 WLANモデル見取り図


表3.5 Armadillo-420 WLANモデル拡張インターフェースデフォルト状態

ピン番号機能Input/OutputOpen DrainPull/Keeper[a]Slew RateDrive Strength
CON14 1[b]+3.3V_IOPower----
CON14 2GNDPower----
CON14 3I2C2_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PU[c]SlowStd.
CON14 4I2C2_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PU[c]SlowStd.
CON9 1SDHC2_PWREN(GPIO3_17)OutputDisabled100kΩ PU[d]SlowStd.
CON9 2RTC_INT1(GPIO3_14)InputDisabled22kΩ PUSlowStd.
CON9 3GPIO1_14[e]InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 4シリアルインターフェース3 UART5_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 5GPIO1_15[e]InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 6シリアルインターフェース3 UART5_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 7+3.3V_IOPower----
CON9 8+3.3V_IOPower----
CON9 9GNDPower----
CON9 10GNDPower----
CON9 11GPIO1_17[e]InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 12GPIO1_29[e]InputDisabled100kΩ PUSlowHigh
CON9 13GPIO1_18[e]InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 14GPIO1_30[e]InputDisabled100kΩ PUSlowHigh
CON9 15SDHC2_WP(GPIO1_7)InputDisabled100kΩ PU[f]SlowHigh
CON9 16SDHC2_CMDInput/OutputDisabledDisabled[g]FastHigh
CON9 17SDHC2_CD(GPIO4_21)InputDisabled100kΩ PU[f]SlowHigh
CON9 18SDHC2_CLKOutputDisabledDisabledFastHigh
CON9 19GNDPower----
CON9 20+3.3V_IOPower----
CON9 21SDHC2_DATA0Input/OutputDisabledDisabled[g]FastHigh
CON9 22SDHC2_DATA1Input/OutputDisabledDisabled[g]FastHigh
CON9 23SDHC2_DATA2Input/OutputDisabledDisabled[g]FastHigh
CON9 24SDHC2_DATA3Input/OutputDisabledDisabled[g]FastHigh
CON9 25GPIO1_16InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 26GPIO2_22InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 27GPIO2_21Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON9 28GPIO3_15Output LowDisabledDisabledFastStd.

[a] PD=プルダウン、PU=プルアップ

[b] WLANオプションモジュールのCON1 1ピンに接続。以下、CON9 24まで、WLANオプションモジュールと接続されます。

[c] WLANオプションモジュールで1kΩ PU。

[d] WLANオプションモジュールで1kΩ PD。

[e] WLANオプションモジュールでは未使用。

[f] WLANオプションモジュールで10kΩ PD。

[g] WLANオプションモジュールで47kΩ PU。


[警告]

CON9 2 ピンは linux-2.6.26-at12 (linux-a400-wlan-1.05.bin.gz) ではRTCアラーム割り込みに非対応であったため、デフォルトで GPIO として使用していました。linux-2.6.26-at13 (linux-a400-wlan-1.06.bin.gz) 以降では、デフォルトの設定で RTC INT として使用するよう変更されました。CON9 2 ピンをご利用になる際は、デフォルトの設定が変更されているためご注意ください。

3.4. Armadillo-440 液晶モデル基本仕様

Armadillo-440 液晶モデルは、Armadillo-440 に Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボードを接続したモデルです。拡張ボードの基本仕様を、表3.6「拡張ボード基本仕様」に示します。

表3.6 拡張ボード基本仕様

 Armadillo-400シリーズ LCD拡張ボード

オーディオ

Playback(ステレオ) / Capture(モノラル)

LCD

解像度 480 × 272 ピクセル

RGB 565 カラー

タッチスクリーン

4 線抵抗膜式

リアルタイムクロック

電源切断後も一定時間動作可能

ボタン

タクトスイッチ×3


[ティップ]

リアルタイムクロックのバックアップ時間は、LCD拡張ボードの製品リビジョンによって異なります。また、外部バッテリを接続することで長時間電源が切断されても時刻データを保持させることが可能です。詳細な仕様については「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

Armadillo-440 液晶モデルの見取り図を図3.5「Armadillo-440 液晶モデル見取り図」に示します。また、標準イメージにおける、Linuxカーネル起動後の拡張インターフェース(CON9、CON11 および CON14)の各ピンの状態を表3.7「Armadillo-440 液晶モデル拡張インターフェースデフォルト状態」に示します[9]。各インターフェースの配置場所等を確認してください。

Armadillo-440 液晶モデル見取り図

図3.5 Armadillo-440 液晶モデル見取り図


表3.7 Armadillo-440 液晶モデル拡張インターフェースデフォルト状態

ピン番号機能Input/OutputOpen DrainPull/Keeper[a]Slew RateDrive Strength
CON14 1+3.3V_IOPower----
CON14 2GNDPower----
CON14 3I2C2_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON14 4I2C2_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON9 1GPIO3_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 2GPIO3_14InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 3シリアルインターフェース2 UART3_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 4シリアルインターフェース3 UART5_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 5シリアルインターフェース2 UART3_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 6シリアルインターフェース3 UART5_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 7+3.3V_IOPower----
CON9 8+3.3V_IOPower----
CON9 9GNDPower----
CON9 10GNDPower----
CON9 11GPIO1_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 12GPIO1_29InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 13GPIO1_18InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 14GPIO1_30InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 15GPIO1_7InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 16GPIO1_31InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 17GPIO4_21InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 18GPIO1_6InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 19GNDPower----
CON9 20+3.3V_IOPower----
CON9 21GPIO1_8InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 22GPIO1_9InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 23GPIO1_10InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 24GPIO1_11InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 25GPIO1_16InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 26GPIO2_22InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 27GPIO2_21Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON9 28GPIO3_15Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON11 1[b]VINPower----
CON11 2VINPower----
CON11 3VINPower----
CON11 4+3.3V_IOPower----
CON11 5+3.3V_IOPower----
CON11 6GNDPower----
CON11 7GNDPower----
CON11 8LCDC_LSCLKOutputDisabledDisabled[c]FastStd.
CON11 9LCDC_HSYNCOutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 10LCDC_VSYNCOutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 11LCDC_OE_ACDOutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 12PWM1_PWMOOutputDisabled100kΩ PU[c][d]SlowStd.
CON11 13LCDC_LD0OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 14LCDC_LD1OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 15LCDC_LD2OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 16LCDC_LD3OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 17LCDC_LD4OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 18LCDC_LD5OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 19GNDPower----
CON11 20LCDC_LD6OutputDisabledDisabled[e]SlowStd.
CON11 21LCDC_LD7OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 22LCDC_LD8OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 23LCDC_LD9OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 24LCDC_LD10OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 25LCDC_LD11OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 26GNDPower----
CON11 27LCDC_LD12OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 28LCDC_LD13OutputDisabledDisabled[c]SlowStd.
CON11 29LCDC_LD14OutputDisabledDisabled[e]SlowStd.
CON11 30LCDC_LD15OutputDisabledDisabled[e]SlowStd.
CON11 31LCDC_LD16OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 32LCDC_LD17OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 33GNDPower----
CON11 34ADC_XPAnalog Input----
CON11 35ADC_XNAnalog Input----
CON11 36ADC_YPAnalog Input----
CON11 37ADC_YNAnalog Input----
CON11 38GNDPower----
CON11 39LCD_SW1(GPIO2_20)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 40LCD_SW2(GPIO2_29)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 41LCD_SW3(GPIO2_30)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 42AUD5_RXCOutputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 43AUD5_RXFS[f]InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 44AUD5_TXDOutputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 45AUD5_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 46AUD5_TXCOutputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 47AUD5_TXFSOutputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 48I2C3_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PU[d]SlowStd.
CON11 49I2C3_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PU[d]SlowStd.
CON11 50GNDPower----

[a] PD=プルダウン、PU=プルアップ。

[b] LCD拡張ボードのCON1 50に接続。以下、CON11 50までLCD拡張ボードと接続されます。

[c] Armadillo-440基板上で47kΩ PD。

[d] LCD拡張ボード上で1kΩ PU。

[e] Armadillo-440基板上で47kΩ PU。

[f] LCD拡張ボードでは未使用。


[ティップ]

シリアルインターフェース 2 と 3 は +3.3V IO レベルとなっています。オプション[10]の RS232C レベル変換アダプタを使用することで、RS232C レベルで使用することができます。

RS232C レベル変換アダプタは、シリアルインターフェース 2 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピン (黄色または緑に着色されたケーブル)と CON9 1 ピンが合うように、シリアルインターフェース 3 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピンと CON9 2 ピンが合うように接続してください。

[警告]

CON14 3 と CON14 4 ピンは linux-2.6.26-at7 (linux-a400-1.00.bin.gz) では デフォルトで GPIO として使用していました。linux-2.6.26-at8 (linux-a400-1.01.bin.gz) 以降では、デフォルトの設定で I2C2 として使用するよう変更されました。CON14 3 と CON14 4 ピンをご利用になる際は、デフォルトの設定が変更されているためご注意ください。

3.5. Armadillo-460 ベーシックモデル基本仕様

Armadillo-460 ベーシックモデルは、Armadillo-460 の単体モデルです。

Armadillo-460 ベーシックモデルの見取り図を図3.6「Armadillo-460 ベーシックモデル見取り図」に示します。また、標準イメージにおける、Linuxカーネル起動後の拡張インターフェース(CON9、CON11 および CON14)の各ピンの状態を表3.8「Armadillo-460 ベーシックモデル拡張インターフェースデフォルト状態」に示します[11]。各インターフェースの配置場所等を確認してください。なお、標準イメージでは、拡張バスインターフェース(J1及びJ2)は PC/104 拡張バス互換モードとなります。PC/104 拡張バス互換モード時の拡張バスインターフェースの信号配列は、「Armadillo-400 シリーズハードウェアマニュアル」をご参照ください。

Armadillo-460 ベーシックモデル見取り図

図3.6 Armadillo-460 ベーシックモデル見取り図


表3.8 Armadillo-460 ベーシックモデル拡張インターフェースデフォルト状態

ピン番号機能Input/OutputOpen DrainPull/Keeper[a]Slew RateDrive Strength
CON14 1+3.3V_IOPower----
CON14 2GNDPower----
CON14 3I2C2_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON14 4I2C2_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON9 1GPIO3_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 2GPIO3_14InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 3シリアルインターフェース2 UART3_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 4シリアルインターフェース3 UART5_RXDInputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 5シリアルインターフェース2 UART3_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 6シリアルインターフェース3 UART5_TXDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON9 7+3.3V_IOPower----
CON9 8+3.3V_IOPower----
CON9 9GNDPower----
CON9 10GNDPower----
CON9 11GPIO1_17InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 12GPIO1_29InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 13GPIO1_18InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 14GPIO1_30InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 15GPIO1_7InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 16GPIO1_31InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 17GPIO4_21InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 18GPIO1_6InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 19GNDPower----
CON9 20+3.3V_IOPower----
CON9 21GPIO1_8InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 22GPIO1_9InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 23GPIO1_10InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 24GPIO1_11InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 25GPIO1_16InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 26GPIO2_22InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON9 27GPIO2_21Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON9 28GPIO3_15Output LowDisabledDisabledFastStd.
CON11 1VINPower----
CON11 2VINPower----
CON11 3VINPower----
CON11 4+3.3V_IOPower----
CON11 5+3.3V_IOPower----
CON11 6GNDPower----
CON11 7GNDPower----
CON11 8LCDC_LSCLKOutputDisabledDisabledFastStd.
CON11 9LCDC_HSYNCOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 10LCDC_VSYNCOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 11LCDC_OE_ACDOutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 12PWM1_PWMOOutputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 13LCDC_LD0OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 14LCDC_LD1OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 15LCDC_LD2OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 16LCDC_LD3OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 17LCDC_LD4OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 18LCDC_LD5OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 19GNDPower----
CON11 20LCDC_LD6OutputDisabledDisabled[b]SlowStd.
CON11 21LCDC_LD7OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 22LCDC_LD8OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 23LCDC_LD9OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 24LCDC_LD10OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 25LCDC_LD11OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 26GNDPower----
CON11 27LCDC_LD12OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 28LCDC_LD13OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 29LCDC_LD14OutputDisabledDisabled[b]SlowStd.
CON11 30LCDC_LD15OutputDisabledDisabled[b]SlowStd.
CON11 31LCDC_LD16OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 32LCDC_LD17OutputDisabledDisabledSlowStd.
CON11 33GNDPower----
CON11 34ADC_XPAnalog Input----
CON11 35ADC_XNAnalog Input----
CON11 36ADC_YPAnalog Input----
CON11 37ADC_YNAnalog Input----
CON11 38GNDPower----
CON11 39LCD_SW1(GPIO2_20)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 40LCD_SW2(GPIO2_29)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 41LCD_SW3(GPIO2_30)InputDisabled47kΩ PUSlowStd.
CON11 42GPIO2_31InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 43GPIO3_0InputDisabled100kΩ PUSlowStd.
CON11 44N.C.[c]-----
CON11 45N.C.[d]-----
CON11 46N.C.[e]-----
CON11 47N.C.[f]-----
CON11 48I2C3_SCLInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON11 49I2C3_SDAInput/OutputEnabled22kΩ PUSlowStd.
CON11 50GNDPower----

[a] PD=プルダウン、PU=プルアップ。

[b] Armadillo-440基板上で47kΩ PU。

[c] CPLDレジスタのExt I/F Control Registerを変更することで、i.MX257のAUD5_TXD/UART4_RXDに接続可能。

[d] CPLDレジスタのExt I/F Control Registerを変更することで、i.MX257のAUD5_RXD/UART4_TXDに接続可能。

[e] CPLDレジスタのExt I/F Control Registerを変更することで、i.MX257のAUD5_TXC/UART4_RTSに接続可能。

[f] CPLDレジスタのExt I/F Control Registerを変更することで、i.MX257のAUD5_TXFS/UART4_CTSに接続可能。


[ティップ]

シリアルインターフェース 2 と 3 は +3.3V IO レベルとなっています。オプション[12]の RS232C レベル変換アダプタを使用することで、RS232C レベルで使用することができます。

RS232C レベル変換アダプタは、シリアルインターフェース 2 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピン (黄色または緑に着色されたケーブル)と CON9 1 ピンが合うように、シリアルインターフェース 3 に接続する場合は、RS232C レベル変換アダプタの 1 番ピンと CON9 2 ピンが合うように接続してください。

3.6. メモリマップ

Armadillo-400 シリーズは、標準で表3.9「Armadillo-420 フラッシュメモリ メモリマップ」表3.10「Armadillo-440/460 フラッシュメモリ メモリマップ」に示すようにフラッシュメモリを分割して使用します。

表3.9 Armadillo-420 フラッシュメモリ メモリマップ

物理アドレスリージョン名サイズ説明

0xa0000000

0xa001ffff

bootloader128KB

ブートローダーイメージを格納します

0xa0020000

0xa021ffff

kernel2MB

カーネルイメージを格納します

0xa0220000

0xa0fdffff

userland13.75MB

ユーザーランドイメージを格納します

0xa0fe0000

0xa0ffffff

config128KB

設定情報を保存します


表3.10 Armadillo-440/460 フラッシュメモリ メモリマップ

物理アドレスリージョン名サイズ説明

0xa0000000

0xa001ffff

bootloader128KB

ブートローダーイメージを格納します

0xa0020000

0xa021ffff

kernel2MB

カーネルイメージを格納します

0xa0220000

0xa1fdffff

userland29.75MB

ユーザーランドイメージを格納します

0xa1fe0000

0xa1ffffff

config128KB

設定情報を保存します


3.7. ソフトウェア構成

Armadillo-400 シリーズでは、以下のソフトウェアによって動作します。

3.7.1. ブートローダー

ブートローダーは、電源投入後に最初に動作するソフトウェアです。Armadillo-400 シリーズでは Hermit-At ブートローダー (以降、単に Hermit-At と記述します) を使用します。

Hermit-At にはオートブートモードと保守モードの2つの動作モードがあります。オートブートモードでは、あらかじめ指定された場所からカーネルイメージを RAM 上にロードし、カーネルをブートします。保守モードでは、フラッシュメモリの更新、ブートオプションの設定などを行います。詳しくは、付録A Hermit-At ブートローダーを参照してください。

ブートローダーは、必ずフラッシュメモリのブートローダーリージョンに書き込まれている必要があります。

3.7.2. カーネル

Armadillo-400 シリーズでは、標準のカーネルとして Linux 2.6 系を使用します。

標準ではカーネルイメージはフラッシュメモリのカーネルリージョンに配置されます。カーネルイメージは、Hermit-At のブートオプションを変更することで、ストレージ(microSD/SD)または TFTP サーバー上にも配置することができます。

3.7.3. ユーザーランド

Armadillo-400 シリーズでは、標準のユーザーランドのルートファイルシステムは Atmark-Dist と呼ばれるソースコードベースのディストリビューションから作成した initrd[13] イメージを使用します。

また、標準ユーザーランドの他に、オプションとして Debian GNU/Linux ベースのユーザーランドも提供しています。

標準では initrd イメージはフラッシュメモリのユーザーランドリージョンに配置され、Hermit-At によって RAM disk に展開されます。initrd イメージは、 Hermit-At のブートオプションを変更することで、TFTP サーバー上にも配置することができます。

ルートファイルシステムは、カーネルパラメータを設定することで、RAM disk 以外にストレージ (microSD/SD/USB) または NFS サーバー[14]上に配置することもできます。

カーネルとユーザーランドをフラッシュメモリ以外に配置する方法については、8章カーネル/ユーザーランドの配置で詳しく説明します。

3.7.4. ダウンローダー

Armadillo の内蔵フラッシュメモリを書き換えるために、作業用 PC で動作するアプリケーションです。

Linux PC 上で動作するダウンローダーには Hermit-At ダウンローダーと Shoehorn-At があります。Hermit-At ダウンローダーは、ターゲットとなる Armadillo と協調動作を行い、Armadillo の内蔵フラッシュメモリを書き換えることができます。Shoehorn-At は、ブートローダーの復旧に使用します。

Windows PC 上で動作するダウンローダーは、Hermit-At Win32 と呼びます。 Hermit-At Win32 は、ターゲットとなる Armadillo の内蔵フラッシュメモリを書き換える機能と、ブートローダーを復旧するための機能を両方有しています。

3.8. ブートモード

Armadillo-400 シリーズは、JP1の設定によってオンボードフラッシュメモリブートモードと、UART ブートモードを選択することができます。

オンボードフラッシュメモリブートモードでは、フラッシュメモリのブートローダーリージョンに配置されたブートローダーが起動されます。

標準のブートローダーである Hermit-At では、JP2 の設定によって自動でカーネルをブートするオートブートモードか、各種設定を行うための保守モードを選択することができます。

なお、JP2 の設定によってオートブートモードが選択されている場合でも、起動時に SW1 が押下されている時は Hermit-At のオートブートキャンセル機能により保守モードで起動します。

UART ブートモードは、フラッシュメモリのブートローダーが壊れた場合など、システム復旧のために使用します。詳しくは、「ブートローダーを出荷状態に戻す」 を参照してください。

Armadillo-400 シリーズの各ジャンパ設定でのブートモードを表3.11「ジャンパの設定」に示します。

表3.11 ジャンパの設定

JP1JP2ブートモード
オープンオープンオンボードフラッシュメモリブート/オートブートモード
オープンショートオンボードフラッシュメモリブート/保守モード
ショート-UART ブートモード

[ティップ]ジャンパのオープン、ショートとは

「オープン」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続していない状態です。

「ショート」とはジャンパピンにジャンパソケットを接続している状態です。



[5] Armadillo-400 シリーズは IO ピンのマルチプレクスにより機能を変更することができます。詳しくは、「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」及び9章Linux カーネルデバイスドライバー仕様をご参照ください。

[6] Linuxカーネル起動以前の状態に関しては、「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

[7] RS232C レベル変換アダプタはオプション品としてご購入いただけます。また、開発セットには付属しています。

[8] Linuxカーネル起動以前の状態に関しては、「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

[9] Linuxカーネル起動以前の状態に関しては、「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

[10] RS232C レベル変換アダプタはオプション品としてご購入いただけます。また、開発セットには付属しています。

[11] Linuxカーネル起動以前の状態に関しては、「Armadillo-400 シリーズ ハードウェアマニュアル」をご参照ください。

[12] RS232C レベル変換アダプタはオプション品としてご購入いただけます。また、開発セットには付属しています。

[13] initial RAM disk。一般的な Linux システムでは、initrd は HDD などにあるルートファイルシステムをマウントする前に一時的に使用する「ミニ」ルートファイルシステムとして使用されます。Armadillo-400 シリーズでは、initrd をそのままルートファイルシステムとして使用します。

[14] カーネルでNFSサポートを有効にした場合