第7章 セキュリティ通信

ネットワークを介したデータ通信を行う場合に、データを暗号化し、セキュリティを高めることができます。以下にPC等とのデータ通信をする場合のイメージ図を示します。

セキュリティ通信イメージ

図7.1 セキュリティ通信イメージ


7.1. SSHについて

SSH(Secure SHell)とは、ネットワークを介して別のコンピュータにログインしたり、遠隔地にあるコンピュータのコマンドを実行したりするプログラムです。ネットワークに流れるデータは常に暗号化されており、安全なデータ通信が行えます。

Armadillo-210では、SSHサーバを動作させることでネットワークを介したデータ通信のセキュリティを高めています。セキュリティ通信を行うためには、クライアント(PC等)側の設定が必要になります。クライアント側では、セキュリティを高めたい通信を、ポートフォワーディングを用いてSSHで暗号化された通信路を経由するように設定します。

7.2. SSHの設定方法

SSH通信を実現するためには、SSHクライアントアプリケーションが必要となります。SSHクライアントには、

等があります。インストール及び使用方法に関してはそれぞれのWebサイトを参照して下さい。(上記、2つのアプリケーションでポートフォワーディングを確認してあります。)

ここでは、SSHのポートフォワーディングを利用した安全なシリアル-イーサネット変換を例にSSHの設定方法を説明します。また、SSHクライアントアプリケーションには、PuTTYを使用します。

はじめに、Armadillo-210のIPアドレスを確認します。確認方法については、 「Armadillo-210の検索」 を参照して下さい。

PuTTYを起動します。「ホスト名」にArmadillo-210のIPアドレスを指定します。

PuTTYセッション設定画面

図7.2 PuTTYセッション設定画面


接続→SSH→トンネルを選択し、「源ポート」と「送り先」を指定します。送り先には、「Armadillo-210:ポート番号」を指定します。シリアル-イーサネット変換で使用するポート番号は「21347」です。

PuTTYトンネル設定画面

図7.3 PuTTYトンネル設定画面


追加ボタンをクリックします。

PuTTYポートフォワーディング設定後の画面

図7.4 PuTTYポートフォワーディング設定後の画面


開くボタンをクリックすると、ログインプロンプトが表示されるので、「guest」でログインします。

PuTTYログイン画面

図7.5 PuTTYログイン画面


上記手順で、SSHのポートフォワーディングの設定は完了です。

つぎに、実際にシリアル-イーサネット変換機能を使用してみます。 「シリアル通信の設定方法」 で行ったように、ハイパーターミナルを起動させ、接続の設定画面を表示させます。接続方法を「TCP/IP」に設定し、ホストアドレスにループバックインタフェースアドレス「127.0.0.1」を指定します。また、ポート番号には「21347」を設定し、OKボタンをクリックします。

ループバックインタフェース設定画面

図7.6 ループバックインタフェース設定画面


以上で、安全なシリアル-イーサネット変換ができる状態になりました。実際にデータ通信を行った場合、ネットワークを流れるパケットをキャプチャーしてみるとSSHで暗号化されていることがわかります。