第6章 汎用I/O制御

ネットワーク経由でPC等からArmadillo-210の汎用I/Oを監視/制御することができます。

監視/制御できる内容は

  • 入力ポートの状態取得

  • 出力ポートの出力設定

  • 入力ポートの状態変化通知受信

の3つです。

以下にそれぞれのイメージ図を示します。

センサー(入力ポート)の状態を取得する場合

図6.1 センサー(入力ポート)の状態を取得する場合


ブザー(出力ポート)の出力を設定する場合

図6.2 ブザー(出力ポート)の出力を設定する場合


センサー(入力ポート)の状態変化通知

図6.3 センサー(入力ポート)の状態変化通知


[ティップ]

セキュリティ対策は施されていませんので、利用の際にはセキュリティに十分に注意して下さい。

6.1. 汎用I/Oの設定方法

はじめにArmadillo-210設定ツールを起動して[検索ボタン]をクリックします。(Armadillo-210設定ツールの起動方法は 「Armadillo-210設定ツールの起動」 「4.1.Armadillo-210設定ツールの起動」を参照して下さい。)

検索されたArmadillo-210のリストから、設定を変更したいArmadillo-210を選択して[汎用I/O設定]ボタンをクリックすると「汎用I/O設定ダイアログ」が表示されます。設定対象のArmadillo-210が検索されない場合は、[汎用I/O設定]ボタンをクリック後、「汎用I/O設定ダイアログ」でIPアドレスを指定して下さい。

汎用I/O設定ダイアログ

図6.4 汎用I/O設定ダイアログ


「汎用I/O設定ダイアログ」上の[取得]ボタンをクリックすると現在の汎用I/Oの設定値が表示されます。また設定を変更する場合は、各設定項目を変更した後に[設定]ボタンをクリックします。

以下に汎用I/O設定ダイアログの設定項目を説明します。

IPアドレス

汎用I/Oの設定を変更するArmadillo-210のIPアドレスを指定します。

マネージャIPアドレス

汎用I/O入力ポートの状態変化を通知する機器のIPアドレスを指定します。(状態変化はSNMPのトラップで通知されます。)

状態チェック周期

汎用I/O入力ポートの状態を監視する周期をms単位で指定します。設定できる周期は10ms~1000msの範囲です。(短い周期に設定すると高い精度で状態変化を監視できますが、Armadillo-210の処理負荷が高くなります。用途に合わせて適当な値を設定して下さい)

ポート番号

汎用I/Oのポート番号です。以降の設定項目はこの項目で指定されたポート番号の設定になります。Armadillo-210のCON5との対応を以下の表に示します。(CON5の詳細はハードウェアマニュアル「5.4. CON5(汎用I/O)」を参照して下さい)

表6.1 汎用I/Oポート番号対応表

ポート番号CON2(汎用I/O)
1PORTA4
2PORTA5
3PORTA6
4PORTA7
5PORTB0
6PORTB1
7PORTB2
8PORTB3

モード

各汎用I/Oポートに割り当てる機能を指定します。入力で使用する場合は「input」、出力で使用する場合は「output」に設定して下さい。汎用I/Oのモード設定は、再起動しても保持されます。出荷時の設定は「input」です。

状態

各汎用I/Oポートの現在の値を参照(または設定)することができます。モードを「input」にしている場合は、設定することはできません。汎用I/Oの状態設定は、再起動時には保持されないのでご注意下さい。

初期状態

Armadillo-210起動時の、各汎用I/Oポートの初期状態を指定します。モードが「input」に設定されている場合は、設定することができません。また、現在の汎用I/O状態は変更されませんのでご注意下さい。汎用I/Oの初期状態は、再起動しても保持されます。出荷時の設定は「LOW」です。

トラップ状態

トラップ時間

モードがinputに設定されている場合、状態がトラップ状態と一致するときに状態通知(トラップ)を送信します。状態通知を送信する間隔は、トラップ時間に設定されている間隔となります。トラップ時間に設定可能な値は30ms~604800000msの範囲です。通知を必要としない場合は0を指定して下さい。トラップ状態は、再起動しても保持されます。出荷時の設定は「LOW」です。トラップ時間は、再起動しても保持されます。出荷時の設定は「0」です。

[ティップ]

汎用I/Oの設定はSNMPを利用していますので、MIBブラウザ等からの変更も可能です。Armadillo-210が利用しているMIBの詳細に関しては、開発キット付属CDのmibs/armadillo-210.mibを参照して下さい。

6.2. 汎用I/O利用例

Armadillo-210から送信される状態通知(トラップ)を受信する方法について説明します。

状態通知を受信するには、トラップ受信用のソフトウェアが必要になります。手軽に利用できるトラップ受信用ソフトウェアには、

等があります。インストール及び使用方法に関してはそれぞれのWebサイトを参照して下さい。

次にArmadillo-210の汎用I/Oの設定を変更します。ここでは、監視周期を「100ms」、マネージャIPアドレスを「192.168.10.100」、ポート1のモードを「input」、トラップ状態を「LOW」、トラップ送信時間を「1000ms」に設定します。(マネージャIPアドレスには、トラップ受信ソフトウェアを動作させているPCのIPアドレスを指定して下さい。)

汎用I/Oの設定例

図6.5 汎用I/Oの設定例


Armadillo-210の汎用I/Oポート1番(CON5のPORTA4)の状態が「LOW」になった後1000ms以上その状態が続くと、マネージャIPアドレスで指定されたPCに状態が通知されます。

以下に、実際にwSnmpTrapでArmadillo-210のトラップを受信した例を示します。

トラップ受信例

図6.6 トラップ受信例