第1章 はじめに

ATDE(Atmark Techno Development Environment)は、VMware上で動作するアットマークテクノ製品の開発環境です。Debian GNU/Linuxをベースに、開発に必要なクロスコンパイラや必要なツールが事前にインストールされています。ATDEを使うことで、開発用PCの用意やクロスコンパイラのインストールなど、開発環境の構築を容易にします。

本ガイドでは、ATDEのバージョン3について解説します。バージョン3は、VMwareのゲストOSにDebian GNU/Linux 5.0 (lenny)を採用したものです。ATDEの初期状態でインストールされているソフトウェアは以下のURLで確認することができます。

http://download.atmark-techno.com/atde/atde3-dpkg-list.txt

[警告]ATDE3とアットマークテクノ製品の対応

atde3-20100309はArmadillo-400シリーズ専用の開発環境です。Armadillo-400シリーズを除くアットマークテクノ製品の開発環境として使用すると正常に動作しない場合がありますのでご注意ください。

[ティップ]VMwareとは

WindowsまたはLinux上で任意の仮想マシンを実行できるようにするソフトウェアです。標準的なデスクトップアプリケーションと同じようにインストールでき、その後仮想マシンを別のウィンドウ内で実行できます。なお、本書では、VMware Playerを対象としています。VMware Playerについての詳しい情報は、http://www.vmware.com/jp/products/player/を参照してください。

以降では、VMware PlayerをVMPlayerと略します。

1.1. 対象となる読者

本書の対象となる読者は、WindowsまたはLinuxをお使いで、アットマークテクノ製品用の開発環境を簡単に構築したい方です。また、WindowsまたはLinuxの基本的な使い方を理解していることを前提にしています。

1.2. 本書の構成

本書は、ATDEを使用する上で必要な情報のうち、以下の点について記述されています。

  • VMPlayerのインストール方法

  • ATDEの起動方法

  • VMPlayerのアンインストール方法

  • ATDEからシリアルポートを使用する場合の動作確認

  • ATDEの画面解像度の設定

  • ATDEで自動ログインするには

1.3. インストールPCの推奨スペック

表1.1 インストールPCの推奨スペック

項目スペック
CPU1.5GHzまたはそれ以上
メモリ512MBまたはそれ以上
HDD10GBまたはそれ以上の空き容量
OSx86アーキテクチャのWindowsまたはLinux
その他シリアルインターフェース (USB-シリアル変換アダプターを含む) が1ポート以上あること

1.4. フォントについて

本書では以下のようにフォントを使っています。

表1.2 使用しているフォント

フォント例説明
本文中のフォント本文
[PC ~]$ lsプロンプトとユーザ入力文字列
:コマンド実行後の出力を省略

1.5. コマンド入力例の表記について

本書に記載されているコマンドの入力例は、表示されているプロンプトによって、それぞれに対応した実行環境を想定して書かれています。「/」の部分はカレントディレクトリによって異なります。各ユーザのホームディレクトリは「~」で表わします。

表1.3 表示プロンプトと実行環境の関係

プロンプト説明
[PC /]#作業用PC上の特権ユーザで実行
[PC /]$作業用PC上の一般ユーザで実行
[ATDE /]#ATDE上の特権ユーザで実行
[ATDE /]$ATDE上の一般ユーザで実行

1.6. 注意事項

本書で紹介するソフトウェア(付属のドキュメント等も含みます)は、現状のまま(AS IS)提供されるものであり、特定の目的に適合することや、その信頼性、正確性を保証するものではありません。また、本書で紹介するソフトウェアの使用による結果についてもなんら保証するものではありません。