第13章 i.MX 7Dualの電源制御

本章では、パワーマネジメントICによるi.MX 7Dualの電力供給を制御する方法について説明します。

i.MX 7Dualの電源は、パワーマネジメントICによって制御されています。パワーマネジメントIC の電圧出力を停止・開始することで、i.MX 7Dualの電源をONまたはOFFにすることができます。

13.1. i.MX 7Dual 自身による制御

GPIOクラスディレクトリ以下のvalueファイルに値を書き込むことによって、i.MX 7Dual自身で電源をOFFにすることができます。

対応する、GPIOクラスディレクトリは、/sys/class/gpio/gpio255/ です。

電源をOFFにするには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# echo 255 > /sys/class/gpio/export
[armadillo ~]# echo 0 > /sys/class/gpio/gpio255/value

図13.1 GPIOのexportとvalueファイルへの書き込みによる電源OFF


13.2. アドオンインターフェースによる制御

アドオンインターフェース(CON7)の55ピン PMIC_ONOFF信号によって、i.MX 7Dualの電源をONまたはOFFにすることができます。

PMIC_ONOFF 信号を、2秒以上GND にショートすると、i.MX 7Dualの電源をOFFにすることができます。 PMIC_ONOFF 信号を、2秒未満GND にショートすると、i.MX 7Dualの電源をONにすることができます。

13.3. RTCによる制御

RTC のアラーム割り込みによって、i.MX 7Dualの電源をONにすることができます。

アラーム割り込みは、sysfs RTC クラスディレクトリ以下のwakealarm ファイルから利用できます。

wakealarm ファイルに UNIX エポックからの経過秒数、または先頭に+を付けて現在時刻からの経過秒数を書き込むと、アラーム割り込み発生時刻を指定できます。

3600秒後、アラーム割り込みを発生させるには、次のようにコマンドを実行します。

[armadillo ~]# echo +3600 > /sys/class/rtc/rtc0/wakealarm

図13.2 アラーム割り込みの設定


コマンド実行後、「アドオンインターフェースによる制御」 を参照し、i.MX 7Dualの電源をOFFにします。

3600秒後、アラーム割り込みによってi.MX 7Dualの電源がONになります。

13.4. ユーザースイッチ1(SW1)の操作による制御

ユーザースイッチ1(SW1)の操作によって、i.MX 7Dualの電源をONにすることができます。

「アドオンインターフェースによる制御」「i.MX 7Dual 自身による制御」を参照し、i.MX 7Dualの電源をOFFにします。その後、ユーザースイッチ1(SW1)を押すことで、i.MX 7Dualの電源がONになります。

ユーザースイッチ1(SW1)の位置については、「Armadillo-X1の外観」を参照してください。