Armadillo-400 シリーズでは、標準ではカーネルおよびユーザーランドイメージはフラッシュメモリに配置されており、ブートローダーによってカーネルのブート前に RAM 上に展開されます。
Armadillo-400 シリーズでは、フラッシュメモリ以外の場所にもカーネルおよびユーザーランドを配置することができます。
本章では、イメージの配置方法と、イメージの配置場所を変えたときに必要となるブートオプションの設定方法について説明します。
Hermit-At ブートローダーは、TFTP サーバー上に配置されたカーネルまたはユーザーランドのイメージを取得し RAM 上に展開したあと起動する、tftpboot 機能を有しています。
tftpboot 機能を使用すると、フラッシュメモリにイメージを書くことなく起動できるため、開発の初期段階などイメージの更新が頻繁に行われる際に、効率よく作業することができます。
TFTP サーバーのルートディレクトリに、カーネルイメージとユーザーランドイメージを配置してください。
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ATDE v3.0 以降では、標準状態で TFTP サーバー (atftpd) が動作しています。/var/lib/tftpboot ディレクトリにファイルを置くことで、TFTP によるアクセスが可能になります。 |
ターゲットとなる Armadillo のジャンパを適切に設定し、保守モードで起動してください。
作業用 PC のシリアル通信ソフトウェアを使用して、コマンド[14]を入力します。
カーネルとユーザーランドのイメージは、どちらか一方だけ、もしくは両方指定できます。
TFTP サーバーの IP アドレスが 192.168.10.1、Armadillo の IP アドレスが 192.168.10.10で、カーネルイメージのファイル名が linux.bin.gz
、ユーザーランドのイメージのファイル名が romfs.img.gz
の場合、以下のようになります[]。
setbootdevice コマンドでブートデバイスを TFTP サーバーに設定した場合、設定は保存され、起動時に毎回カーネルもしくはユーザーランドイメージを TFTP サーバーから取得するようになります。
Armadillo-400 シリーズでは、カーネルイメージは microSD に、ユーザーランドのルートファイルシステムは microSD または USB メモリにも配置することができます。
ここでは、microSD にカーネルとユーザーランド両方のイメージを配置する手順を説明します。
パーティションは以下のようにします。
表7.1 microSD システムパーティション例
パーティション | ファイルシステム | サイズ | 説明 |
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/dev/mmcblk0p1 | ext2 | 32MB | 起動パーティション、カーネルイメージを配置します |
/dev/mmcblk0p2 | ext3 | 残り | ルートファイルシステムを配置します |
最初に、microSD を2つのパーティションに分けます。
microSD をスロットに挿入し[]、図7.3「パーティション分割手順」のようにしてパーティションを構成してください。
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使用する microSD カードによって仕様が異なるため、表示されるシリンダ数は手順通りとはならない場合があります。 |
次に、図7.4「ファイルシステム作成手順」のようにして、各パーティションにファイルシステムを作成します。起動パーティションは EXT2 ファイルシステムに、ルートファイルシステムパーティションは EXT3 ファイルシステムにします。
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起動パーティション(カーネルイメージを配置するパーティション)に EXT2 ファイルシステムを作成する場合は、mke2fs のオプションとして、必ず「-O none」を指定する必要があります。 |
microSD から起動する場合は、起動パーティションの /boot ディレクトリにカーネルイメージを配置する必要があります。対応しているカーネルイメージは、非圧縮カーネルイメージ(Image, linux.bin)または、圧縮イメージ(Image.gz, linux.bin.gz)のどちらかになります。
ここで説明する例では、カーネルイメージの取得に wget コマンドを使用します。wget コマンドで指定する URL は製品によって異なりますので、以下の表を参照し適宜読み替えてください。
表7.2 カーネルイメージのダウンロード先URL
製品 | URL |
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Armadillo-420 | http://download.atmark-techno.com/armadillo-420/image/linux-a400-[version] .bin.gz |
Armadillo-440 | http://download.atmark-techno.com/armadillo-440/image/linux-a400-[version] .bin.gz |
以下に Armadillo-440 での配置例を示します。
ここでは、microSD にルートファイルシステムを構築する手順について説明します。
ルートファイルシステムは、Debian/GNU Linux もしくは Atmark-Dist で作成したルートファイルシステムを使用できます。
7.2.4.1. Debian GNU/Linuxを構築する
Debian GNU/Linux を構築する場合、付属 DVD の debian ディレクトリ以下のアーカイブを使用するか、弊社ダウンロードサイトからアーカイブを取得します。これは、純粋な Debian GNU/Linuxでインストールされるファイルを分割してアーカイブ化したものとなります。これらをファイルシステム上に展開することでルートファイルシステムを構築することができます。
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ルートファイルシステムに Debian GNU/Linux を構築する場合は、パーティションの空き容量が約 1GB 以上必要です。 |
ここで説明する例では、debian アーカイブの取得に wget コマンドを使用します。wget コマンドで指定する URL は製品によって異なりますので、以下の表を参照し適宜読み替えてください。
表7.3 Debian アーカイブのダウンロード先 URL
製品 | URL |
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Armadillo-420/440 共通 | http://download.atmark-techno.com/armadillo-4x0/debian/debian-lenny-armel-#.tgz[] |
http://download.atmark-techno.com/armadillo-4x0/debian/debian-lenny-armel-a4x0.tgz |
7.2.4.2. Atmark-Dist イメージから構築する
Atmark-Dist で作成されるルートファイルシステムと同じルートファイルシステムを microSD 上に構築する方法を説明します。Debian を構築する場合に比べ、容量の少ない microSD へシステムを構築することができます。
ここで説明する例では、Atmark-Dist で作成されるルートファイルシステムの initrd イメージの取得に wget コマンドを使用します。wget コマンドで指定する URL は製品によって異なりますので、以下の表を参照し適宜読み替えてください。
表7.4 Atmark-Dist イメージのダウンロード先URL
製品 | URL |
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Armadillo-420 | http://download.atmark-techno.com/armadillo-420/image/romfs-a420-[version] .img.gz |
Armadillo-440 | http://download.atmark-techno.com/armadillo-440/image/romfs-a440-[version] .img.gz |
microSD に配置したカーネルから起動するためには、Hermit-At を使用してカーネルパラメータを設定する必要があります。
ジャンパにより起動モードを保守モードに設定し、再起動してください。
microSD のパーティション1に配置したカーネルイメージで起動するためには、図7.8「起動デバイスの指定」を実行してください。
ルートファイルシステムを microSD のパーティション2にする場合は、図7.9「ルートファイルシステム指定例」を実行してください。