第5章 各種インターフェース仕様

5.1. 各種インターフェースの配置

Armadillo-210のインターフェースの配置は次の通りです。

各種インターフェースの配置

図5.1 各種インターフェースの配置


表5.1 各種インターフェースの内容

部品番号インターフェース形状備考
CON1LANコネクタ(10BASE-T/100BASE-TX)RJ-45 
CON2シリアルインターフェース1D-Sub9ピン(オス)信号はCON3と共通
CON3シリアルインターフェース110ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON4シリアルインターフェース25ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON5パラレルインターフェース(8bit汎用入出力)10ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON6外部リセット/汎用入出力端子2ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON7電源入力コネクタDCジャック 
CON8電源入力端子2ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
CON9電源出力端子2ピン(2.54mmピッチ)コネクタ非搭載
D1ステータスLED(緑)LED 
D2ステータスLED(赤)LED 
JP1起動モード設定ジャンパ2ピン(2.54mmピッチ) 
JP2起動モード設定ジャンパ2ピン(2.54mmピッチ) 

5.2. CON1(LANコネクタ)

CON1は10BASE-T/100BASE-TXのLANインターフェースです。カテゴリ5以上のEthernetケーブルを接続することができます。通常はハブに対してストレートケーブルで接続しますが、クロスケーブルを使用して直接パソコン等の機器と接続することも可能です。さらにPower over Ethernet(IEEE802.3af)に対応しており、Power over Ethernet用給電装置を使用してEthernetケーブル経由での電源入力が可能です。(給電装置はLANコネクタの4,5番ピンペアと7,8番ピンペアを用いて給電するタイプを使用してください。)

[警告]

Power over Ethernetを使用する場合、全結線されたケーブルを使用してください。

[警告]

Power over Ethernet使用時、LANコネクタを再度挿し直したときにHUB側が受電装置確認のために通電が数秒遅れる場合がありますが動作に問題はありません。

表5.2 LAN信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1TX+Out差動のツイストペア送信出力(+)
2TX-Out差動のツイストペア送信出力(-)
3RX+In差動のツイストペア受信入力(+)
4VETH+-Power over Ethernet(IEEE802.3af)電源+
5VETH+-Power over Ethernet(IEEE802.3af)電源+
6RX-In差動のツイストペア受信入力(-)
7VETH--Power over Ethernet(IEEE802.3af)電源-
8VETH--Power over Ethernet(IEEE802.3af)電源-

5.3. CON2, CON3(シリアルインターフェース1)

CON2, CON3は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。CPU(EP9307)のUART1と接続されています。CON2とCON3はコネクタの形状とピン配置が異なりますが、シリアル信号は共通となっています。

  • 信号入出力レベル:RS232Cレベル

  • 最大データ転送レート:230.4kbps

  • フロー制御:CTS, RTS, DTR, DSR, DCD, RI

  • FIFO:送受信ともに16バイト内蔵

  • CON2はD-Sub9ピンコネクタ

  • CON3は10ピンコネクタ(2×5, 2.54mmピッチ)

表5.3 CON2信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1DCD1InEP9307のEGPIO1(Port A:1)ピンに接続
2RXD1InEP9307内蔵のUART1-RXDピンに接続
3TXD1OutEP9307内蔵のUART1-TXDピンに接続
4DTR1OutEP9307内蔵のUART1-DTRピンに接続
5GNDPower電源(GND)
6DSR1InEP9307内蔵のUART1-DSRピンに接続
7RTS1OutEP9307内蔵のUART1-RTSピンに接続
8CTS1InEP9307内蔵のUART1-CTSピンに接続
9RI1InEP9307のEGPIO0(Port A:0)ピンに接続

表5.4 CON3信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1DCD1InEP9307のEGPIO1(Port A:1)ピンに接続
2DSR1InEP9307内蔵のUART1-DSRピンに接続
3RXD1InEP9307内蔵のUART1-RXDピンに接続
4RTS1OutEP9307内蔵のUART1-RTSピンに接続
5TXD1OutEP9307内蔵のUART1-TXDピンに接続
6CTS1InEP9307内蔵のUART1-CTSピンに接続
7DTR1OutEP9307内蔵のUART1-DTRピンに接続
8RI1InEP9307のEGPIO0(Port A:0)ピンに接続
9GNDPower電源(GND)
10+3.3VPower電源(+3.3V)[a]

[a] 出力電流はCON3、CON4、CON5の合計で最大100mA。電圧精度は±5%。


5.4. CON4(シリアルインターフェース2)

CON4は非同期(調歩同期)シリアルインターフェースです。CPU(EP9307)のUART2と接続されています。

  • 信号入出力レベル:3.3V I/Oレベル

  • 最大データ転送レート:230.4kbps

  • フロー制御:なし

  • FIFO:送受信ともに16バイト内蔵

表5.5 CON4 信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1GPIOIn/OutEP9307のEGPIO2(Port A:2)ピンに接続
2RXD2InEP9307内蔵のUART2-RXDピンに接続
3TXD2OutEP9307内蔵のUART2-TXDピンに接続
4+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
5GNDPower電源(GND)

[a] 出力電流はCON3、CON4、CON5の合計で最大100mA。電圧精度は±5%。


5.5. CON5(パラレルインターフェース)

CON5は汎用入出力ポートです。CPU(EP9307)のGPIO(General Purpose I/O)と接続されています。EP9307内のGPIOレジスタ[4]を使用して制御することができます。全ポートには弱プルアップが内蔵されています。また、GPIO_0からGPIO_7は10kΩで外部プルアップされています。

[警告]

EP9307のPortB:4~7は内部回路で使用しているため、ユーザ側で設定を変更しないでください。

表5.6 CON5信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1GNDPower電源(GND)
2+3.3VPower電源(+3.3V)[a]
3GPIO_0In/Out

汎用入出力ポート0

(EP9307のEGPIO4(Port A:4)ピンに接続)

4GPIO_1In/Out

汎用入出力ポート1

(EP9307のEGPIO5(Port A:5)ピンに接続)

5GPIO_2In/Out

汎用入出力ポート2

(EP9307のEGPIO6(Port A:6)ピンに接続)

6GPIO_3In/Out

汎用入出力ポート3

(EP9307のEGPIO7(Port A:7)ピンに接続)

7GPIO_4In/Out

汎用入出力ポート4

(EP9307のEGPIO8(Port B:0)ピンに接続)

8GPIO_5In/Out

汎用入出力ポート5

(EP9307のEGPIO9(Port B:1)ピンに接続)

9GPIO_6In/Out

汎用入出力ポート6

(EP9307のEGPIO10(Port B:2)ピンに接続)

10GPIO_7In/Out

汎用入出力ポート7

(EP9307のEGPIO11(Port B:3)ピンに接続)

[a] 出力電流はCON3、CON4、CON5の合計で最大100mA。電圧精度は±5%。


 パラレルインターフェースの電気的仕様は次の通りです。

表5.7 パラレルインターフェースの電気的仕様

SymbolParameterMinTypMaxUnitConditions
VIHCMOS Input high voltage0.65×VDDIO VDDIO+0.3VVDDIO=3.3V
VILCMOS Input low voltage-0.3 0.35×VDDIOVVDDIO=3.3V
VOHCMOS Output high voltage2.8  VIOH=4mA
VOLCMOS Output low voltage  0.5VIOL=-4mA
IOHHigh level Output current  4mA 
IOLLow level Output current  -4mA 
IILInput leakage current  10.0μAVIN=VDD or GND
-Weak pull-up current 68 μA

VIN=GND

VDDIO=3.3V

(参考値)


5.6. CON6(外部リセット/汎用入出力端子)

CON6は、外部リセットICとCPU(EP9307)のGPIO(General Purpose I/O)に接続されています。 EXTINTはEP9307内のGPIOレジスタ[5]を使用して制御することができ、弱プルアップが内蔵されています。

表5.8 CON6信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1EXT_RESET*InリセットICに接続され、GNDへのショートでリセット状態[a][b]
2EXTINTIn/OutEP9307のGPIO(Port F:7)ピンに接続

[a] 他にオープンコレクタやオープンドレイン信号を入力可能。

[b] Highレベル信号は入力不可。


5.7. CON7, CON8(電源入力コネクタ)

CON7はArmadillo-210に電源を供給するDCジャックです。CON8はArmadillo-210に電源を供給する2ピンコネクタです。入力電圧範囲はDC9V~48Vです。ACアダプターのジャック形状は、外周5.5mm、ピン穴2.1mmで、図5.2「ACアダプターの極性マーク」と同じ極性マークのあるものが使用できます。Armadillo-210はDCジャックもしくはCON8からの電源入力の他に、Power over Ethernet[6]での電源入力にも対応しています。

[警告]

12Vを超える高電圧のACアダプターを使用した場合、プラグをArmadillo-210に差し込むときに接点にスパークが発生しますので、高電圧のACアダプターを使用する場合にはArmadillo-210とACアダプターを接続してからACアダプターをコンセントに挿すようにしてください。

[警告]

電源の再投入の間隔が短い場合、リセット状態が解除されず起動しない場合があります。電源の再投入には300ミリ秒以上の間隔をあけてください。

ACアダプターの極性マーク

図5.2 ACアダプターの極性マーク


表5.9 CON8信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1Power_inPower動作電源入力(DC9V~48V)
2GNDPower動作電源入力(GND)

5.8. CON9(電源出力)

CON9は外部出力電源コネクタです。ACアダプター、またはPower over Ethernetからの電源を出力します。出力電圧は供給電源電圧により決定されます。

[警告]

ACアダプター使用時のArmadillo-210総消費電流は800mA以下でご使用ください。

[警告]

Power over Ethernet使用時のArmadillo-210総消費電力は12.95W以下でご使用ください。(Armadillo-210本体の標準消費電力は約1.2Wです。)

[警告]

使用環境等により、最大定格以下でも使用できない場合がありますので、十分に確認してからご使用ください。

表5.10 CON9信号配列

ピン番号信号名I/O機   能
1Power_outPower

外部出力電源(DC9V~48V)

※Power over Ethernet時は約DC48V

2GNDPower外部出力電源(GND)

5.9. D1, D2(ステータスLED)

 D1(緑色LED)とD2(赤色LED)は、CPU(EP9307)のGPIO(General Purpose I/O)と接続されており、LED状態を制御することが可能です。(GPIO Port Eに接続されたLEDは、EP9307の内蔵ROM起動時にステータスLEDとして機能します。)

[警告]

LEDに接続されているGPIO信号は、基板リビジョンにより異なりますのでご注意ください。基板リビジョンの確認方法は「基板リビジョンの確認方法」を参照してください。

[警告]

Rev.C以降の基板では、EP9307のRDLED(PortE:1)は内部回路で使用しているため、ユーザ側で設定を変更しないでください。

【Rev.A, Rev.B】

  • D1(緑色LED)はEP9307のRDLED(Port E:1)ピンに接続されています。

  • D2(赤色LED)はEP9307のGRLED(Port E:0)ピンに接続されています。

【Rev.C以降】

  • D1(緑色LED)はEP9307のGRLED(Port E:0)ピンに接続されています。

  • D2(赤色LED)はEP9307のROW7(Port C:7)ピンに接続されています。

5.10. JP1, JP2(起動モード設定ジャンパ)

 JP1,JP2は、Armadillo-210の起動モードを変更するためのジャンパです。

5.10.1. JP1(ブートROMの選択)

起動する際に使用するデバイスを、「オンボードフラッシュメモリ」または「オンチップブートROM」から選択することができます。オープンの状態で「オンボードフラッシュメモリ」、ショートした状態で電源を投入すると「オンチップブートROM」から起動します。

5.10.2. JP2(ブートLinuxの選択)

ショートした状態で電源を投入するとブートローダ「Hermit」コマンドプロンプトを起動します。

表5.11 ジャンパの設定と動作

JP1JP2ブート時の動作
オープンオープンオンボードフラッシュメモリのLinuxカーネルを起動
オープンショートブートローダ「Hermit」コマンドプロンプトを起動
ショート-オンチップブートROMのプログラムを起動

5.11. LANコネクタLED

 LANコネクタ下部のLEDはLANの状態を表します。

表5.12 LANコネクタLEDの状態

LED名 称点   灯消   灯
緑色LINKLANケーブルが接続されており、10BASE-Tまたは100BASE-TXのリンクが確立されている。LANケーブルが接続されていないか、接続している相手の状態がActiveな状態ではない。
黄色LANデータ送受信時非データ送受信時

5.12. 電源回路の構成

 Armadillo-210内の電源回路の構成を図5.3「Armadillo-210の電源回路構成」に示します。各電流容量制限を超えないように外部機器の接続を行ってください。

Armadillo-210の電源回路構成

図5.3 Armadillo-210の電源回路構成




[4] 詳しくは、「GPIO資料」をご覧ください。

[5] 詳しくは、「GPIO資料」をご覧ください。

[6] 「Power over Ethernet(IEEE802.3af)」はLANケーブルを利用して電源を各装置に供給するための規格です。