第7章 ホストボード設計時の注意事項

AWL13にはUART起動モード、FLASH起動モード、SDIO起動モード、USB起動モードの4種類の起動モードがあります。AWL13の無線LAN機能を使用するにはファームウェアをロードする必要があり、起動モードによりファームウェアのロード場所が違います。起動モードは起動モード選択ピンにより指定することができます。

表7.1 起動モードの種類と説明

起動モードファームウェアのロードホストインターフェース起動モード選択ピン
BOOT_SEL1BOOT_SEL0HOST_SEL
UART起動モードUARTUARTHighHighLow
FLASH起動モードFLASHHighLowLow
SDIO起動モードSDIOSDIOLowHighHigh
USB起動モードUSBUSBLowLowLow

AWL13を動作させるためのホストボードを設計する場合は、本章に記載してある事項を考慮の上、設計してください。

7.1. UART起動モード

UART起動モードのホストインターフェースはUARTです。電源投入後UARTインターフェース経由でファームウェアをロードします。

7.1.1. 使用信号一覧

UART起動モードで使用するAWL13のCON1の信号は次の通りです。

表7.2 AWL13のCON1 使用信号一覧(UART)

ピン番号信号名I/O(ドライブ能力)[a]機能
1UART_RTSOut(8mA)UART送信リクエスト
2UART_CTSInUART送信可能
3GNDPowerGND
4GNDPowerGND
5--Reserved(未接続にしてください)
6--Reserved(未接続にしてください)
7SDCLKInIEEE 802.11準拠パワーマネージメントからの復帰(UART_RXDと接続してください)[b]
8VCCPower電源入力
9--Reserved(未接続にしてください)
10SDCMDInReserved(VCCに固定してください)
11--Reserved(未接続にしてください)
12--Reserved(未接続にしてください)
13UART_RXDInUART受信データ
14UART_TXDOut(4mA)UART送信データ
15BOOT_SEL1In起動モード選択1(内部でプルダウンされています。3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
16BOOT_SEL0In起動モード選択0(内部でプルダウンされています。3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
17HOST_SELInホストインターフェース選択(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
18--Reserved(未接続にしてください)
19--Reserved(未接続にしてください)
20--Reserved(未接続にしてください)
21--Reserved(47kΩでプルダウンしてください)
22--Reserved(未接続にしてください)
23GPIO0In設定初期化(内部でプルダウンされています)
24GPIO1InWPS接続開始(内部でプルダウンされています)
25--Reserved(未接続にしてください)
26GPIO2Out(4mA)ステータスモニタ(内部でプルダウンされています)
27--Reserved(未接続にしてください)
28--Reserved(VCCに固定してください)
29PRSTInパワーオンリセット(内部でVCCに対し、4.7kΩ+2.2uFが接続されています。電源電圧監視が必要な場合はオープンドレインのリセットIC等を接続してください。必要ない場合は未接続にしてください)
30--Reserved(未接続にしてください)
31--Reserved(未接続にしてください)
32--Reserved(未接続にしてください)
33--Reserved(未接続にしてください)
34--Reserved(未接続にしてください)

[a] AWL13側から見たI/Oになります。

[b] パワーマネージメントの詳細につきましては「Armadillo-WLAN(AWL13) ソフトウェアマニュアル」を参照してください。


7.1.2. BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SEL(起動モードの選択)

UART起動モードにするための設定は次の通りです。

表7.3 起動モード選択(UART)

信号名状態
BOOT_SEL1High
BOOT_SEL0High
HOST_SELLow

BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SELはパワーオンリセット解除時の値を保持します。パワーオンリセット解除後は、AWL13内部で別の目的で使用されます。これらの信号はAWL13内部でプルダウンされているため、Lowに設定する場合は未接続、Highに設定する場合は3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)でVCCにプルアップしてください。外部からコントロールする場合は直接出力端子に接続せず、間に3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)の抵抗を挿入してください。

7.1.3. GPIO0、GPIO1、GPIO2

  • GPIO0(設定初期化)

    電源投入時に3秒以上Highを入力することで、AWL13内蔵EEPROMに保存された設定値をデフォルトに戻すことができます。GPIO0はAWL13内部でプルダウンされています。

  • GPIO1(WPS[6]接続開始)

    UART起動モード、FLASH起動モードにはイニシャルモード、コンフィグモード、ターミナルモード、コミュニケーションモードの動作モードがあります。このうちイニシャルモード以外の状態の時に3秒以上Highを入力することで、WPS接続を開始することができます。この方法でWPS接続を開始するとDHCPによるIPアドレス取得設定となります。固定IP設定でWPS接続を開始する場合は、GPIO0とGPIO1を同時に3秒以上Highにする必要があります。

  • GPIO2(ステータスモニタ)

    無線LANの状態を示します。

    表7.4 GPIO2の挙動

    無線LANの状態挙動
    スリープ中Low
    接続中(アドホックモードでは常にHigh)High
    切断中1sec周期でHigh/Lowを繰り返す
    WPS処理中100msec周期でHigh/Lowを繰り返す

7.1.4. 参考回路図

UART起動モード時の参考回路例を示します。UART_RXDとSDCLKの接続は必須ではなく、IEEE 802.11準拠のパワーマネージメント[7]から復帰する際に必要となります。

参考回路図(UART起動モード)

図7.1 参考回路図(UART起動モード)


7.2. FLASH起動モード

FLASH起動モードのホストインターフェースはUARTです。ファームウェアは電源投入時にSPIフラッシュメモリから自動でロード[8]します。

7.2.1. 使用信号一覧

FLASH起動モードで使用するAWL13のCON1の信号は次の通りです。

表7.5 AWL13のCON1 使用信号一覧(FLASH)

ピン番号信号名I/O(ドライブ能力)[a]機能
1UART_RTSOut(8mA)UART送信リクエスト
2UART_CTSInUART送信可能
3GNDPowerGND
4GNDPowerGND
5--Reserved(未接続にしてください)
6--Reserved(未接続にしてください)
7SDCLKInIEEE 802.11準拠パワーマネージメントからの復帰(UART_RXDと接続してください)[b]
8VCCPower電源入力
9--Reserved(未接続にしてください)
10SDCMDInReserved(VCCに固定してください)
11--Reserved(未接続にしてください)
12--Reserved(未接続にしてください)
13UART_RXDInUART受信データ
14UART_TXDOut(4mA)UART送信データ
15BOOT_SEL1In起動モード選択1(内部でプルダウンされています。3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
16BOOT_SEL0In起動モード選択0(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
17HOST_SELInホストインターフェース選択(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
18FLASH_RXDInフラッシュメモリ受信データ
19FLASH_CSBOut(4mA)フラッシュメモリ選択
20FLASH_CLKOut(4mA)フラッシュメモリクロック
21FLASH_TXDOut(4mA)フラッシュメモリ送信データ
22FLASH_SELInフラッシュ領域選択(内部でプルダウンされています。Lowに設定する場合は未接続、Highに設定する場合は3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
23GPIO0In設定初期化(内部でプルダウンされています)[b]
24GPIO1InWPS接続開始(内部でプルダウンされています)[b]
25--Reserved(未接続にしてください)
26GPIO2Out(4mA)ステータスモニタ(内部でプルダウンされています)[b]
27--Reserved(未接続にしてください)
28--Reserved(VCCに固定してください)
29PRSTInパワーオンリセット(内部でVCCに対し、4.7kΩ+2.2uFが接続されています。電源電圧監視が必要な場合はオープンドレインのリセットIC等を接続してください。必要ない場合は未接続にしてください)
30--Reserved(未接続にしてください)
31--Reserved(未接続にしてください)
32--Reserved(未接続にしてください)
33--Reserved(未接続にしてください)
34--Reserved(未接続にしてください)

[a] AWL13側から見たI/Oになります。

[b] パワーマネージメントの詳細につきましては「Armadillo-WLAN(AWL13) ソフトウェアマニュアル」を参照してください


7.2.2. BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SEL(起動モードの選択)

FLASH起動モードにするための設定は次の通りです。

表7.6 起動モード選択(FLASH)

信号名状態
BOOT_SEL1High
BOOT_SEL0Low
HOST_SELLow

BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SELはパワーオンリセット解除時の値を保持します。パワーオンリセット解除後は、AWL13内部で別の目的で使用されます。これらの信号はAWL13内部でプルダウンされているため、Lowに設定する場合は未接続、Highに設定する場合は3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)でVCCにプルアップしてください。外部からコントロールする場合は直接出力端子に接続せず、間に3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)の抵抗を挿入してください。

7.2.3. FLASH_SEL

SPIフラッシュメモリにはファームウェアを2種類保存することができます。FLASH_SELはSPIフラッシュメモリの領域指定を行ないます。

表7.7 SPIフラッシュメモリの領域指定

FLASH_SELの状態領域
Low領域1
High領域2

7.2.4. GPIO0、GPIO1、GPIO2

UART起動モード時と機能は同じですので、「GPIO0、GPIO1、GPIO2」を参照してください。

7.2.5. 参考回路図

FLASH起動モード時の参考回路例を示します。UART_RXDとSDCLKの接続は必須ではなく、IEEE 802.11準拠のパワーマネージメント[9]から復帰する際に必要となります。

参考回路図(FLASH起動モード)

図7.2 参考回路図(FLASH起動モード)


  • 動作確認済みのSPIフラッシュメモリ

    ・S25FL004A(Spansion)

    ・M25PE40(Micron)

7.3. SDIO起動モード

SDIO起動モードのホストインターフェースはSDIOです。電源投入後SDIO経由でファームウェアをロードします。

7.3.1. 使用信号一覧

SDIO起動モードで使用するAWL13のCON1の信号は次の通りです。

表7.8 AWL13のCON1 使用信号一覧(SDIO)

ピン番号信号名I/O(ドライブ能力)[a]機能
1SDDATA1In/Out(8mA)SDIOデータ1
2SDDATA0In/Out(8mA)SDIOデータ0
3GNDPowerGND
4GNDPowerGND
5--Reserved(未接続にしてください)
6--Reserved(未接続にしてください)
7SDCLKInSDIOクロック
8VCCPower電源入力
9--Reserved(未接続にしてください)
10SDCMDIn/Out(8mA)SDIOコマンド
11SDDATA3In/Out(8mA)SDIOデータ3
12SDDATA2In/Out(8mA)SDIOデータ2
13--Reserved(未接続にしてください)
14--Reserved(未接続にしてください)
15BOOT_SEL1In起動モード選択1(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
16BOOT_SEL0In起動モード選択0(内部でプルダウンされています。3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
17HOST_SELInホストインターフェース選択(内部でプルダウンされています。3kΩ~5kΩ(推奨4.7kΩ)でVCCにプルアップしてください)
18--Reserved(未接続にしてください)
19--Reserved(未接続にしてください)
20--Reserved(未接続にしてください)
21--Reserved(47kΩでプルダウンしてください)
22--Reserved(未接続にしてください)
23GPIO0Out(4mA)送信可能状態確認
24GPIO1Out(4mA)GPIO0のトグルビット
25--未接続にしてください
26GPIO2Out(4mA)GPIO6のトグルビット
27GPIO6Out(4mA)受信可能状態確認
28--Reserved(VCCに固定してください)
29PRSTInパワーオンリセット(内部でVCCに対し、4.7kΩ+2.2uFが接続されています。電源電圧監視が必要な場合はオープンドレインのリセットIC等を接続してください。必要ない場合は未接続にしてください)
30--Reserved(未接続にしてください)
31--Reserved(未接続にしてください)
32--Reserved(未接続にしてください)
33--Reserved(未接続にしてください)
34--Reserved(未接続にしてください)

[a] AWL13側から見たI/Oになります。


7.3.2. BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SEL(起動モードの選択)

SDIO起動モードにするための設定は次の通りです。

表7.9 起動モード選択(SDIO)

信号名状態
BOOT_SEL1Low
BOOT_SEL0High
HOST_SELHigh

BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SELはパワーオンリセット解除時の値を保持します。パワーオンリセット解除後は、AWL13内部で別の目的で使用されます。これらの信号はAWL13内部でプルダウンされているため、Lowに設定する場合は未接続、Highに設定する場合は3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)でVCCにプルアップしてください。外部からコントロールする場合は直接出力端子に接続せず、間に3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)の抵抗を挿入してください。

7.3.3. GPIO0、GPIO1

GPIO0、GPIO1はAWL13にデータ送信可能な状態かどうかを確認することができます。

表7.10 GPIO0、GPIO1

信号線説明
GPIO0Highデータ送信可能な状態を示します。
Lowデータ送信不可能な状態を示します。
GPIO1High/LowGPIO0が送信可能になった時の有効性を示します。前回読み出した値と反対であれば有効と判断します。

7.3.4. GPIO2、GPIO6

GPIO2、GPIO6はAWL13に受信可能なデータがあるかを確認することができます。

表7.11 GPIO2、GPIO6

信号線説明
GPIO6High受信可能なデータがある状態を示します。
Low受信可能なデータがない状態を示します。
GPIO2High/LowGPIO6が受信可能になった時の有効性を示します。前回読み出した値と反対であれば有効と判断します。

7.3.5. 参考回路図

SDIO起動モード時の参考回路例を示します。

参考回路図(SDIO起動モード)

図7.3 参考回路図(SDIO起動モード)


  • VCC(電源)

    ・電源のリップルは10mVpp以下になるようにしてください。

  • SDCLK、SDDATA、SDCMD

    ・オーバーシュート、アンダーシュートは無線性能に大きな影響を与えます。ホスト信号源の近くにダンピング抵抗を挿入するなどして、SDIO規格のタイミングを満たす範囲で、出来るだけノイズレベルが低くなるように設計してください。

7.4. USB起動モード

USB起動モードのホストインターフェースはUSBです。電源投入後USB経由でファームウェアをロードします。

7.4.1. 使用信号一覧

USB起動モードで使用するAWL13のCON1の信号は次の通りです。

表7.12 AWL13のCON1 使用信号一覧(USB)

ピン番号信号名I/O[a]機能
1--Reserved(未接続にしてください)
2--Reserved(未接続にしてください)
3GND-GND
4GND-GND
5USB_DMIn/OutUSBデータマイナス
6USB_DPIn/OutUSBデータプラス
7--Reserved(未接続にしてください)
8VCC-電源入力
9--Reserved(未接続にしてください)
10--Reserved(未接続にしてください)
11--Reserved(未接続にしてください)
12--Reserved(未接続にしてください)
13--Reserved(未接続にしてください)
14--Reserved(未接続にしてください)
15BOOT_SEL1In起動モード選択1(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
16BOOT_SEL0In起動モード選択0(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
17HOST_SELInホストインターフェース選択(内部でプルダウンされています。未接続にしてください)
18--Reserved(未接続にしてください)
19--Reserved(未接続にしてください)
20--Reserved(未接続にしてください)
21--Reserved(47kΩでプルダウンしてください)
22--Reserved(未接続にしてください)
23--Reserved(未接続にしてください)
24--Reserved(未接続にしてください)
25--Reserved(未接続にしてください)
26--Reserved(未接続にしてください)
27--Reserved(未接続にしてください)
28--Reserved(VCCに固定してください)
29PRSTInパワーオンリセット(内部でVCCに対し、4.7kΩ+2.2uFが接続されています。電源電圧監視が必要な場合はオープンドレインのリセットIC等を接続してください。必要ない場合は未接続にしてください)
30--Reserved(未接続にしてください)
31--Reserved(未接続にしてください)
32--Reserved(未接続にしてください)
33--Reserved(未接続にしてください)
34--Reserved(未接続にしてください)

[a] AWL13側から見たI/Oになります。


7.4.2. 起動モードの選択

USB起動モードにするための設定は次の通りです。

表7.13 起動モード選択(USB)

信号名状態
BOOT_SEL1Low
BOOT_SEL0Low
HOST_SELLow

BOOT_SEL1、BOOT_SEL0、HOST_SELはパワーオンリセット解除時の値を保持します。パワーオンリセット解除後は、AWL13内部で別の目的で使用されます。これらの信号はAWL13内部でプルダウンされているため、Lowに設定する場合は未接続、Highに設定する場合は3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)でVCCにプルアップしてください。外部からコントロールする場合は直接出力端子に接続せず、間に3kΩ~5kΩ(4.7kΩ推奨)の抵抗を挿入してください。

7.4.3. 参考回路図

USB起動モード時の参考回路例を示します。

参考回路図(USB起動モード)

図7.4 参考回路図(USB起動モード)


  • VCC(電源)

    ・電源のリップルは出来るだけ小さく、10mVpp以下になるようにしてください。

  • USB_DP、USB_DM

    ・配線長は出来る限り短くしてください。

    ・90Ω±10%の差動インピーダンスマッチングを取ってください。

    ・シングルエンドのインピーダンスマッチングは45Ω±10%としてください。

    ・等長配線してください。(配線長差 0.5mm以下)

    ・配線にはなるべくスルーホールを作成しないでください。

    ・他の信号ラインがUSB_DP、USB_DMラインを横切らないようにしてください。

    ・USB_DP、USB_DMラインが電源のスプリットを横切らないようにしてください。

7.5. リセット信号

PRSTはAWL13内部でVCCに対して4.7kΩ+2.2uFが接続されているため、電源投入時におよそ10msecのアサート期間を持ちます。そのため、AWL13内蔵のRC回路によるパワーオンリセット使用の際は、電源投入時の電源電圧の立ち上がり時間にご注意ください。電源電圧監視が必要な場合には、PRSTにオープンドレインのリセットICを接続してください。

通常動作時にPRSTをアサートする場合は、リセットのラッチタイミングを保証するために200usec以上のLow期間を設定してください。

PRSTの内部回路

図7.5 PRSTの内部回路


[警告]

AWL13が内蔵EEPROMにアクセスしている時は、リセットをかけないでください。

EEPROMが書き込み動作中にリセットをかけた場合、チェックサムが不正な値になるなど、正しく動作しなくなる場合があります。

  • EEPROMの書き込み動作が行われるタイミング

    ・TCP/IP内蔵ファームウェアで各種設定内容を保存する時

    ・WPSをスタンドアロンモードで実行して、クレデンシャルが書き込まれる時

EEPROMが読み込み動作中にリセットをかけた場合、EEPROMへのアクセスが出来なくなる場合がありますので、その時は電源を入れなおしてください。

  • EEPROMの読み込み動作が行われるタイミング

    ・リセット解除後(100msec以内)

    ・ファームウェア起動後(100msec以内)

    ・WID_SERIAL_NUMBERコマンド[10]

7.5.1. 参考回路図

参考回路図(リセット)

図7.6 参考回路図(リセット)


7.6. ホストボード設計上の注意点

推奨基板レイアウト

図7.7 推奨基板レイアウト


1

接続コネクタにはAXK6F34347YG(パナソニック電工)を使用してください。

2

配線禁止領域です。この領域にはGNDベタや配線を引かないでください。

3

部品配置禁止領域です。この領域にはAXK6F30347YG(パナソニック電工)以外の部品を配置しないでください。

4

チップアンテナを使用する場合、周囲1cm以内には、なるべくAWL13を接続するホストボード以外の基板や筐体を配置しないでください。また、AWL13を収める筐体に金属は使用できません。金属ケースを使用する場合は外付けアンテナを接続してください。

AWL13の固定

図7.8 AWL13の固定


1

AWL13の固定には、高さ1.5mmのスペーサ(金属製)とM2ねじ(金属製)を使用してください。AWL13のM2ねじ穴はGNDとなっていますので、金属製スペーサを通じてホストボードのGNDとショートしてください。M2のネジの締め付けトルクは1kgf・cm以上とし、締め付け過ぎに注意してください。



[6] Wi-Fi Protected Setupの略称。Wi-Fi Allianceが策定した規格で、無線LANのセキュリティを容易に導入できる仕組みを表します。

[7] パワーマネージメントの詳細については「Armadillo-WLAN(AWL13) ソフトウェアマニュアル」を参照してください。

[8] SPIフラッシュメモリへのファームウェアの書き込み方法については「Armadillo-WLAN(AWL13)ソフトウェアマニュアル」を参照してください。

[9] パワーマネージメントの詳細については「Armadillo-WLAN(AWL13) ソフトウェアマニュアル」を参照してください。

[10] 詳細については、ローム社Webサイトのサポートページからダウンロードできる「BU1805GUシリーズ TCP/IP内蔵WLAN仕様書」を参照してください。