第3章 概要

3.1. ボード概要

AWL13は、ローム社製無線LANデバイス「BP3580」を搭載した小型無線LANモジュールです。IEEE 802.11b/g/n規格対応の無線通信機能とIEEE 802.11i規格対応のセキュアエンジン機能をハードウェアとして実装しています。

ホストインターフェースとしてUART、SDIO、USBの3つに対応しています。また、小型組み込み機器に最適なチップアンテナと外付けアンテナ接続用の同軸コネクタを搭載しています[3]。外付けアンテナは電波の届きにくい金属筺体に組み込む場合や、通信距離を伸ばしたい場合にご利用ください。国内電波法認証取得済みなので、量産にご採用いただく際も煩雑な登録手続きを行う必要がありません[4]

AWL13の主な仕様は次の通りです。

表3.1 AWL13の仕様

デバイスローム BP3580 (BU1805GU チップセット搭載)
無線LAN規格IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11n、IEEE 802.11i
送受信周波数2400MHz~2483.5MHz(ch1~ch13)
周波数偏差±25ppm以下
送信電力[a]IEEE 802.11b15dBm±2dBm
IEEE 802.11g13dBm±2dBm
IEEE 802.11n12dBm±2dBm
通信速度[b]IEEE 802.11b1, 2, 5.5, 11Mbps
IEEE 802.11g6, 9, 12, 18, 24, 36, 48, 54Mbps
IEEE 802.11n

(800ns GI[c]): 6.5, 13, 19.5, 26, 39, 52, 58.5, 65Mbps

(400ns GI[c]): 7.2, 14.5, 21.7, 28.9, 43.3, 57.8, 65, 72.2Mbps

受信感度[a]IEEE 802.11b-94dBm @1Mbps、-89dBm @11Mbps
IEEE 802.11g-92dBm @6Mbps、-73dBm @54Mbps
IEEE 802.11n-90dBm @6.5Mbps、-68dBm @72.2Mbps
アクセス方式インフラストラクチャモード(AP[d][e][f] 、STA[g])、アドホックモード
セキュリティ機能WEP(64bit、128bit)、WPA-PSK(TKIP、AES)、WPA2-PSK(TKIP、AES)
無線LAN機能WPS: プッシュボタン方式、PIN方式(Enrolleeのみ)、 オートレート(STA[g]のみ)、 自動チャンネル選択(STA[g]のみ)
ホストインターフェースUART(~921600bps)
SDIO Ver.2.00(High Speed、Normal Speed対応)
USB2.0(High Speed、Full Speed対応)
インターフェースコネクタモジュール側AXK5F34347YG(パナソニック電工)
ホスト側AXK6F34347YG(パナソニック電工)
電源電圧DC3.3V±0.2V
消費電流(Typ.)送信時300mA
340mA(USB使用)
受信時200mA
240mA(USB使用)
スリープ時500μA
動作環境温度-40℃~85℃
湿度85%以下(結露なきこと)
基板サイズ24.0 x 33.1mm

[a] 送信電力、受信感度は図3.1「AWL13のブロック図」のアンテナ給電点(BP3580アンテナ端子)での性能値となります。

[b] 規格による理論値上の速度であり、ご利用の環境や接続機器などにより実際のデータ速度は異なります。

[c] ガードインターバル

[d] AP=アクセスポイント

[e] ファームウェア v4.3.2以降で有効です。対応するデバイスドライバはv3.0.2以降です。

[f] STAの接続可能局数は5台です。

[g] STA=ステーション


3.2. ブロック図

AWL13のブロック図は次の通りです。

AWL13のブロック図

図3.1 AWL13のブロック図




[3] 外付けアンテナ接続時はチップアンテナは無効となります。

[4] 日本国内でのみ有効です。日本国外ではご利用いただけませんのでご注意ください。また、付属アンテナ、オプション品以外の外付けアンテナと共にご利用いただく場合は、新たに電波法認証の取得が必要になります。